赤旗2022年11月21日付
来年4月の統一地方選挙にむけ、日本共産党の小池晃書記局長を迎えた党演説会が20日、熊本市で開かれました。小池氏は、山本のぶひろ県議予定候補(熊本市1区、現職)や、上野みえこ(現職)、いせり栄次(新人)、やまべひろし(元職)の熊本市議予定候補3氏らの全員勝利を訴えました。
小池氏は、蒲島県政が自然環境や生態系を破壊する川辺川ダムや立野ダムなど巨額の開発を推進する一方、県の子ども医療費助成は4歳未満までで、私学助成を削減するなど福祉・教育は全国最低水準だと指摘しました。これに対して、山本県議が川辺川ダムなどに反対し、中学1年生の35人学級や夜間中学の設置、県立学校への生理用品の配置を実現させ、統一協会の関連団体行事「ピースロード」への県の後援を取り消させたと紹介。「自民党多数の県議会の中で『追及と提案』の議席だ。統一協会の県政への介入を許さない宝の議席だ。必ず勝ち抜かせてほしい」と呼びかけました。
熊本県での統一協会と自民党政治家や自治体の深刻な癒着の話に。小池氏は、統一協会の働きかけで2012年に家庭教育支援条例が全国で初めて県議会で制定され、関連団体「熊本ピュアフォーラム」が地方議会への請願やジェンダー平等反対運動を繰り広げてきたと指摘。共産党熊本県委員会の調査によって、自民党の木原稔衆院議員と岩下栄一県議が関連団体から献金を受け、現議長の溝口幸治県議が研修会の講師を2回務めたことが明らかになったにもかかわらず、自民党県連会長は独自調査を拒否していることに触れ、「全国でも有数の根深い関係だ」と強調しました。「統一協会と自民党熊本県連、行政が一体で、教育や子育て行政をゆがめてきた疑いがある。徹底解明が必要で、そのためにも日本共産党を勝たせてほしい」と訴えました。
小池氏は、トルコで開かれていたアジア政党国際会議(ICAPP)で19日に採択された「イスタンブール宣言」で、「ブロック政治を回避」し「対話と交渉」を行うことが「紛争解決への唯一の道」だとする内容が確認されたと紹介。同宣言について、包括的な地域の平和協力の重要性などを訴えた志位和夫委員長の提案の中心点が反映された内容だと指摘し、ICAPP議長から「日本共産党の貢献に感謝します」と謝意を示されたと報告しました。「これが憲法9条を生かした外交だ。本来は日本政府がやるべき仕事だが、世界に向けて責任を果たすため野党外交を続けたい」と決意を表明すると、会場から拍手がわき起こりました。
演説会後、小池氏が参加者に入党を呼びかけ、4人が入党しました。
山本県議予定候補・上野熊本市議予定候補が決意
演説会では、統一地方選挙、中間選挙の予定候補18人が紹介されました。山本県議予定候補は「県議会の唯一の共産党の議席を守り抜く」と表明。熊本県が国の悪政の防波堤どころか「悪政の手先となっている」と述べ、命も環境も破壊する川辺川ダム建設や水俣病被害者の放置を許さず、半導体最大手TSMCの進出には地下水を守るための検証・監視を行うと訴えました。「地方議会で日本共産党の議員は命と暮らしを守るかけがえのない役割を果たしている」と力を込めました。
政令市の熊本市議選をたたかう上野予定候補が3議席確保の決意を語り、人吉市議選に挑む川上さち子予定候補が訴えました。
田中信孝・前人吉市長が「私は保守系無所属」と自己紹介し、川辺川ダムを阻止しようと呼びかけました。