赤旗2022年11月2日付
日本共産党の小池晃議員は1日の参院財政金融委員会で、来年10月に予定されるインボイス(適格請求書)制度導入について「小規模事業者やフリーランスなどにとって新たな消費税大増税だ」として導入中止を迫りました。
小池氏は、インボイス導入で小規模事業者を取引から排除する事例が相次いでいると指摘しました。福島市が入札参加資格申請の手引に「インボイス制度の登録がない場合、水道局及び下水道室発注の工事等の受注ができなくなる」と記していた問題や、JR広島駅のタクシーの入構管理規定に「駅構内に入るものは適格請求書を発行しなければならない」との文言が入った問題を紹介。「免税事業者の排除ではないか」とただしました。
インボイスを登録しないと入札制度から排除することに関し、総務省大臣官房の三橋一彦審議官、財務省主計局の前田努次長は「適当ではない」と自治体や各省庁に周知したと答弁。国土交通省運輸安全委員会の岡野まさ子審議官は、タクシーの入構制限が「独占禁止法に抵触する恐れがある」と周知するメールを地方運輸局などに送ったと述べました。
小池氏は、アニメや声優業界で働くフリーランスの約4人に1人がインボイス導入で「廃業の可能性」とした調査を紹介。「地域経済や文化を支えるフリーランスや小規模事業者の仕事を奪い、廃業に追い込んでいいのか。岸田政権の経済対策にも逆行する」と迫りました。
鈴木俊一財務相は「安定的な移行にむけ努力をしたい」などと述べるだけ。小池氏は「インボイス導入は今後の消費税増税のためだと指摘されてきたが、政府の税制調査会で増税の議論が始まっている」と指摘。増税の議論はやめ、インボイス導入は中止するよう重ねて求めました。