赤旗2022年10月25日付
問われる首相の任命責任
統一協会(世界平和統一家庭連合)との癒着関係が指摘されてきた山際大志郎経済再生担当相は24日、岸田文雄首相に辞表を提出しました。統一協会との癒着と無反省な態度に対する厳しい国民の批判と野党の追及に追い詰められての辞任劇ですが、遅すぎる決断です。
山際氏は、自民党が統一協会との接点の点検結果を公表した9月8日の後も相次ぎ新たな接点が発覚。協会が主催する会合への出席などについて「記憶にない」とする一方、報道などで接点があった証拠を指摘された後に追認することを繰り返していました。
17~20日に行われた衆参両院の予算委員会でも「資料が発見できない」「新しい事実が出てくる可能性はある」と無責任な答弁を連発。反社会的集団の広告塔となってきたことへの反省はなく、事実関係についてまったく説明責任を果たしてきませんでした。その後も、19年に愛知県内で韓鶴子総裁と集合写真を撮影していた事実が明らかになっています。
山際氏は辞表提出後、記者団の取材に応じ、「資料を自分自身で過去を調べられない状況にあった。したがって、外部から指摘されることによって、後追いの説明になってしまった」と無反省な弁明に終始。辞職で幕引きは許されず、統一協会との関係についての説明責任は引き続き求められます。
岸田首相は8月の内閣改造で山際氏を再任しており、任命責任が厳しく問われます。しかし、記者団からその点を問われた岸田首相は「任命責任は当然、感じている。この任命責任を感じているからこそ、今後の審議、職責をしっかり果たすことで、その責任を果たしていきたい」と支離滅裂な発言を行いました。
小池書記局長がコメント
日本共産党の小池晃書記局長は24日、山際大志郎経済再生担当相の辞任報道を受けて記者団の取材に答え、「遅きに失した。辞職は当然だが、山際氏は自らの統一協会との関係を包み隠さず明らかにすべきだ」と指摘しました。
その上で、「岸田文雄首相の任命責任も鋭く問われる。全ての閣僚(政務三役)について、統一協会との関係を首相の責任で解明し、公表すべきだ」と主張しました。