赤旗2022年10月8日付
参院本会議代表質問
日本共産党の小池晃書記局長は7日、参院本会議で代表質問に立ち、安倍晋三元首相の「国葬」強行や、自民党・政府と統一協会との癒着を追及しました。また、物価高騰などで苦しむ国民の声を届けて暮らしを守る提案を示し、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増計画の中止を主張。岸田文雄首相はまともに答えられず同じ答弁を繰り返すだけで、無責任な姿勢があらわになりました。(質問全文)(関連記事)
小池氏は、憲法違反の「国葬」強行に強く抗議。「国葬」で岸田首相が安倍政権の“実績”として安保法制や2度の消費税の引き上げなどを賛美したことを批判し、「これらや、森友・加計学園、桜を見る会などの国政私物化も、虚偽答弁もすべて肯定し、引き継ぐ立場なのか」とただしましたが、岸田首相は「過去の事案は繰り返し説明が行われてきた」などとまともに答えようとしませんでした。
統一協会をめぐって小池氏は、岸田首相が内閣の「骨格」として再任した山際大志郎経済再生担当相の協会との癒着が続々と発覚しているとして、「首相の任命責任が問われる。更迭すべきだ」と主張。60年以上にわたり自民党と協会・国際勝共連合が深い関係にあったのは周知の事実であり、8年8カ月も首相・総裁を務めた安倍元首相の調査もせずに「組織的関係はなかった」となぜ断じることができるのかとして、徹底調査を求めました。岸田首相は「自らの責任で説明を尽くす必要がある」「本人(安倍氏)の『心の問題』。十分調査ができない」などと調査を拒否しました。
さらに小池氏は、所信表明で首相が「円安のメリットを最大限引き出す」と述べたことについて、「円安を維持すべきということか。物価高騰に苦しむ国民、中小業者の悲鳴が聞こえないのか」と追及。中小企業が賃上げできる環境づくりと、大企業の内部留保を活用し最低賃金1500円に引き上げる提案を示して実現を求めましたが、岸田首相は提案に背を向けました。
岸田首相が所信で原発再稼働に加え、「次世代革新炉」の開発・建設の加速を表明したことについて、小池氏は「東京電力福島第1原発事故以降、歴代政権が封印してきた政策の“大転換”に踏み切るのか」と追及。「次世代革新炉」の実用化時期は2030年代半ば以降とされ、現在の電力不足対策どころか30年までの気候危機対策にも役立たないとして、「結局、既存原発に依存せざるをえず、老朽原発の延長運転と不可分になってしまう」とただしました。岸田首相は「既設原発の最大限活用、次世代革新炉の開発、建設を含め、年末に向け専門家による議論の加速を指示した」と原発全面推進の姿勢をあらわにしました。
小池氏は、来年度の防衛省概算要求は「敵基地攻撃予算」と呼ぶべきもので、同能力の保有を既成事実化するものだと告発。同能力の中心となる長射程巡航ミサイルは1000発以上の保有の検討が報じられているが「事実か」とただしました。岸田首相は「答えは差し控える」と答弁を拒否しながら「あらゆる選択肢を排除せず、防衛力を抜本的に強化していく」と強弁。小池氏は「日本が敵基地攻撃能力を持てば軍事対軍事の悪循環がエスカレートし一触即発の事態をもたらす」と述べ、地域の緊張を高める軍事力強化ではなく、憲法9条を生かした平和外交こそ必要だと求めました。