日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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小池晃の活動報告

NHK「日曜討論」 小池書記局長の発言

2022年09月05日

赤旗2022年9月5日付

 

 日本共産党の小池晃書記局長は4日、NHK番組「日曜討論」に出演し、各党幹部と政治家と統一協会(世界平和統一家庭連合)との関係、新型コロナウイルスや物価高について討論しました。司会は伊藤雅之解説委員と星麻琴アナウンサー。小池書記局長の発言を紹介します。


 

統一協会

自民党は調査し、半世紀にわたる関係の解明を

 

 番組前半、自民党をはじめとする政治家と統一協会との関係について議論になりました。自民党の茂木敏充幹事長は「国民の皆さんの疑念が高まっていると重く受け止め、反省をしなきゃならない。今後は一切の関係を持たない」と述べる一方、「個々の議員と接点はあったが、自民党とは関係ない」「今週中に聞き取り結果を公表する」などと弁明しました。立憲民主党の岡田克也幹事長は「山際大志郎大臣や萩生田光一政調会長から新しい話が出てきて、言っていることがどんどん変わっている」と指摘しました。

 

 小池氏は、自民党の無責任な対応を批判し、次のように述べました。

 

 小池 茂木さんは「一切関係を持たない」と言うが、これまでの関係のどこに問題があり、どこを反省しているのかについて自民党からは何も語られていない。しかも、(茂木氏は)記者会見で「調査ではなく点検だ」とはっきり言った。個人任せではなく、党として責任をもった調査をしなければ関係をただすことはできない。

 

 何より、統一協会との関係で頂点にいた安倍晋三元首相についてなぜ調査をしないのか。これは真剣に反省しているかどうかの試金石だと思います。

 

 2015年の統一協会の名称変更に政治家の関与があったかについても何の説明もなく、黒塗り文書しか出てこない。政府はなぜ名称変更を認めたのか真相を明らかにする責任がある。

 

 司会の星氏は、全国の消費生活センターなどに寄せられる霊感商法などの相談は年間で1200~1500件に上ることを紹介。こうした問題をどう解決するかについて、小池氏は次のように述べました。

 

持ちつ持たれつで深刻な被害広げる

 

 小池 信教の自由は保障されるべきですが、宗教の名を借りた反社会的カルト集団に対しては、現行法を厳格に適用するとともに、新たな法制度も含めて検討する必要があります。問題は反社会的カルト集団と自民党がなぜ深い関係を持ってきたのかです。統一協会と表裏一体の組織として「国際勝共連合」がつくられ、安倍元首相らの改憲案とそっくりの主張をし、ジェンダー平等を攻撃してきた。選挙では自民党を応援してきたわけです。

 

 先ほど公明党は「宗教団体が選挙で特定政党を応援するのは憲法上問題ない」と言いましたが、宗教団体が機関決定をして政党支持を押し付けることは、信者の政党支持の自由を奪う問題があり、許されません。

 

 自民党の側には政治的な利用価値があり、教団の側も広告塔として利用してきた。まさに持ちつ持たれつでやってきた結果、深刻な被害が広がったわけですから、半世紀に及ぶ自民党と統一協会の関係を徹底的に解明することなしに被害の救済はできません。

 

 続いて、被害者の救済に向けて議論になり、小池氏は次のように述べました。

 

現行法を適用して被害者の救済へ

 

 小池 先ほど申し上げたように現行法を厳格に適用することでかなりの問題を解決できると思います。実際にオウム真理教の問題が起こった時に統一協会についてもきちんと規制すべきだった。ところが、関係者の話では政治の力が働いて調査が止まったという。きちんと現行法を適用していくということで解決していくべきです。

 

 茂木さんは「組織として自民党と関係ない」と言いますが、共同通信の調査によれば少なくとも146人の自民党の国会議員が統一協会と接点を持っていた。関係の頂点にあった安倍元首相をはじめ、萩生田政調会長など党の重鎮もかなり深く関わっていたことが次々と明らかになっています。

 

 統一協会側は、国際勝共連合など関連団体も含めて「自民党を応援してきた」と公言しています。半世紀にわたる協力関係を統一協会側は持ってきたわけです。これで「自民党と関係ない」と言われても誰も納得できません。

 

茂木氏が事実無根の反共発言

小池氏が撤回要求

 

 番組の中で、自民党の茂木敏充幹事長が「旧統一協会の問題だけではなくて、社会的に問題のある団体全てについて考えていかなくてはいけない」「例えば左翼的な過激団体と共産党の関係。ずっと言われてきました」と突然発言する場面がありました。

 

 「組織として自民党は関係ない」と何度も繰り返す茂木氏に、小池氏が、統一協会と接点を持つ自民党の国会議員が146人にのぼり、統一協会側が「自民党を応援してきた」と公言していると具体的な事実をあげて、「自民党の中で組織的に決定した文書はないかもしれないけど、『関係ない』と言われても誰も納得しない」と反論した直後でした。苦し紛れの事実無根の発言です。

 

 茂木氏の発言に対して、小池氏は「全く関係ありません」と反論。「公共の電波を使って自民党の幹事長が全く事実無根の話をしないでください。『過激な団体』と、いつ共産党が関係をもちましたか。共産党は最も厳しく対峙(たいじ)してきた政党です。今の発言を撤回してください」と厳しく批判しました。

 

国葬

「法の下の平等」「思想及び良心の自由」に反し違憲

 

 安倍元首相の「国葬」について議論になりました。茂木氏は内閣府設置法を「国葬」実施の根拠にあげ、「閣議決定を根拠として執り行う」と強弁しました。公明党の石井啓一幹事長は「国際社会からの高い評価があるなどあまり異論はないと思う。ただ、与野党での評価は分かれる」と述べました。

 

 岡田氏は「国の儀式となれば内閣だけでなく、国会も裁判所もある。岸田さんは勝手に閣議決定したけど、とんでもない。法治主義に反するような民主主義の根幹に関わる問題だ」と批判。日本維新の会の藤田文武幹事長は「個人としても党としても国葬には賛成」と与党に同調しました。

 

 小池氏は「国葬」は憲法違反だとして次のように述べました。

 

 小池 私たちは二つの点で憲法違反だと思います。一つはなぜ安倍氏のみが特別扱いなのか。憲法14条「法の下の平等」に反すると思います。もう一つは、岸田首相は「国葬」は「故人に対する敬意と弔意を国全体としてあらわす儀式」と記者会見で述べましたが、これは国民への弔意の強制に他なりません。憲法19条「思想及び良心の自由」に反するものです。

 

 内閣府設置法の話がありましたが、内閣府設置法には「国葬」の根拠、基準は書いていない。そういう法律はない。法律にないことを、なぜ閣議決定で決められるのか。法律にないことに、なぜ予算を出せるのか。しかも全体の費用は終わらないと分からない。まさに無法に無法を重ねるものです。

 

 公明党は「異論はない」と言いましたが、異論は大ありですよ。安倍氏は憲法違反の法案を次々強行し、森友、加計、桜を見る会などの政治の私物化をくり返してきました。

 

 「評価が分かれている」とも言いましたが、その通りです。それなのに安倍政治に対する敬意を国民に強制することは到底許されない。死者の最悪の政治利用だと言わなければならないと思います。

 

 茂木氏は「国葬は国民一人ひとりに喪に服することや特定の価値観への評価を求めるものではない」などの言い訳に終始。さらに「いくらお金がかかるのかを丁寧に国民の皆さんに説明していく」と述べながら具体額への言及を避けました。

 

 これに対して小池氏は次のように反論しました。

 

実施の根拠法なし 法治主義を破壊

 

 小池 「国葬」はもともと、戦前の制度で天皇中心の専制国家の時代につくられました。その根拠とされた「国葬令」は戦後、日本国憲法ができて、国民主権、基本的人権に反するということで失効しました。政府も、失効の理由として「制度全体として、現行憲法の精神とは相容(い)れないような性格を有する」(2017年10月、内閣法制局)からだと認めざるを得ませんでした。

 

 だから吉田茂元首相を例外として、それ以降は行われてきませんでした。なぜそれを今やるのか。法治主義を壊して「法の支配」を「人の支配」に変えることになるんじゃないか。岸田首相は「民主主義を断固として守り抜く決意を示すためだ」と言ったけれども、「国葬」そのものが法律の根拠もなく行われることになれば、数の力さえあれば何でもできるということになり、民主主義を踏みにじるものになります。日本の民主主義を守るためにも「国葬」の中止を強く求めます。

 

新型コロナ

オミクロン株の特性踏まえた戦略を

 

 番組終盤に、討論は、感染拡大の第7波の中での岸田政権のコロナ対策に。茂木氏は「国としてコロナに対する対応力は高まっている」「(感染者の)全数届けの見直し、療養期間の短縮、先進国の中で日本は一番厳しい水際措置を取っておりますので、この緩和も進めていきたい」と述べました。

 

 小池 8月の(コロナ感染の)死者数は過去最高だった2月の1・5倍です。高齢者もたくさん亡くなっているが、10歳未満の死者も増えている。本当に痛ましいことです。最大の問題はオミクロン株の特性を踏まえた新しい戦略が必要なのに、首相官邸のホームページにある「取組の全体像」は昨年11月から更新されていない。本当に戦略がないんです。なりゆき任せです。こういうことでは命は救えないと思います。何よりも早期診断、早期治療が必要です。ところが発熱外来はパンクしているので、なかなか検査、診断、抗ウイルス薬の投与までたどり着かないのが実態です。

 

 「全数把握を見直す」と言うのであれば、全国知事会が言っているように、「治療を必要とする全ての人が速やかに受診できる体制をつくる」べきです。こういったことも含めて、ワクチン・検査・医療・暮らしをパッケージとして、オミクロン株の特性に見合った戦略を打ち出すべきです。それを国会に示して臨時国会をただちに開いて国民の前で議論して、きちんとした対策をつくるべきだということを強調したい。

 

物価高

個別の価格対策には限界 消費税減税こそ必要

 

 最後に物価高対策が討論のテーマになりました。

 

 小池 個別の品目での価格対策には限界があります。やはり、全ての品目の価格を下げる消費税減税が必要です。今、世界96の国と地域が、コロナの下で付加価値税の減税に踏み切っている。日本もこれをやるべきです。これが、生活が苦しい方や、ご商売に困っている業者への一番の支援になります。

 

 さらに、賃金を上げることです。大企業の内部留保は、この1年で18兆円も増えている。これを中小企業の賃上げ支援に活用するために、内部留保に課税することを前向きに検討すべきだと思います。

 

図

(図)「付加価値税」の減税を実施・予定している96の国・地域(8月15日時点、小池晃事務所作成)

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