赤旗2022年8月24日付
第2次世界大戦後、旧ソ連によってシベリアやモンゴルに抑留され、強制労働などで亡くなった人たちを追悼する「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」が23日、東京都千代田区にある国立千鳥ケ淵戦没者墓苑で行われました。シベリア抑留者支援センターの主催で約150人が参加。ロシアによるウクライナ侵略が続く中、「悲劇を繰り返すな」と声が上がりました。
2003年から毎年行われている追悼の集いは今年で20回目です。元抑留者の平均年齢が今年で99歳になる中、国に対し実態解明などを求めました。
主催者を代表し、元抑留者の新関省二さん(96)があいさつしました。77年前、鉄道でシベリアに送られる途中、死亡した仲間を線路のわきに埋めながら先に進んだと述べ「本当につらかった」と語りました。
ウクライナ侵略に対し、「人が人を殺すのは間違っている。破壊も略奪も許されない。捕虜や住民が虐待されたり、強制移住などが繰り返されてはならない」と訴えました。
追悼の言葉を述べた遺族の西田美也子さん(79)は、「遺族も年々少なくなっている。抑留という不幸な事実があったことを若い人たちに語り続けなければいけない」と話しました。
与野党国会議員らが来賓あいさつしました。日本共産党の小池晃書記局長は、ウクライナ侵略の影響もあり抑留の資料収集や遺骨収集が滞っているとして「ロシアは協力する責任があるし、日本政府も特措法に基づき事業を進める責任がある」と強調。ロシアの軍事侵攻の即時中止を求め、憲法9条を守り抜く決意を述べました。