赤旗2022年8月15日付
一、77回目の終戦記念日にあたり、日本共産党は、日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配の犠牲となった内外の人々に深い哀悼の意を表するとともに、戦争の惨禍を絶対に繰り返さない決意を新たにします。
いま、政府・与党とその補完勢力は、ロシアによるウクライナ侵略の蛮行に乗じ、憲法9条改悪と、「敵基地攻撃能力」の保有や軍事費の2倍化という大軍拡に突き進もうとしています。日本共産党は、創立から100年、反戦平和を貫いてきた党として、このたくらみを打ち破り、9条を生かした外交で平和な東アジアをつくるため全力をあげます。「戦争をさせない、9条を変えるな」という国民多数の共同を広げるために力をつくします。
一、岸田政権は、憲法9条を変え、日本を「戦争をする国」にしようとしています。これまで政府は、9条のもと、「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならない」としてきました。しかし、軍事費を2倍にすれば世界第3位の軍事大国となります。政府は、安保法制発動――集団的自衛権を発動した場合でも「敵基地攻撃」はできると答弁しており、そうなれば日本が攻撃されていなくても米国の相手国に自衛隊が「敵基地攻撃」で攻め込むことになります。こんなことが「戦争放棄」「戦力不保持」を宣言した憲法9条と相いれないことは明白です。軍事費2倍化は、大増税か、暮らしの予算の大削減をもたらします。平和を壊し、暮らしを押しつぶす改憲と大軍拡を許すことはできません。
一、ウクライナ侵略や台湾問題を口実に「軍事対軍事の悪循環」に陥ることこそ戦争への危険な道です。日本共産党は、中国による台湾に対する軍事的威嚇強化に厳しく抗議し、その中止を強く求めます。一方、米国が、台湾問題への軍事的関与を強化し、それに日本政府が追従していることは、台湾問題をめぐって「軍事対軍事」の悪循環に陥る危険をはらむものであり、わが党はこの道に対して強く反対します。台湾問題の解決は、台湾住民の民主的に示された意思を尊重し、あくまでも平和的な話し合いで解決されるべきです。
政治の責任は、戦争を起こさせない外交に力をつくすことです。日本共産党は、ASEAN(東南アジア諸国連合)が主導する東アジアサミットを強化・発展させ、中国も含む包摂的な地域の平和枠組みを構築する「外交ビジョン」を提案しています。いま、世論にも大きな変化が起き、「軍備増強」でなく「平和外交を」という声が広がっています。日本共産党は、「外交ビジョン」をさらに豊かなものにし、野党外交にもとりくみ、日本と東アジアの平和のために力をつくしていきます。
一、今年6月、核兵器禁止条約の第1回締約国会議は大きな成功をおさめ、ドイツ、ノルウェー、ベルギーなどの米国の同盟国もオブザーバー参加するなど、禁止条約が無視しえない現実になっていることを示しました。しかし、日本政府は締約国会議にオブザーバー参加すらせず、岸田首相は、核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、広島・長崎の平和式典でも、核兵器禁止条約にも、核保有国に核軍縮・撤廃を義務づけるNPT6条にも一言も触れないという、核兵器禁止を求める世界の本流に背を向ける姿勢に終始しました。核使用を前提とする「核抑止力論」にしがみつき、米国の「核の傘」の強化に熱中しながら、「核保有国と非保有国との橋渡し」などできるはずがありません。
日本共産党は、「核戦争の防止と核兵器の廃絶」を綱領に掲げる党として、核兵器禁止条約に参加する政府をつくるために奮闘します。