赤旗2022年6月8日付
現役世代の負担軽減にはならない
日本共産党国会議員団は7日、高齢者医療費2倍化中止法案を参議院に提出しました。発議者は倉林明子、武田良介両参院議員と小池晃書記局長です。提出後、小池氏は記者会見し、物価高騰や年金削減という中で医療費負担を増やすことは「国民生活を守る上でも中止にするべきだ」と強調しました。
昨年6月、75歳以上の医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げる2倍化法が強行され10月から実施となっています。高齢者医療費2倍化中止法案は、この医療費の2倍化中止のため講ずべき措置を定めたものです。
小池氏は、医療費2倍化の対象となる高齢者370万人の負担増の総額が平年ベースで1900億円、高齢者1人当たりの負担増は年間約5万2000円だとして「こういう負担を物価高騰の中で強いることは、高齢者の生存権を脅かすという点でも、景気の悪化という点でも、1050億円の給付費削減を見込んでいる受診抑制を深刻化させる点でも、中止するべきだ」と強調しました。
また、政府が「現役世代の負担軽減のためだ」と繰り返し説明してきたことに対し、「高齢者の窓口負担2倍化による現役世代の負担軽減は、現役世代1人当たり年間350円、1月あたり30円の保険料軽減にしかならない」と指摘しました。