赤旗2022年6月8日付
日本共産党の小池晃書記局長は7日、報道各社の論説委員などが参加する「政治問題研究会」で講演し、目前に迫った参院選には暮らしと平和がかかっているとして、「共産党の存在意義を思う存分発揮しなければならない」と語りました。
小池氏は、ウクライナ危機に乗じた9条改憲や軍事費増、「核共有」の危険な動きがあると批判。「軍事対軍事」の悪循環を止めるために、9条を生かした外交努力で東アジアに平和と協力の枠組みをつくる共産党の構想を語りました。
「この構想は欧州の教訓を真に生かす道でもある」と述べた小池氏は、欧州では欧州安全保障協力機構(OSCE)というロシアを含めた包括的な枠組みが生かされず、北大西洋条約機構(NATO)諸国もロシアも、軍事力による「抑止」の戦略に陥っていったと指摘。今回の侵略の責任は挙げてロシアにあり、軍事同盟問題はロシアの免責理由にはならないと強調し、「戦争の背景には『力対力』に陥ってしまった外交の失敗がある」と述べました。
質疑で、日本が侵略される危険について問われた小池氏は、「いま日本が直面する最大の危険は、安保法制のもとで自衛隊と米軍が一体になって、『敵基地攻撃能力』を使って相手国に攻め込む。その結果、日本に戦火を呼び込むことだ」として、その危険を取り除くことこそ必要だと強調しました。
暮らしの問題について小池氏は、深刻な物価高騰の根底に「アベノミクス」の失政があると指摘。黒田東彦日銀総裁の「家計の値上げ許容度が高まっている」などの発言に触れ、「いまの物価高の原因をつくった張本人が、国民感情を逆なでする発言をしている」と批判しました。
岸田文雄首相の「資産所得倍増プラン」については、「『貯蓄から投資』への動きが進まないのは、国民が将来不安を抱えていることや、そもそも投資に回すような貯蓄がないからだ」と指摘。新自由主義の政治を根底から変える必要があるとして、「人を大事にする『やさしい経済』こそ、持続的に成長する『強い経済』をつくる」と強調しました。