赤旗2022年6月3日付
小池書記局長と岸本さんが議論
日本共産党のインターネット番組「とことん共産党」が1日夜、「『脱民営化』が世界のトレンド 新自由主義からの脱却」をテーマに放送され、朝岡晶子さんの司会で、小池晃書記局長と、シンクタンク研究員で杉並区長選(6月12日告示・19日投票)に出馬表明している岸本さとこさんが議論しました。
日本では、効率化の名のもとに公的サービスを官から民へと移行させる新自由主義路線が、国だけでなく、自治体にも押し付けられ、住民に身近なサービスまで「民営化」が広がってきました。
小池氏は「大軍拡の一方で、新自由主義を進める政治を止めなければならない」と指摘。岸本氏も、「軍拡と新自由主義の組み合わせは一番恐ろしい。コロナで私たちの生活の底上げをしなければならないときに最悪の組み合わせです」と応じました。
岸本氏は、最近まで国際政策シンクタンクNGOの研究員を務め、世界各地の公共サービスの民営化の実態と、公共サービスを住民の手に取り戻す「再公営化」の事例を調査してきました。
朝岡さんは、岸本氏の著作『水道、再び公営化!』を紹介。それによると、日本ではさまざまな住民サービスが民営化されていますが、世界では2000~19年に、民営化された公共サービスを1408件、公の管理に戻したといいます。特にコロナ禍では病院の再公営化が目立ちました。
病院統廃合は逆
小池氏は、「日本では公立病院の統廃合を続けている。まったく逆だ」と驚きをあらわにしました。
岸本氏は、1970~80年代に、すべての公共サービスを完全民営化し、110のサービスが再公営化したイギリスや、民営化の失敗をきっかけに水道を再公営化し、公社に議員も加わって、情報公開を徹底して、「民主化」したフランスの事例を紹介。「民から公に戻すのは大変な労力が必要です。せっかく再公営化するなら、民主化しようということです」と解説しました。
日本の新自由主義も話題に。岸本氏は「日本はヨーロッパほどグローバル資本に痛めつけられていない。日本には山や里、海、川といった資源が豊かです。地域コミュニティーや公共財など、資本主義の外にはみ出た、お金ではない価値がたくさんある。それを再発見すれば、地域の価値を高めていくことができる」と語りました。
やさしい経済に
小池氏は、日本共産党が提案する「やさしく強い経済」について触れ、「弱者にはやさしいけど経済は衰退するという誤解があるが、地域の力を引き出して、社会保障の充実や農業の自給率を高めることが経済の発展につながる」と主張しました。岸本氏も、「おっしゃる通り。それをやらないと国としてまずい」と賛同しました。
杉並区長選では共産党や立憲民主党などが岸本氏を推薦しています。岸本氏は「党派を超えて、当たり前の政治を取り戻していく」と決意しました。
小池氏は「世界で起こっているような公共性を復活させる流れをつくれば、日本は変わる。杉並から日本と世界を変えましょう」と期待を示しました。