赤旗2022年5月27日付
日弁連・日本弁護士政治連盟(弁政連)と日本共産党の懇談会が26日、東京都内で行われ、ロシアによるウクライナ侵略や憲法改定、入管法、司法・法曹界の課題について意見交換しました。主催は弁政連。
日弁連から小林元治会長と15人の副会長、事務総長らが出席。共産党から志位和夫委員長、小池晃書記局長、田村智子政策委員長ら8人の衆参国会議員が参加しました。
弁政連の菊地裕太郎理事長は、ロシアのウクライナ侵略を受け、日本の行く末について「国民は、参院選後に予想される憲法改正論議がどのような影響を及ぼすのか注視している。琴線に触れるような選挙戦を期待している」とあいさつ。小林氏は、在外邦人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは憲法違反だと断じた25日の最高裁判決を「満額回答だ」と評価。国会での改憲論議の動向に注目しているとし、「私たちは憲法を愛する法律家の集団だ。国際平和協調をうたった憲法前文、戦争放棄をうたう9条、国際協調主義の98条を大きな背骨にしながら、法律家として憲法のありよう、さまざまな選択肢を(国民に示すことを)含め、役割を果たしていきたい」と語りました。
志位氏は、最高裁判決について「直ちに国会でしっかり対応しなければならない」と表明。日弁連副会長の4割、6人が女性となったことに「心から敬意を申し上げる。国会も見習わなくてはいけない。わが党も、もっと努力が必要だ」と述べました。
さらに、ウクライナ情勢に触れて「日本は『力対力』の道か、外交による平和創出の道かの選択を迫られている」と述べ、「力には力」の道―軍事力・軍事同盟強化、敵基地攻撃能力の保有、憲法9条改定の道は「際限のない軍事対軍事の悪循環、『安全保障』のジレンマに陥る一番危険な道だ」と指摘。「9条を生かし外交で平和をつくることにこそ知恵と力を注ぐべきだ。ASEAN(東南アジア諸国連合)が構想するような、地域のあらゆる国を包摂する平和の枠組みを東アジアでもつくることが大事だ」と強調しました。
日弁連から、法テラス利用者への裁判費用等の支援を給付制に転換すること、再審制度(裁判のやり直し)の抜本改善が要望されました。小池氏は、両制度の改善・充実に力を尽くすと表明し、「国会では、憲法の背骨を骨抜きにする動きが進んでいる。憲法を守り、実現する論戦に全力を挙げたい」と決意を述べました。