日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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共産党 ジェンダー平等へ論戦 参院決算委 選択的夫婦別姓 小池氏が追及

2022年05月17日

赤旗2022年5月17日付

 

世論調査、なぜ変更

 

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(写真)質問する小池晃議員=16日、参院決算委

 日本共産党の小池晃書記局長は16日の参院決算委員会で、選択的夫婦別姓制度に関する政府の世論調査に多くの問題があることをあげ、「背景にどのようなことがあったのか」と追及しました。

 

「人権の問題、国会として早急に結論を」野田担当相

 

 今年3月に発表された選択的夫婦別姓制度の世論調査は法務省が作成し、設問内容が大きく変えられました。

 

 小池氏は、選択的夫婦別姓制度の導入に「国民世論を最大の考慮要素とするのであれば、経年変化を追える調査をすべきだ」と指摘。また、法務省が調査前に内閣府から「選択的夫婦別姓と現行制度の2択でやるべきだ」と指摘されていたにもかかわらず、設問で旧姓の通称使用の法制度導入を含めた3択にすることを押し通した点をただしました。

 

 小池氏は、法制審議会が選択的夫婦別姓制度を答申した1996年、同審議会は夫婦の氏に関する制度として通称使用は提案しなかったにもかかわらず、同年6月の世論調査から「通称使用」を選択肢に追加したことを指摘。「法制審答申にもなかった項目が、なぜ突然盛り込まれたのか」と追及しました。

 

 野田聖子男女共同参画担当相は「(当時の法制審では)旧姓の通称使用の法制度に相当する案は採用することが相当ではないと却下された」「情報を整理すると国会議員からの意見をふまえて選択肢に盛り込まれた可能性がある」と述べました。小池氏が「国会議員は誰か」と迫ると、法務省の金子修民事局長は「事実関係は確認できなかった」と答えられませんでした。

 

 小池氏は「選択的夫婦別姓は、個人の尊厳の問題であり、人権問題だ」と強調。野田担当相は「結婚後も自らの姓を名乗れるかどうかは人権にかかわる問題だ」「選択的夫婦別姓を含む具体的な法制度のあり方を加速させ、国会として早急に結論を得る必要がある」と答弁しました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 家族の法制に関する世論調査についてお聞きをします。
 調査内容は法務省が作ったということでありますが、今年三月に発表された調査では選択的夫婦別姓制度についての設問が大きく変わっております。経年変化が追えなくなってしまいました。
 私、この問題についてはこれまで何度も質問してまいりまして、安倍元首相も菅前首相も、そして今の岸田首相も、国民の間に様々な意見があることから引き続き議論すると、法案提出を拒んでこられました。
 法務省、お伺いしますが、国民世論を最大の考慮要素とするのであれば、少なくとも経年変化をきちんと追える調査にすべきではなかったんでしょうか。

 

○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
 まず、今回の世論調査は、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況によりまして、調査員が調査対象者の自宅を直接訪問し、面接での聞き取りを行うという個別面接聴取法による調査実施が困難となったため、これまでと変わりまして郵送法に切り替えて世論調査を実施することとしたところであり、仮に設問が前回までと全く同じであったとしても、厳密な意味で前回までの調査と単純に比較して論じるということが困難な状況にございました。
 これは形式的な理由ですが、その上で、本世論調査では、調査を実施する行政府としての中立性、公平性に留意しつつ、国民の意識の動向についてなるべく継続的な把握を可能にするという観点も考慮した上で、設問や選択肢をできるだけ分かりやすくするため、するものとするための修正を行ったものでございます。
 確かに、今回の調査と前回までの調査について、個々の設問の回答割合の増加、減少といった観点で両者を単純に比較して論じることは必ずしも相当ではございませんが、法務省としましては、今回の世論調査は最新の国民意識を把握することができる有益なものになっているものと考えております。

 

○小池晃君 大変分かりにくい答弁だったと思いますが。
 この調査に当たって、法務省と内閣府で協議をされました。内閣府は法務省に対して、今回の世論調査、設問、どこにどのような問題があって、どう変えるべきだと指摘したんでしょうか。

 

○政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。
 私ども内閣府男女共同参画局からは様々な指摘を行いました。例えば、夫婦の氏の制度の在り方に関する問いの十二については、平成八年の法制審議会の答申で導入が提言された選択的夫婦別姓制度と、同答申で採用されなかった案に相当する旧姓の通称使用についての法制度が並べて表記されていることへの疑問から、現在の制度と選択的夫婦別姓制度の二択で問うべきではないかということ、また、旧姓の通称使用についての法制度として、人によって想像する内容が異なり、分かりにくいものが選択肢として回答者に示されているのではないかといった指摘を行いました。

 

○小池晃君 法務省は、なぜそうした内閣府の指摘を入れずに今回の設問でやったんでしょうか。

 

○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
 今回の設問の作成に当たりましては、法務省において、内閣府男女共同参画局や調査実施主体である政府広報室とも十分な調整を行っているところでございます。その過程では、内閣府男女共同参画局や政府広報室から様々な指摘を受けたところであり、そうした指摘も十分踏まえた上で設問の作成をしたものでございます。
 今、男女共同参画局長の方からいただいた御指摘につきましては十分踏まえていたつもりでございますが、特に選択肢を二つにすべきであるという御指摘に対しましては、夫婦の氏に関する問題には様々な意見があるところ、夫婦同姓制度による不便、不都合を解消するための方策として、大きくは選択的夫婦別姓制度を導入すべきとする意見、それから旧姓の通称使用についての法制度を設けるべきとする意見とがあり、この点に関する国民の意識を適切に把握するためには、これらの意見を同じ設問の選択肢とすることが必要かつ相当であると考えられました。
 また、平成八年度から前回である平成二十九年度までの調査においても同様の三つの選択肢が挙げられたものでございますので、国民の意識の動向についてできるなら継続的な把握を可能にするという観点からも、これらの三つを選択肢とすることが必要かつ相当と考えたものでございます。

 

○小池晃君 平成八年から三択にしたということ自体が問題なので、それはちょっと後でまた議論させていただきたいと思うんですが、今いろいろとおっしゃいましたけど、私は、内閣府の指摘に対する答えにはなっていないし、それを踏まえた設問には今回なっていないというふうに言わざるを得ないと思うんですね。
 さらに、今回の調査では、新たに加えられた設問もありまして、資料の三ページ20220516資料③の問い十一ですが、これ、夫婦の氏が違う場合に子供にどのような好ましくない影響があるかという設問で、その選択肢が、子供が嫌な思いをするなど対人関係で心理的な負担が生じるとか、家族の一体性が失われて子の健全な育成が阻害されるなどとされているんですね。
 法務省はどういう根拠でこの選択肢を作ったんでしょうか。今でも日本では、通称使用あるいは離婚、あるいは事実婚、再婚、親子の姓が異なる子供はいっぱいいます。そういう子供の中で、健全に育っていないというようなデータがあるんですか。

 

○政府参考人(金子修君) 今回の調査では、夫婦の名字が違うことによる子への影響について問う設問を平成二十九年度の前回調査から維持した上で、さらに、子への影響の具体的内容を問う設問として設問十一を追加したところでございます。
 この設問十一を追加した理由についてでございますが、前回調査におきまして、夫婦の名字が違うと子供にとって好ましくない影響があると思うと回答した割合が六〇%を超えていたことから、今後の検討を生かすために、その具体的な内容を把握することが有益であると考えられたものでございます。
 また、世論調査の設問八で、かねてより、夫婦、親子の名字、姓が異なることによる夫婦を中心とする家族の一体感、きずなへの影響の有無について尋ねており、それを子供への影響という視点で尋ねたものでございます。
 今回の選択肢は、従前の法制審議会での審議の際に、要綱試案に対して国民に送られた、国民から寄せられた意見や文献等で指摘されている意見などの資料を踏まえて作成したものでございまして、子供に好ましくない影響が出ること自体を客観的に示すデータ等に基づいて作成したわけではございません。

 

○小池晃君 最後の答えだけ言えばいいんですよ。
 そういう根拠もないようなものを選択肢にする。人権を守り、不当な差別、偏見許さないというのが法務省の存在意義ですよ。親子の氏が異なると、偏見、差別生まれるようなことを是とするんですか。そんなことないでしょう。だったら、こんな選択肢は設けるべきじゃないんですよ。
 しかも、世論調査に詳しい松本正生埼玉大学名誉教授。この世論調査の在り方、これ、事実裏付ける根拠もなく、いたずらに不安を取り下げるような質問ばかりを加えて、この問い十一の次の問い十二で選択的夫婦別姓について聞いているんですね。こういうやり方はどうなのか。別姓はマイナスと意識付けて本題に行く流れになっているのではないかと、こういう指摘をしているわけですよ。私、こういう誘導的なもの、意図的なものと言われても仕方がないような構成になっているということは指摘をしておきたいというふうに思います。
 そして、先ほどから分かりやすくした分かりやすくしたと言うけど、最も分かりにくいのは、この資料二ページ20220516資料➁の問い十二の選択肢にある、夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度というものなんですね。
 内閣府に聞きますが、夫婦の氏に関する法制度、現行の法制度に代わる案として行政府から提示されたものは選択的夫婦別姓制度しかないと思いますが、それ以外に何か存在しますでしょうか。

 

○政府参考人(林伴子君) 私ども行政府が現在の制度に代わる制度として知っておりますのは、平成八年の法制審議会の答申で導入が提言された選択的夫婦別姓制度のみでございます。

 

○小池晃君 旧姓の通称使用という行政府の正式な提案になっていないものをなぜ調査項目に盛り込んだのかですよね。法制審は、今もありましたが、夫婦の氏についての制度としては通称使用を提案しなかった。平成八年二月に選択的夫婦別姓制度を答申した。法務省は答申に基づいて改正法案を準備した。ところが、その年の六月に行われた世論調査から通称使用というのはなぜか選択肢に加えられた。
 私、法務大臣、法務大臣は国会で、法制審の答申を重く受け止めると答弁されました。でも、こういうことでは法制審の答申を軽視したと言われても仕方がないんじゃないでしょうか。いかがですか。

 

○国務大臣(古川禎久君) 法制審議会に諮問する立場にある法務大臣としましては、現時点においても平成八年の法制審議会の答申については重く受け止めるべきものであるというふうに考えております。今回の世論調査においても、この選択的夫婦別氏制度を設問の選択肢としているわけです。
 もっとも、今委員の御指摘にあります、その法制審議会の答申の中にはなかったいわゆるこの通称使用ということについては、これは、委員も御案内のとおり、平成八年にこの答申が出まして、それを受けて、その後、平成八年及び平成二十二年にこの法案を国会に提出しようと試みたものの、それがかなわなかったという経緯がありまして、そういうことを踏まえましても、やはりこの夫婦の氏に関する制度というのは広く国民全体に影響を与えるものでありますし、また子供への影響を懸念する声もあって、そのようなことから踏まえますと、この問題に関する国民意識を幅広く把握することが重要であるということを考えておりまして、その観点から、つまり、その国民意識を幅広く把握することが必要であるということからその通称使用というものが指摘を受けておるわけですから、そういうことも含めてこの質問を立てているということでございまして。
 こうしたことから、結論申しますと、選択的夫婦別氏制度とこの他の想定される制度の在り方を同じ設問の選択肢としたことは、法制審議会の答申を重く受け止めているということと何ら矛盾するものではないというふうに考えております。

 

○小池晃君 いや、今の答弁は本当に矛盾していると思いますよ。だって、法制審の答申には入っていないということを言ったじゃないですか。その後のいろんな議論の中でいろんな意見が出たから入れているんだというだけの話でね。私は、ちょっと古川大臣、ちょっと見損なっちゃったという感じで、もうちょっとちゃんと、やっぱり法務大臣なら法制審をちゃんと尊重してやってください。
 それで、野田大臣、通称使用の問題は予算委員会でも議論させていただきました。で、様々な問題があると。これはもう内閣府が答弁していただいて、これ決着付いている問題だと思うんですね。明らかに法制審のときは、平成八年は、通称使用案はこれ早期に除外されているんですよ、これは。それは暫定的なものとして対応としてはあったとしても、今の夫婦同姓制度に代わる法制度としては通称使用というのはもう除外されたというのがこれはもう当然の解釈だと、今も法務大臣はそのことはお認めになったと思うんですね。
 野田大臣、当時からこの問題に関わってこられました。法制審答申になかったものがなぜ突然盛り込まれたのか、どういう背景でどういう経過があったのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

 

○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
 平成八年二月に法制審議会が答申を行い、選択的夫婦別姓制度の導入を提言しました。同審議会では三つの試案を提示して議論が行われましたが、旧姓の通称使用の法制度に相当する案については、長期的な展望に立った氏の制度として採用することは相当ではないと却下された経緯がありました。しかしながら、同じ年の六月に実施された世論調査では、旧姓の通称使用についての法制度が選択肢に盛り込まれております。いろいろ情報を整理しますと、国会議員からの意見を踏まえて選択肢に盛り込まれた可能性があるものと考えております。
 いずれにしましても、国民にとって不明瞭な経緯で選択肢として追加されている旧姓の通称使用についての法制度がその後も四半世紀にわたり残り続けてきたということであろうと思っています。

 

○小池晃君 資料の四枚目20220516資料④に、平成八年十二月二十四日付けの日本経済新聞夕刊の記事を載せました。赤線引いたところにこう書かれております、調査項目を作成した法務省は国会議員から通称使用ではどうかという意見が出たので設問に加えたと。
 法務省、この国会議員どなたですか。どういう意見が出たんですか。簡潔にお答えください。

 

○政府参考人(金子修君) お答えします。
 御指摘の報道については承知しておりますが、その内容については事実関係を確認することができませんでした。したがって、お答えすることができません。

 

○小池晃君 大事な記録はなぜかなくなってしまうと。これでは民主主義国家と言えないと私は思います。
 これだけ問題がある世論調査ですが、現在の夫婦同姓を維持した方がよいという回答は、十代から二十代の女性では一〇・四%、三十代では一一・七%、四十代でも一三%しかいない。やっぱり、これから結婚しようという若い世代、特に女性は一刻も早い制度改正を求めています。私は政治の責任が問われていると思います。
 野田大臣、三月二十二日、第二次夫婦別姓訴訟で国家賠償請求の最高裁判決がありました。渡邉惠理子裁判官、こう述べています。氏名は、個人がそれまで生きてきた歴史、人生の象徴ともいうべきものであり、婚姻時まで使用してきた従前の氏の変更は、個人の識別機能を喪失させ、また、個人の人格、アイデンティティーの否定につながることから、氏名は、個人にとっての重要性は極めて高く、個人の尊厳として尊重されるべきものであると。
 私は、選択的夫婦別姓は個人の尊厳の問題であって、人権の問題だと思います。この渡邉裁判官の指摘、これ、行政府におられる政治家としてどう受け止めるか、お聞かせいただきたいと思います。

 

○国務大臣(野田聖子君) 今御指摘の点については、昨年九月の男女共同参画会議の専門調査会、ここにおいても、有識者委員から、個人の尊厳に関わる問題であり、旧姓の通称使用拡大は根本的な解決策になり得ない、結婚後も自らの姓を名のれるかどうかは人権に関わる問題である、人が自分の名前を使う、呼ばれることは人格の本質的な権利であるなどの指摘が行われました。
 また、御指摘の最高裁の渡邉惠理子裁判官の意見については、家族制度の維持という名の下での制約が若い世代の将来にとっての足かせにならないようにすべきと述べておられる点も重要だと考えております。
 法制審議会の答申から四半世紀、二十五年が経過し、議論も出尽くしており、若い世代のために終結させなければならないと考えています。
 いずれにしても、委員も御指摘されましたけど、世論調査では、新しい法制度を求める声が二十代から四十代の若い世代で八割を超えています。こうした若い世代のためにも、選択的夫婦別姓制度を含む夫婦の氏に関する具体的な法制度の在り方については、議論を加速させ、国会として早急に結論を得る必要があると考えています。

 

○小池晃君 全くそのとおりだと私も思います。まさに国会の責任が問われているということを強く指摘しておきたいと思います。
 総務省は三月二十九日、公立病院経営強化ガイドラインを策定をされました。この過去のガイドラインとの違いは、病院統廃合を意味してきた再編・ネットワーク化という文言がなくなって、代わって機能分化・連携強化となっている。資料の五ページ20220516資料⑤ですが、今回のガイドラインのポイントとして、病院や経営主体の統合よりも、病院間の役割分担と連携強化に主眼を置くとしています。
 金子大臣、なぜ従来と主眼を変えたのか、その背景、理由を説明してください。

 

○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。
 公立病院は、今般の新型コロナ対応におきましてその重要性が改めて認識された一方で、医師不足等により依然として厳しい経営状況に直面しております。その中で、持続可能な地域医療提供体制を確保するためには、病院や経営主体の統合よりも、病院間の役割分担と医師派遣等による連携強化に主眼を置いた機能分化、連携強化を推進する必要があることから今回のガイドラインに盛り込んだところでございます。
 公立病院の在り方につきましては、各自治体において、地域の実情を踏まえつつ、主体的に決定すべきものでございます。前ガイドラインの再編・ネットワーク化も、もとより病院の統合のみを前提とするものではありませんでしたが、今回のガイドラインに基づく機能分化、連携強化に対して必要な財政措置を講じることで、各自治体において地域に必要な病院を存続させることができるように支援をしてまいります。

 

○小池晃君 地域に必要な病院存続させることができるようにするというのは、大事な私は答弁だというふうに思います。
 今もありましたが、資料の六ページ20220516資料⑥を見ますと、財政支援の仕組みも改定しまして、これ複数病院の統合を条件に行ってきた措置を、さらに不採算地区病院を残しながら医師派遣や救急で連携する場合も支援の対象とすると。まさに今言われたように、やっぱり必要な病院残して支援するという方向に政策の言わば軸足を移したというふうに理解してよろしいでしょうか。

 

○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、今回のガイドラインに基づく機能分化、連携強化を図るための施設整備等については、病院を統合する場合のほか、基幹病院が不採算地区病院への支援を強化をし、その機能を維持する場合も、通常よりも地方交付税措置が手厚い病院事業債特別分の対象に追加することとしております。これは、不採算地区病院が過疎地域等において地域で唯一又は主要な役割を担っている一方で、医師等の確保が特に困難であり、基幹病院の連携支援が重要であることから、財政措置の見直しを行ったことであります。
 このように、ガイドラインや財政措置についてはその時々の課題や状況に対応したものとするよう努めているところでありますが、地域において必要な医療提供体制の強化を、確保を図るという目的は従来から一貫しており、御指摘のような政策の軸足を移したわけではございません。

 

○小池晃君 移したって素直に言えばいいじゃないですか。だって、コロナの対応と自治体からの声でやっぱりこれは見直しをしたんですよ。そういうふうに率直に認めた方がいいですよ、別にそのことを批判はしないから。やっぱりもうちょっと素直に答えてほしかったんですが。
 一方で、厚労省は、こういう中で、急性期病床を二十万床減らす、全国四百三十六の公立・公的病院を再編統合の対象にする、これを続けているわけですね。私はこうしたことも見直すべきではないかというふうに思うんです。
 是非、総務省もいろんな知恵も出しているわけですから、厚労省もやっぱり今のまんまで、そのまま指一本触れず突っ走るというんじゃなくて、考えるということを答えていただきたい。

 

○国務大臣(後藤茂之君) 公立・公的医療機関について、地域医療の確保において中核的な役割を果たしていただいておりまして、今回のコロナ対応でも病床確保など重要な役割を積極的に担っていただいていると認識をいたしております。その上で、コロナ対応が続く中でも、人口構造の変化を見据えまして、地域の医療ニーズに応じた医療体制の確保に向けて取り組んでいくこと自体はやはり重要なことだと考えております。
 地域医療構想は、こうした観点から、病床の削減や統廃合ありきではなくて、各地域においてそれぞれの実情を踏まえて十分に御議論いただきまして、不足する機能の確保、医療機関の間の役割分担や連携といった取組を進めるものでありまして、そういう意味での見直しを進めていただきたいと、そういうことでございます。

 

○小池晃君 いや、だから、統廃合ありきじゃないと言うんだったら、四百三十六のリストは撤回したらどうですか。いまだにホームページに載っていますよ。撤回してくださいよと、そのことですよ。

 

○国務大臣(後藤茂之君) 御指摘の再検証対象医療機関四百三十六病院のリストは、各医療機関の役割や病床数、再編統合の方向性を機械的に決めるものとしてお示ししているわけではありません。整理をいたしまして、地域における議論の活性化に資するように診療実績を分析した結果などをお示ししたもので、特段の方針変更は考えておりません。

 

○小池晃君 病床削減計画は既に破綻しています。もうこういう方向はきっぱり撤回をするということを強く求めて、質問を終わります。

 

※配布資料2022年5月16日決算委員会

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