赤旗2022年5月11日付
9日の全国都道府県委員長会議で行われた、小池晃参議院選挙闘争本部長の討論のまとめは次のとおりです。
討論のまとめをおこないます。今日の会議への報告は、全国で8339人に視聴され、340通を超える感想文が寄せられています。短時間の討論でしたが、27人の都道府県委員長が発言し、全体として非常に積極的にこの報告を受け止めていただきました。
大逆流を押し返し始めていることに確信をもってすすもう
とくに、参議院選挙のとりくみの到達点について、「支配勢力による攻撃と、それに正面から立ち向かう党の活動のせめぎ合いのなかでとらえる」という見方、そして「危機に乗じた大逆流に立ち向かい、押し返し始めている」という現状の評価が、感想文もふくめ、非常に多くの同志に受け止められているのが特徴です。
岡山県委員長は、4月の決起集会を思い出しながら自己点検し、「4月のときにはウクライナ問題にたいして、“困ったことが起こった”という思いが残っていた。しかしこの間の実践を通し、幹部会報告が力を発揮して、今日は自信をもって発言できる」と述べました。
東京都委員長からは、渋谷区の区議会議員の経験が語られました。3月、党への攻撃と疑問を前に、「党員はみんな元気をなくして大変」と話していたある区議は、憲法署名と「はてな」リーフを持って訪問し、「ウクライナ問題では、自民党が『9条では平和は守れない』といっている。どう思いますか」と切り出して読者を増やしている。この区議は、「疑問も出るけれども、幹部会報告の立場で話せば、100%答えられる」と語っているとのことです。非常に心強い発言だと思って聞きました。
全党の猛奮闘で、実際に大逆流をはねかえし始めていることに、お互いに確信をもってすすもうではありませんか。
実践に踏み出しながら、幹部会報告の討議・読了を100%やりきろう
大逆流をはねかえすうえで決定的な力となる幹部会報告の読了は、最新の到達でも28・0%にとどまっています。逆にいえば、28・0%の読了でこれだけの力を発揮しているわけですから、これが全体に広がれば、はかりしれない力を発揮するのではないでしょうか。
また幹部会報告は、1回読了してそれで良しというものではありません。報告でも、「1回読んで終わりとせず、実践に踏み出しつつ、そこで得た経験と教訓を持ちより、繰り返し幹部会報告に立ち返って、腑(ふ)に落ちるまで深めることが重要です」と強調しました。これは常任幹部会でも、きわめて重要な点だと議論して強化した部分なんです。くりかえし議論する。腑に落ちるまで議論する。実践に打って出ながら幹部会報告に立ち返る。実際に行動に出ると、街の反応が非常にあたたかく、「共産党、頑張ってほしい」という声が寄せられて元気になるということも、討論で次々に語られました。
実践に踏み出しながら、幹部会報告の徹底にしがみついて、討議・読了を100%やりきるまで全力をあげようではありませんか。
平和・くらしの願いを出発点に、疑問をチャンスに
対話のあり方についても、「攻勢的に対話をしていくことが大事だ」と、大変貴重な討論がありました。
福岡県委員長は、受動的対応ではなく攻勢的に対応する重要性を述べました。支持者を訪問すると、相手は“共産党も苦労しているだろうから”とおもんばかってか、疑問があってもなかなか言わない。そこで攻勢的に、こちらから「ウクライナ侵略は許されない。あなたはどう考えていますか」と切り出すように徹底しました。すると、「共産党さんはウクライナで大変だね」「党名を変えたほうがいいという意見もありますよ」と疑問が出される。ここから、“待ってました”と「はてな」リーフと「赤旗」号外で対話をする。そうすると、「どうやって平和を守るのか、共産党が一番正確で現実的だ」などの反応で、支持が広がっていくということでした。
一方、東京都委員長は、対話で印象深く思っていることが二つあると語りました。一つは、攻撃の影響を受けてさまざまな疑問を出される方も、出発点は平和への願いだということ。相手の話をよく聞いて、その出発点で共感しあえば、必ず党の立場を理解してもらえる。もう一つは、わが党が元気に打って出ることで、9条の危機を心配している方々が、孤立した気分をうちやぶって力を貸してくれる。これは本当にそうだと思うんですね。
今日の報告でも、対話で率直に、国民の平和への思いやくらしへの思いに働きかけよう、そして疑問が出ることはチャンスだということで――疑問もある意味では攻勢的に引き出して――語っていこうと述べましたが、これが大事ではないでしょうか。
学びながらたたかう重要性――学習の材料をおおいに活用しよう
感想文でも共通して出されていますが、「今度の選挙はいつになく党を語ることが大事だ」「そのためにやはり学習が必要だ」ということが、多くの方から語られました。
広島県委員長が紹介された広島市議の発言は、非常に印象深いものでした。「攻勢的とは、党の本当の姿を知ってもらうチャンスにしていくことです。日本共産党への誤解を解き、真実を知ってもらうには党自身が学ばなければなりません」と。そして、実際に支部長会議などで学びの時間を確保し、『新・綱領教室』や志位委員長の参院選予定候補者会議の発言などを学習して、支部長が「モヤモヤが晴れた」と元気に活動を開始している。この市議は、「共産党員のすばらしさは、学んで真実がわかると元気になって行動できるということです」と語っています。
長野県委員長は、県委員会での経験を発言しました。綱領を学びながらたたかう活動の努力ということで、県委員会からまず変えました。毎週の地区委員長と県常任委員の合同会議を、思い切って形式を変え、会議の半分を綱領学習などに充てた。それが地区の常任委員会にも波及し、機関幹部が確信をもって支部に向かえるように変わってきたという話でした。
今度の選挙というのは、まさにこういうとりくみを全国で繰り広げていくことが必要です。中央としてもこの間、さまざまな議論・学習の材料を提供してきました。幹部会報告、『新・綱領教室』、参議院選挙予定候補者会議での発言、「大学人のつどい」での講演、そして民青主催の「学生オンラインゼミ」の講演と、志位委員長が本当に大奮闘して、さまざまな角度から議論と学習の材料を提供しています。これをおおいに活用して、語り広げていこうではありませんか。
ここが勝負の分かれ目――今度こそ期日どおりに目標をやりぬくことを訴える
“ここが勝負の分かれ目だ”ということも正面から受け止められました。ここで活動の飛躍をかちとることができるならば、勝利、躍進をつかむことができる。しかし、飛躍をかちとれなければ、残念な結果になりかねない。まさに勝負のかかった頑張りどころです。感想文でも多くの方が、報告のこの部分を引用して、まさにいま頑張り時だという決意を語っています。
この点で、今度こそ期日どおりに目標をやりぬこうではないかということを心から訴えたい。滋賀県委員長は、近江八幡市議補欠選挙で1万票の得票目標を突破して勝利した経験について、「得票目標がやれるとかやれないとか理屈ではなくて、勝つために何としてもやる。そういう気概と構えで頑張ることだと学んだ。構えれば知恵も出るし力も出る」と述べました。
岐阜県委員長は、5月9日までにポスターを100%張りきった一方で、対話・支持拡大の臨戦態勢が遅れていることを自己分析し、「なかなか臨戦態勢が確立できない。その根底は、決めた目標と期日を本当にやりぬく姿勢に立たないと、臨戦態勢の確立は具体化しないということだと痛感している」と話されました。
その通りだと思います。今度こそ、5月末までに1千万対話をおこなうことをはじめとする目標を期日までに必ずやりきることを、お互い誓いあって、力をつくそうではありませんか。
党員拡大、世代的継承の旗を握って離さない
討論の中では、少なくない県委員長のみなさんが、民青同盟員の拡大と青年学生党員の拡大の経験を発言されました。広島県のように、昨年1年間の拡大にすでに並んだという経験もあります。
民青同盟員の拡大は、全国的には15年ぶりの前進をつくった昨年と比べても、4月末の段階ですでに72人上回って前進しています。一番の特徴は、一昨年から昨年、加盟・入党した青年学生が自ら民青拡大の先頭に立っていることです。いま、まさに民青と青年学生党員を大きく増やす絶好の条件がうまれていることを強調したい。志位委員長の「学生オンラインゼミ」のブックレット、綱領を学び、すべての都道府県で飛躍をかちとることを訴えます。
そして選挙に向けて、絶対に党員拡大の旗、世代的継承の旗を握って離さずすすめましょう。党員拡大については、神奈川県委員長が北部地区の清新支部の経験を発言しました。昨年11月から今年2月までの4カ月で、個性豊かな5人の新入党員を迎え、この新しいエネルギーと行動力に支部が元気づけられているとのことでした。岩手県委員長は、宮古市議選で2議席から3議席に前進した教訓は、党員と日曜版読者を前回よりも前進させてたたかったことだと語りました。
選挙勝利にとっても、そして党の未来にとっても、党員拡大は選挙だからといって中断させるわけにはいかないとりくみだということを、改めて強調したいと思います。
選挙を通じて質的にも量的にも強い党を
都道府県委員長のみなさん。まさに参議院選挙は目前です。この参議院選挙の勝利・躍進のために、あらゆる力をつくそうではありませんか。
同時に、このとりくみの中で、質的にも量的にも強い党をつくっていく。先ほど述べたように、有権者の疑問にこたえ、支持を広げるためには、学習をしなければいけないと、みんな切実に思っているだけに、大いに学習をすすめていく。党員拡大と世代的継承もすすめていく。質的にも量的にも強い党を、選挙のとりくみを通じてつくっていく。報告でも述べたように、そのことは選挙勝利とともに、党の未来をひらく力をつくることにつながります。
このことを肝に銘じ、選挙勝利に全力をあげながら、党の質的・量的強化の旗を握って離さずすすめることを心から訴えて、討論のまとめとします。ともに頑張りましょう。