赤旗2022年2月17日付
天皇の制度・自衛隊…「政権入り」への疑問に答える
日本共産党の小池晃書記局長は16日、ラジオ日本の「岩瀬恵子のスマートNEWS」で、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への岸田政権の対応の問題点や、参院選に向けた共産党の課題について語りました。
小池氏は、政府のコロナ対応について、第5波が落ち着いていた昨年10~12月は検査キットの増産、医療体制を立て直すための「黄金の3カ月」だったと指摘し、「それをやれば今みたいな事態にはならなかった。岸田政権はこの3カ月、一体何をやっていたのかが問われる」と批判しました。岩瀬氏は「検査したくてもできない、だから行かないという人も増えている。実質の感染者数は分からない」と述べました。
接種の加速主張
小池氏は「日本のPCR検査能力は1日38万件だが、韓国は75万件、イギリスは98万件だ。政府はこれまでの対応を間違ったと認めるべきだ」と強調し、検査体制の拡充、ワクチン接種の加速化を主張。岩瀬氏は「アベノマスクを配るくらいなら、抗原検査キットを配ってほしかった」と述べました。
番組の後半、岩瀬氏は昨年の総選挙で「(野党統一候補が)共産党だった場合、共産党の人に入れる勇気がないという人たちがいたのでは」と質問。小池氏は「野党としての共産党の役割は認めても、政権に入ることが気になる人はいる」として、共産党への積極的支持者を広げていくために「そこをきちんと解決していくのは大事な課題だ」と述べました。
小池氏は「共産党が政権に入れば、天皇の制度を廃止するのでは」という疑問について、綱領で「憲法の全条項を守る」と決めていて、将来も天皇の地位は国民の総意に委ねていることを説明。岩瀬氏は「そんなに恐れることはないんですね」と答えました。
小池氏は自衛隊について、今すぐなくすようなことは主張しておらず、外交的努力をはかり、将来アジアが平和になり、国民の圧倒的多数が「自衛隊がなくても大丈夫だ」という状況になった時、憲法9条の理想に向けて踏み出そうと提案していると説明。岩瀬氏は「共産党が政権に入っても天皇制が崩れる、自衛隊がすぐになくなるというのとは全然違う。参院選ではもっと有権者に理解してもらう努力をするということですね」と述べました。
戦争法の廃止を
さらに小池氏は「安保法制による集団的自衛権の行使は海外での戦争に参加していくことになる」と指摘し、野党連合政権の緊急課題は安保条約の廃棄ではなく、戦争法の廃止だと主張しました。
岩瀬氏は「岸田首相は自民党では『ハト派』と言われているのでは」と質問。小池氏は「岸田首相はハトのふりをしたタカだ。歴代政権で、施政方針演説で『敵基地攻撃能力の保有』を初めて明言した。安保法制と敵基地攻撃能力を組み合わせると大変危険なことになる」と述べました。
小池氏は参院選の比例代表で650万票、10%以上の得票、5人全員当選を目指すと表明。「32の1人区では最大限、野党候補者を一本化する努力をしていく。共通政策という旗印を立てることが大事だ。政権問題では、立憲民主党と総選挙で確認したことは国民への公約だ」と述べました。