赤旗2022年1月26日付
日本共産党の小池晃書記局長は24日夜のBSフジ番組「プライムニュース」で、今国会での与野党論戦の争点について、自民党の新藤義孝政調会長代理、政治ジャーナリストの後藤謙次氏と議論しました。
コロナ対応
小池氏は、岸田政権のコロナ対応について、「3回目のワクチン接種が圧倒的に遅れている。医学的根拠のない『8カ月』の原則にしがみついたことが最大の失敗だった」と指摘。「ワクチンの供給量や接種のスケジュールも示されていない。政府のイニシアチブが欠如しているのは明らかだ」と批判しました。
番組では、政府の新型コロナ対策分科会がオミクロン株への対応として「人流抑制」から「人数制限」へシフトすべきとの考えを示したことで、自治体との対応に齟齬(そご)が生じていることを紹介。新藤氏が、「政府の司令塔機能がまだ弱い」などと弁解したのに対し、小池氏は「3年たっていまだに司令塔機能が弱いは通用しない。東京五輪の時には、専門家から開催を見送るべきとの意見が出ていたのに政府は全く聞き入れなかった。そんなことが繰り返されてきた。政府が責任を持って一つの方向性を打ち出すべきだ」と指摘しました。後藤氏は「いま政府の説明で一番欠けているのは科学的な知見に基づく根拠だ。国民も混乱している」と述べました。
中国対応と「台湾有事」
岸田政権の中国対応に関わって、「対中非難決議案」についても議論に。一部報道によると同案は、自公の修正協議を経て、当初案にあった「人権侵害」の文言が「人権状況」に変わり、「非難決議案」から「非難」の2文字が削除され、「中国」という国名も入らないとされています。
小池氏は、「何のための決議なのか。中国を名指しにせず、何が問題かも書かずに決議を出すことは、中国の人権侵害を容認するという逆のメッセージになりかねない」と指摘。開催が迫る北京五輪への言及がないことにも触れ、「国連人権差別撤廃委員会は、新疆ウイグル自治区では100万人規模で強制収容が行われ、国際的に許されざる人権侵害が起きていると指摘している。こうした人権侵害は五輪憲章とも相いれない。中国自身が認めてきた『世界人権宣言』や『国連人権規約』、『ウィーン宣言』に照らしても問題であることも指摘しなければ、有効な決議にならない」と強調しました。
岸田政権が「台湾有事」を想定した「敵基地攻撃能力」の保有を検討していることについても議論が交わされました。
小池氏は、昨年11月に安倍晋三元首相が「(同能力は)敵基地だけに限定せず、『抑止力』として『打撃力』を持つことだ」と発言したことを示し、「徹底的に相手をせん滅する攻撃を行うのが敵基地攻撃能力ということだ」と指摘。「軍事力のみに頼った対応は軍事対軍事の悪循環を生むだけだ。中国の覇権主義については、東アジアサミット(EAS)の活用・強化など、中国も巻き込んだ平和外交によって、地域の平和と安定を確保していくべきだ」と主張しました。
共闘に効果
番組は最後に、「野党共闘が自民党を拒否する国民の受け皿になり得てないのでは」との視聴者のメールを紹介。後藤氏は「昨年の総選挙で自民党は議席を落としているわけだから共闘の効果はある。政権をチェックする機能としても堂々と共闘をやればいい」と述べました。小池氏は「後藤さんが言うように効果があった。参院選に向けても急いで協議をすすめ、政策もバージョンアップをしていく必要がある」と強調しました。