赤旗2021年12月9日付
追加接種迅速に
日本共産党の小池晃書記局長は7日、BS―TBSの番組「報道1930」に出演し、新たな変異株「オミクロン株」が世界で急拡大している中で、日本のコロナ対策について田村憲久前厚労相、吉村洋文大阪府知事らと議論しました。
番組は冒頭、今までの入国検疫が国・地域によって3日・6日などと待機日数を区分し、経過観察をしていたことを紹介しました。
小池氏は「入国時の検査は抗原定量検査で行われているが、より感度の高いPCR検査に戻すべきだ。待機日数は一律10日間にできるように宿泊施設を確保し、その間にPCR検査をくり返すなど、水際対策を強化すべきだ」と語りました。
政府の予防接種・ワクチン分科会会長代理で医師の中野貴司氏は「オミクロン株はいったん市中に感染が入り込むと、非常にすごい速度で患者数が増える。感染者数が少ない時に楽観論を言い過ぎるとリスキーだ」と述べました。
番組では、2回のワクチン接種を受けた人が3回目の追加接種をする「ブースター接種」の時期について議論が交わされました。厚労省は「原則として8カ月以上での接種」としてきた一方、岸田文雄首相は所信表明演説で「8カ月を待たずにできる限り前倒す」と述べ、自治体職員からは「現場が振り回されてきた」という意見が紹介されました。
小池氏は「これまでも政府はワクチン供給について、国民や自治体に正確な情報を伝える点で問題があった。そもそも8カ月後の接種は医学的根拠が乏しく、供給量に制約されたものだ」と述べ、「国はワクチンの配分計画を自治体や医療機関に示し、当面は重症化しやすい高齢者などに前倒しで追加接種できるようにルールを示すべきだ」と強調しました。
番組では、厚労省が国内にあるワクチンの余剰分の取り扱いについて、クラスター(感染者集団)が発生した場合、その施設の利用者や従事者などに8カ月間の間隔をおかずに追加接種できるとしていることが話題になりました。
田村前厚労相は「クラスターが発生した施設で追加接種しても、抗体がつくまでに数週間かかる」「私はあまり意味がないと言ってきた」などと述べました。
小池氏は「厚労省の方針を前厚労相が『意味がない』と言うのは問題だ。根本にはワクチン政策の司令塔の不在がある。厚労省がきちんと責任を持つべきだ」と厳しく批判しました。
司会者が「大阪は夏に自宅療養中に亡くなる人が相ついだ」と指摘すると、吉村氏は大阪が大規模医療センターを立ち上げたことについて「自宅で亡くなる人をなくしたいという思いからだ」と述べました。
小池氏は「大阪を含めて全国で急性期病床20万床を減らす計画が進められている」と批判し、「病院を減らす流れを止め、しっかり拡充していくことが大事だ」と主張しました。