赤旗2021年9月24日付
日本共産党の小池晃書記局長は22日夜放送のBS日テレ番組「深層NEWS」に出演し、自民党総裁選や総選挙の争点などについて、司会者からの質問に答えました。立憲民主党の江田憲司代表代行も出演しました。
総裁選、具体的コロナ対策ない
新型コロナウイルスの感染拡大が続く下での自民党総裁選について、小池氏は「国民の最大の関心事はコロナをどう抑え込むかなのに、自民党の総裁候補は誰も菅政権のコロナ対策の問題点も、具体的な緊急対策も示していない」と批判。憲法改悪や原発再稼働推進では全候補が一致しており「安倍・菅政権を自民党幹部や主要大臣として支えてきた人ばかり。野党がしっかりと対抗する政権構想を示し、政権交代で政治を変えようと訴えていきたい」と語りました。小池氏と江田氏はともに、早急に国会を開きコロナ対策を議論すべきだと主張しました。
自民党総裁候補から格差是正や新自由主義への反省が出ていることについて、司会者は日本共産党の政策との類似性を質問。小池氏は「一緒なのは言葉だけで、あちらには具体策がない」と強調しました。雇用の流動化の名で正規雇用を非正規雇用に置き換えてきたことが労働分配率を低下させたのに、その転換や最低賃金の抜本引き上げへの言及がなく、河野太郎規制改革担当相からはさらなる雇用の規制緩和や法人税減税の主張が出ているとし「逆に格差を広げることにしかならない」と批判しました。
ケアを支える政治へ転換訴え
小池氏は、日本共産党が同日発表した「新経済提言」で新自由主義を終わらせると訴えたことについて「コロナの経験を踏まえて、命と暮らしを守る政治に転換していこうというものだ」と紹介。ケアに冷たい政治からケアを支える政治への転換▽非正規雇用を増やしてきた雇用政策の転換▽消費税減税、富裕層・大企業への優遇政治の転換―などを、具体的な財源も示して説明しました。
江田氏も富裕層・大企業への増税による所得再分配が必要だと語りました。
河野氏が全額消費税による最低保障年金を主張していることについて、小池氏は、最低保障年金は必要だが、消費税を財源とすることには反対だと表明しました。さらに、いまの年金の緊急問題は、マクロ経済スライドが当初の想定以上に長引き、基礎年金が最終的に3割も目減りすることだと指摘。マクロ経済スライドを撤廃し、その財源を厚生年金の保険料の上限引き上げや積立金などによって賄う党の提案も示し「基礎年金の目減りを緊急に止めたうえで、最低保障年金の実現に向かうべきだ」と語りました。
総選挙の野党共闘の在り方について小池氏は「総選挙では、どういう政権をつくるのか、国民に形を示すことが今の野党の責任だ」と指摘。同時に「選挙協力にあたっては、新しい政権への日本共産党の協力の形態について、一定の合意がなければいけない」と語りました。