赤旗2021年9月1日付
BS番組 小池書記局長が主張
日本共産党の小池晃書記局長は30日夜のBS―TBS番組「報道1930」で、新型コロナウイルス感染爆発のもとでの医療体制のひっ迫を招いた背景には「公的医療体制の縮小がある」と述べ、菅政権のコロナ対策を批判し、感染症対策には、PCR検査の大規模実施による実態を反映したデータなど、科学的根拠に基づく戦略が不可欠だと強調しました。
小池氏は、モデルナ社製ワクチンの異物混入は、6月15日までに埼玉県内で発見され、企業には報告されたにもかかわらず、厚生労働省の発表は8月26日だったと述べ、「情報を出すのが遅すぎる。厚労省には、『異物』の性質と混入の経緯を含め一刻も早い解明を求める。解明なしに国民のワクチンに対する不安はぬぐえない」と批判しました。
番組では、英国の医療制度のNHS(国民保健サービス)が病床や医師の配置を管理するなどし、コロナ禍で、大規模な臨時医療施設の迅速な設置などの役割を果たしていると紹介されました。
小池氏は、「NHSは国営で患者負担がない一方、優先順位が低いと判断した手術を遅らせる、70歳以上の透析を行わないなど、制限医療の側面がある。日本は国民皆保険で、全ての人に最善の医療を尽くすことをみんなの努力で支えてきた」と指摘。「現在の入院体制のひっ迫は、日本の医療システムに問題があるのではない。公的医療を縮小し、不採算だとして感染症病床を削減してきた政治の責任がある」と強調し、「医療機関を自由に選べるフリーアクセスで、早期発見・早期治療という日本のいい面と、公的医療を充実させて緊急時に即応する英国のいい面を組み合わせることが重要だ」と語りました。
自民党の古川俊治参院議員は「公的医療を対応させないといけないと強く感じている」と述べました。
小池氏は、菅政権が緊急事態宣言の解除に向け、重症者数を重視し、新規感染者数の基準緩和を検討していることを批判。飲食店などへの十分な補償が必要だとした上で、「そもそもPCRなど検査数が少なく、実態を反映したデータに基づいていないのではないか。潜在的な感染者はもっといるとの指摘もある」と述べ、「“重症でなければいい”という考え方をすべきではない。感染者が増えるほどウイルスの新たな変異の危険性も高まる。現在の検査体制のままでの新規感染者数の基準緩和は、科学的な根拠に基づかないもので、危険だ」と批判しました。
また番組では、英国がPCR検査の陽性者に向け1日最大8千人の抗体検査を行い、ワクチンの効果に関するデータ収集を行っていると紹介されました。
小池氏は、「こうした調査を日本も行うべきだ」と強調。河野太郎ワクチン担当相がテレビで3回目のワクチン追加接種や、異なる種類のワクチンによる「混合接種」に言及したことをあげ、「十分に科学的根拠に基づいた発信とは言いがたい。『3回接種』『混合接種』の有効性と安全性について、企業から独立した公正中立な検討が必要だ」と求めました。