赤旗2021年8月24日付
都内で集い
小池書記局長 参列して献花
「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」が23日、ソ連・モンゴルからの遺骨約1万7000人分が収められている東京都内の国立千鳥ケ淵戦没者墓苑で行われました。約60人が参列しました。主催はシベリア抑留者の支援や体験の継承・発信を行っているシベリア抑留者支援センター。
主催者代表で元抑留者の新関(にいぜき)省二さん(95)があいさつ。「帰還できた元抑留者の平均年齢は98歳。抑留体験者の数はすっかり少なくなり、全国に数千人と言われている」と指摘。国主体の犠牲者の追悼、関係国と協力しての実態解明などを求め、「もう何年も待てないと思う」と話しました。
「父のことを思い出したくても思い出せない苦しい思いはいまだに残っている」と話すのは、追悼に訪れた女性(79)=東京都八王子市=。終戦の日まで家族3人でサハリンで暮らしていました。45年の8月15日、16歳以上65歳以下の男子以外は日本への帰国指令があり、当時3歳の女性は母親と船で山口県に帰国。サハリンの役所に勤めていた父親はソ連兵に拉致され、ノリリスクの鉱山で強制労働を強いられ、現地で亡くなりました。遺骨のない葬式をしたといい、「父の顔も記憶もなく、泣くこともできなかった」と語りました。
日本共産党の小池晃書記局長が参列、追悼の辞を発表しました。
小池氏は、今年は1956年の「日ソ共同宣言」から65年の年だとしたうえで、「強制抑留の実態全容解明はいまだ実現していない」と指摘。「日本政府は、ソ連を継承したロシア政府にも責任と負担を求めて、解決にあたるべき」だと求めました。