赤旗2021年7月1日付
BS番組 小池書記局長が主張
日本共産党の小池晃書記局長は29日夜のBS―TBS「報道1930」に出演し、自民党の武見敬三参院議員らと、新型コロナウイルスワクチンについて議論を交わしました。
小池氏は、東京都内の小学校でも新型コロナのクラスターが発生した状況について、「医療現場に加えて、介護や保育の従事者、学校の教員などについては、PCR検査とともにワクチン接種も先行してやるべきだ」と提起。武見氏も「もっともだ。学校現場での検査、ワクチン接種を急ぐべきだ」と応じました。
新型コロナの感染拡大をどのようにして抑えるのか―。小池氏は「外国の先行例を見ても、ワクチンのみによる集団免疫の獲得はかなり高率な接種率になっても難しい。ワクチンは重要なツールだが、ワクチン頼みではいけない」と強調。「引き続きマスクの着用など感染予防対策を徹底するとともに、大規模な検査とワクチンの迅速で安全な接種をセットで進めていくことが必要だ」と提起しました。長崎大学病院の森内浩幸教授も「ワクチンだけで集団免疫を獲得するのは相当ハードルが高い」と主張しました。
徹底した情報公開を
ワクチン接種率を向上させるために必要なことは何かが議論のテーマになりました。
小池氏は、「ワクチン接種には、重篤な副反応もあるが、それを上回る重症化予防効果、発症予防効果に加えて感染予防効果もあると言われている。これをきちんと国民に知らせるべきだ」と指摘。「その際、政府・厚労省が、副反応も含めて包み隠さず正直に情報を伝えていくことが必要だ。誤った情報についてはきちんと科学的に説明して誤解を解きつつ、ネガティブな情報も含めて徹底した情報公開が必要だ。(接種率があがらない背景には)政府に対する不信感も根底にある」と訴えました。
厚労省の専門分科会が60歳以上の方にアストラゼネカ製のワクチン接種を使用する方向で調整していることについて問われ、小池氏は「アストラゼネカ製のワクチンには低温保存の必要がないなどのメリットもある。最初から計画的に、訪問診療の現場などで位置付けてやってきたのだったら分かるが、ファイザー、モデルナのワクチンが足りなくなりそうだから、あわててアストラゼネカ製で継ぎ足してというのはいかがなものか」と発言。「そもそもファイザーとモデルナのワクチンで全国民分カバーできると言っていたのに、菅政権がオリンピックありきで、接種を急がせたために現場で混乱が生まれている」と指摘しました。
その上で、「接種容認を決定するのであれば、なぜそういう経過になったのかを政府がきちんと説明すべきだ。今後のワクチン供給の見通しについても、徹底した情報開示を」と求めました。