赤旗2021年6月15日付
NHK「日曜討論」
日本共産党の小池晃書記局長は13日のNHK「日曜討論」で、16日に会期末を迎える通常国会対応などについて各党幹事長(代行)と議論しました。
英国で開催中の主要7カ国首脳会議(G7)について小池氏は「大国だけで世界の流れを決めていく時代ではない。中小国と市民社会とともに世界のあるべき姿を議論していくべきだ」と述べた上で、菅義偉首相が東京五輪開催で「コロナ感染という難局を乗り越えていけることを日本から世界に発信する」と発言したことに対して「乗り越えてからいうべきことだ」と批判。「まず日本がコロナ感染を克服し、途上国にワクチンを提供する責任も果たすべきだ」と語りました。
国会会期延長
野党が国会会期の大幅延長を求めたのに対し与党側は重要法案成立のめどが立ったとして「延長する必要はない」と述べました。小池氏は「国会は政府の通したい法案を通すだけのものでない」と反論。会期を3カ月延長し、コロナ対策や五輪開催の是非、補正予算の議論をすべきだとし、基本的人権を侵害する土地利用規制法案は廃案にすべきだがLGBT法案など通さなければならない法律もあると語りました。
9日の党首討論で共産党の志位和夫委員長が「命をリスクにさらしてまでしてなぜ五輪を開催するのか」という、国民が一番聞きたい質問にも菅首相は一切答えなかったと述べ、「このまま国会を終わらせたら、国民に対する責任が果たせないことになる」と強調しました。
小池氏は緊急事態宣言の延長について「変異株が広がり、医療の逼迫(ひっぱく)が続くもとで宣言解除していいのか」と述べ、宣言を解除するなら明確な基準と科学的根拠を示すべきだと主張。今年に入り122日間も緊急事態宣言が続いていることについて「もはや『緊急』の名に値しない」として、宣言を出すだけでやるべきことをやってこなかった菅政権の人災だと批判しました。
やるべきことは明白だとして、大規模なPCR検査、ワクチン接種、医療機関への減収補填(ほてん)によるコロナ対応ベッドの増加、十分な補償と生活支援を挙げました。さらに、宣言が続き「もう耐えられない」と悲鳴が上がっている中で、持続化給付金の拡充・再支給、生活困窮者への給付金、住居支援の拡充、消費税減税が必要だと語り、「国会を延長して補正予算を組むべきだ」と重ねて強調しました。
東京五輪について小池氏は、政府分科会の尾身茂会長が「今より感染リスクが高まるのはどう考えても普通だ」と述べていることを指摘し、「そうまでしてどうして五輪を開くのか。国民の命をギャンブルにかけるようなことは絶対やってはいけない。中止の決断を一刻も早くするべきだ」と語りました。
“政治とカネ”
“政治とカネ”の問題で自民党の野田聖子氏が「反省」を口にしたのに対し、小池氏は河井案里氏、克行元法相も菅原一秀前経産相も疑惑について一切説明せず、自民党も菅首相も一言も国民に語らず、二階俊博幹事長は「ずいぶん政治とカネの問題できれいになっている」と述べたことを批判。「1億5000万円もの多額の政治資金の提供を自民党のだれがどこで決めたのか。原資は国民の税金である政党助成金ではないのか。まず政府・与党は国会で真相解明の責任を果たすべきだ」と強調しました。
秋までに行われる総選挙で何を訴えるかを問われた小池氏は「国民には我慢ばかりを強い、命より五輪という政権を続けては命も暮らしも守れない」と強調。加藤勝信官房長官がコロナ禍は改憲の絶好の契機だと述べたことを「言語道断だ」と述べ、「総選挙で日本共産党が議席を増やすことが菅政権の問答無用の強権政治、命と暮らしをないがしろにする政治を止める力になる。市民と野党の共闘で政権交代を実現し、コロナ感染を封じ込め、国民の暮らしを立て直し、憲法を生かす新しいまともな政治をつくっていきたい」と表明しました。