赤旗2021年5月12日付
青野 サイボウズ社長・坂本 mネット理事長と交流
総選挙で民意示そう
日本共産党のインターネット番組「生放送!とことん共産党」は10日、「世界の常識に日本も追いつこう! 選択的夫婦別姓」と題して、青野慶久サイボウズ代表取締役社長、坂本洋子mネット・民法改正情報ネットワーク理事長と共産党の小池晃書記局長が、選択的夫婦別姓の早期実現に向けて交流しました。司会は朝岡晶子さん。
小池氏は、日本が世界で唯一法律に夫婦同姓が規定され、「強制的夫婦同姓制度だといえる。早期実現は当然だ」と強調しました。
世論が変わった
青野氏は大企業も参加する「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」の呼びかけ人を務め、自身は法改正を求める訴訟の原告だとして、この間の世論調査で同制度賛成派が多数となっている結果は「2018年の四つの裁判の提訴などメディアが注目し、世論が大きく変わった。実現に向けた流れは止まらない」と語りました。
またビジネスの場面で、旧姓使用の女性の海外出張でのトラブルが多いと指摘し、旧姓使用の青野氏自身も米国のホテルでもめた経験を紹介。「自民党の反対派は通称使用の拡大を主張するが、法律的根拠のない名前が広がれば、契約などむしろ社会的混乱を拡大する」と批判しました。
坂本氏は選択的夫婦別姓の議論が1991年に法務省で開始された背景に、女性差別撤廃条約の批准(85年)に伴う国内差別法の解消義務があると述べ、96年の法制審議会(法相の諮問機関)の「民法改正案要綱」での(1)婚外子の相続差別禁止(2)女性の再婚禁止期間の100日への短縮(3)婚姻最低年齢の引き上げ(4)選択的夫婦別姓の導入―の四つの答申のうち、四半世紀も実現していないのは選択的夫婦別姓だけだと指摘。2001年には世論の高まりを受け、自民党重鎮らが賛成だったと述べました。
番組では、小池氏が昨年11月、菅義偉首相は01年に「(法改正は)政治の責任だ」と述べていた事実を突きつけ、菅首相から「政治家として申し上げてきたことに責任がある」との答弁を引き出した参院予算委の質疑を紹介。青野氏は「素晴らしかった」と述べました。
人権問題として
坂本氏は朝岡氏の「保守派は家族のきずなが壊れるというが、明治民法以来の『家』制度を残したい人たちの思いではないか」との発言を受け、「伝統ではなく人権の問題だ。保守派が描く家父長的な家族の在り方は、多様化した」と述べ、自民党が総選挙後に同制度の議論を行うとしていることに対し、「口約束では実現しないと歴史が示している。公約に掲げない政党を信用することはできない」と厳しく批判。青野氏も「実現に近づいている手ごたえがあり、あと一息だ。野党がこの一致点で組み始めているのは面白い。総選挙で、国民の民意を示そう」と呼びかけました。
小池氏は「総選挙の大争点にしていきたい。野党の議論の中で『選択的夫婦別姓の実現』は完全に一致しており、政権交代すれば必ず実現する」と表明しました。