赤旗2021年5月10日付
東北オンライン演説会 小池書記局長が訴え
日本共産党の小池晃書記局長は9日の東北オンライン演説会で、無為無策の新型コロナ対策や福島第1原発事故の汚染水海洋放出など、東北の願いをふみにじってきた菅自公政権の転換を熱く訴えました。「衆院比例東北ブロックで初めての日本共産党2議席への躍進を。東北6県の心一つに比例60万票を実現し、野党連合政権の実現に道を開こう」と呼びかけました。(達増岩手県知事のメッセージ)
高橋ちづ子、ふなやま由美、藤本友里の各比例予定候補、各県の小選挙区予定候補が決意を表明。岩手県の達増拓也知事、福島「生業(なりわい)」訴訟の中島孝原告団長、市民連合@みやぎの須藤道子事務局次長が激励のメッセージを寄せました。
演説会は地域の視聴会場などで約3400カ所、9000人以上が視聴。演説会後に10人が入党し、「しんぶん赤旗」日刊紙1人、日曜版9人の読者が増えました。(午後7時時点)
小池氏は、菅政権が福島県民や県漁連などとの約束を破り、福島第1原発事故による汚染水の海洋放出を決めたことを批判。青森県むつ市の使用済み核燃料貯蔵施設への関西電力の原発の核のゴミの持ち込みや、宮城県・女川原発の再稼働を狙っていることなどをあげ、「東北出身の菅首相だが、東北の人々を裏切り続けてきた。暴走政治を変えるには政権交代しかない」と訴えました。
東北6県の地方議員は自民党281人に対し共産党276人と5人差だと紹介した小池氏。達増知事が動画で語った、東日本大震災などでの共産党の「地域に根差し、国に広がる組織の力を生かした力強い支援」の力に触れ、「この力が人びとの信頼を勝ち取り、地方議員を増やしてきた。それなのに、衆院比例で自民党5議席に対し、共産党1議席は少なすぎる。比例で共産党を広げに広げて、2議席実現で東北の声を国政に届けよう」と力を込めました。
新型コロナ対応の緊急事態宣言の延長については、「対策がちぐはぐ、後手後手、行き当たりばったりだ」と批判。「最大の問題は、東京五輪にしがみついていることだ」と指摘しました。感染拡大のなか看護師500人、医師200人を動員してまで開催に固執する動きに、選手や世界からも疑問や批判が広がっているとして「五輪とコロナ対策はもはや両立しえない段階だ」と訴え。中止を求める署名が30万人を超えたとして、「きっぱり中止の決断を」と主張。感染を封じ込めるための大規模検査、医療機関支援、補償などあらゆる手だてを講じるよう求めました。
小池氏は、安保法制=戦争法の強行以降、東北でも米軍と自衛隊の軍事一体化が進んでいると告発。青森県の航空自衛隊三沢基地では、最新鋭ステルス戦闘機F35Aが配備され、無人偵察機グローバルホークの配備も計画されており、米軍三沢基地と一体に「日米のスパイ機などの活動拠点にされようとしている」と述べました。
事故や違法な超低空飛行訓練も続発し、宮城県の王城寺原演習場での共同演習、青森駐屯地などからの海外派兵も繰り返されていると指摘。一方、「秋田県へのイージス・アショア配備計画は党派を超えた運動、野党共同の追及で撤回させた」と述べ「東北での日米軍事一体化を許さない。この声を広げていこう」と呼びかけました。
また、東北の基幹産業である農林水産業では、コロナ禍の需要減による米価下落に加え、豪雪被害など二重三重の困難だと語りました。ミニマムアクセス米の輸入を中止し、余剰米を買い上げるなど「東北の命綱の米作りを守るために国がやるべきことはいくらでもある」と指摘しました。
「自助」を押し付ける菅政権の政治から「本気で暮らし、営業、農業、命を守る政治に切り替えるかが問われている。連合政権構想で新しい社会の姿を示すとき」と述べ、「野党共闘の要となる日本共産党を躍進させて」と熱く訴え。「野党共闘の先進地・東北から、政権交代の、のろしをあげよう」と呼びかけました。
比例3予定候補が決意
東北ブロックオンライン演説会では、衆院東北比例予定候補の高橋ちづ子衆院議員、ふなやま由美予定候補、藤本友里予定候補が総選挙躍進への決意を訴えました。
高橋議員は、コロナ禍でもオリンピック開催や病院の統廃合を強行しようとする菅政権を批判。東北6県の病院を繰り返し訪れて国会で追及し、医学部の定員抑制を撤回させた経験などを語り、「コロナで医療が逼迫(ひっぱく)している時、なぜ病床削減なのか。皆さんと力を合わせてはね返します」と訴えました。
また、「東北初の比例2議席には、前回の倍以上の得票が必要です。『比例は日本共産党』と広げに広げてください」と呼びかけました。
ふなやま予定候補は、「大震災、原発事故、台風、豪雨、コロナ禍と何重にも苦しみが押し寄せる姿を見て『人間の尊厳が守られ、命輝く東北をつくりたい』という思いを強くしています」と話しました。菅政権が決定した原発汚染水の海洋放出を批判し、「女川原発再稼働を狙う原発固執の政治を代えたい。東北から、原発ゼロ、汚染水の海洋放出をさせない新しい政治を一緒につくりましょう」と呼びかけました。
藤本予定候補は、学生向けの食料支援の現場で聞いた「バイトが禁止され収入がない」「これ以上奨学金を借りられないので一日一食」などの、コロナ禍で苦しむ学生の声を紹介。「これが先進国なのかと、がくぜんとしました。国が教育にかける予算を増やし、学費半額や給付制の奨学金を使える学生をもっともっと増やしていく政治に代えていきます」と訴えました。