赤旗2021年5月5日付
日本共産党の小池晃書記局長は3日夜のBS―TBS「報道1930」で、新型コロナ感染拡大が深刻化する中で東京五輪・パラリンピック開催に固執する菅政権を批判し、「中止する決断をすべきだ」と主張しました。
番組で、インドでの変異株による感染爆発について、世界の1日の感染者数の半分がインドでの感染者になっていると紹介され、司会の松原耕二氏が「感染が拡大する、感染が拡大するとウイルスが変異を重ねてしまう。その結果、変異を重ねてワクチン効果が薄れる。そうするとまた感染が拡大する。こういう負のスパイラルになったのではないか」と指摘しました。
小池氏は、インドでの「負のスパイラル」のきっかけが、3月に行われた世界最大級のヒンズー教の宗教行事である可能性が高いとされていることを指摘。「日本はこれから世界最大級のスポーツ行事である五輪をやろうとしている」「インドのこの経験から学ぶべき教訓は、オリンピック中止の決断をすることではないか」と強調しました。
小池氏は、政府が五輪開催に向けて、500人の看護師を動員し、200人のスポーツドクターを招集し、30の指定病院を確保するとしていることについて「これだけ医療崩壊だと言われている時に、さらなる医療の逼迫(ひっぱく)になる」と主張。たとえ「無観客開催」としても世界中から9万人が来日することになるとして「感染爆発の危険があるのではないか。『負のスパイラル』が東京五輪・パラリンピックをきっかけに日本から世界に広がったら、こんな悲劇はない。何のためのオリンピックかということになる」と語りました。
視聴者からの「オリンピックが日本での大感染の引き金になるのではないか」という質問に、自民党の古川俊治参院議員は「(オリンピック開催のためには)緊急事態宣言を7月まで延長することが必要かもしれない」と発言しました。
これに対して小池氏は「そこまでして五輪をやるのか。橋本聖子東京五輪パラリンピック組織委員会会長は『無観客でやる覚悟を持った』と言ったが、中止する覚悟こそ持つべきだ」と主張。「菅義偉首相は『決定権者はIOC(国際オリンピック委員会)だ』と逃げているが、IOCは日本国民の健康と命に責任を持っていない。日本国民の健康と命に責任を持っているのは日本政府だ。政府と東京都が決断をする時期が来た」と語りました。