赤旗2021年4月28日付
超党派でつくる「自殺対策を推進する議員の会」(会長・尾辻秀久元厚生労働相)は27日、文部科学省で、萩生田光一文科相と会談し、「コロナ禍における教育現場での自殺総合対策」に関する緊急要望書を手渡しました。日本共産党の小池晃書記局長(議連副会長)が参加しました。
要望書は、昨年の自殺者数増加の中で、「特に児童生徒の自殺が深刻」であり、前年比25・1%増の499人(過去最多)だと指摘し、1998年の急増以降で「最も深刻な自殺の危機に直面している」と警告。そのうえで、文科省での「児童生徒の自殺統計原票」導入による実態の十分な把握と実効性の高い対策への転換や、子どもの自殺の対応に向けた学校と保健所、児童相談所の連携といった文科省と厚生労働省の連携強化など7項目を求めました。
会談で、小池氏は「コロナ以前から子どもの自殺は増えており、従来の延長線上の取り組みでは極めて不十分だ。個人情報保護に配慮しつつも、文科省として踏み込んだ実態把握を行い、全体の政策に生かす必要がある」と強調。「厚労相指定法人の『いのち支える自殺対策推進センター』にはノウハウも経験もある。対策には厚労省と連携を深めるべきだ」と述べました。
萩生田文科相は「従来の取り組みでは何も変わらない。死を選んだ理由を深掘りしなければいけない状況だ。提案を重く受け止め、対応していきたい」と述べました。