赤旗2021年4月27日付
小池氏会見
日本共産党の小池晃書記局長は26日、国会内で記者会見し、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に看護師約500人の動員を要請した文書(本紙25日付報道)は、選手村診療所への「発熱外来」設置など、五輪選手に新型コロナウイルス感染者が出る事態を想定したものだとして、改めて東京五輪・パラリンピックは中止すべきだと主張しました。
問題の要請文書について小池氏は、看護師の活動場所を「選手村総合診療所(発熱外来含む)」や「宿泊療養施設等」などとしていることを指摘し、最初から五輪選手にコロナ感染者が出ることを想定していることに「驚いた」と発言。「コロナ治療の現場では看護師らが過酷な条件で働いている。ワクチン接種体制もままならない。こうした仕事と、五輪への500人もの動員が両立するとでもいうのか」と問いかけました。
その上で、医療現場からは“五輪のために看護師を派遣する余裕などない”との声が出ていると紹介。しかも、派遣にあたっては1回分の往復交通費と宿泊費などを支給するだけで、手当の支給も、病院への補償も明示されず、実態は「ボランティア」であり、「ますますありえない話だ」と批判しました。
小池氏は、「選手村でコロナ感染者が出る事態まで想定するのであれば、五輪・パラリンピックは中止し、コロナ対策に医療支援や医療従事者の力を集中すべきだ。それが、アスリートや多くの国民も望んでいることではないのか」と重ねて主張しました。