赤旗2021年4月4日付
日本共産党の小池晃書記局長は、2日夜のBS―TBSの番組「報道1930」に出演し、新型コロナウイルスの変異株への対応、飲食店などへの営業時間時短要請などについて、自民党の塩崎恭久元官房長官らと議論しました。
情報開示が前提
番組は日本政府が6000万人分の供給を計画しているアストラゼネカ製のワクチンについて、接種した人に血栓が確認されたとして、ドイツが使用制限をかけたことを紹介しました。小池氏は「国民の中に不安の声が出てくるのではないか」と指摘。「国として安全性を十分に検証し、徹底的な情報開示をすることが大前提だ」と主張しました。さらに小池氏は、「E484K」という変異はワクチンが効かなくなる可能性があるが、これがいまの変異株のスクリーニング検査ではチェックされないと指摘。「ゲノム(遺伝情報)の解析をしないとこうした変異は見つからない。国家プロジェクトとして急いで全検体のゲノム解析をやるべきだ」と主張しました。
塩崎氏は、厚生労働省が変異ウイルスの発生状況を把握するスクリーニング検査を全陽性者の40%としていることについて「本来は100%やるべき」だと述べました。
また小池氏が、1日6000件の検体をゲノム解析できる検査機器が開発されているにもかかわらず、現状では国立感染研究所で1週間で800検体しか解析できていないとして、「政府は昨年来の検査を絞ろうという発想から抜け切れていない」と批判。「国、大学、民間企業が総動員で変異ウイルスをチェックする仕組みを作らないといけない」と訴えました。
塩崎氏は、小池氏の提案について「(1日)6000件できる訳だからそういうところを使って安全を確保する」と主張。小池氏は「自民党の塩崎議員もこう言っている。できないはずはない」とのべると、塩崎氏は「本当に同じ意見です」と述べました。
時短のみは限界
また番組で、飲食店の営業時間の短縮要請についても議論に。
山梨県が県独自の感染対策の点検項目を策定し、飲食店を認証する取り組みを行っていることについて問われた小池氏は「コロナ対策は自治体の実情に応じていろいろな工夫が大事だ」と指摘しました。その上で「国としてもただ時短ありきではなく、個別の店舗の実情に合わせて感染対策をとる方が合理的で、そこにお金を出すという前向きな支援への転換を検討すべきだ」と主張。
政治の役割について「国から十分な補償もせずに時短だけを押し付けるのは限界がある。検査をきちんとやり、医療をしっかり支える。感染が広がらないよう無症状者の感染拡大を抑えることに全力をあげることが政治の最大の責任だ」と主張しました。