赤旗2021年3月24日付
小池晃「総選挙躍進特別期間」推進本部長は23日、党内通信で全党への訴えを行いました。その内容は次のとおりです。
全国の同志のみなさん。連日の奮闘に、心から敬意を表します。
「総選挙躍進特別期間」の3月のとりくみも、残すところあと9日となりました。4月末までを期日とする「特別期間」の成功にとって、いよいよ一日一日が勝負の日々となります。
今日の私の訴えの中心は、3月の残る9日間、「特別期間」の四つの課題のなかでも、党勢拡大――党員拡大と「赤旗」読者拡大に、全党の力を思い切って集中し、3月を党勢拡大で後退から前進に転ずる月に必ずしよう。一言でいえば、ここにつきます。
政治的チャンスに確信をもって頑張りぬこう
まず、党をとりまく政治的条件をみるならば、対話と党勢拡大を前進させる政治的チャンスが間違いなく存在することを、訴えたいと思います。
コロナの感染再拡大の不安が国民に広がるなか、“コロナ封じ込めへ大規模検査を”という一番の要となる対策を提起し、建設的提案で政治を動かすという、わが党ならではの値打ちが発揮されています。
12日に志位和夫委員長が行った緊急要請にもとづいて、この間国会論戦にとりくみましたが、参議院の中央公聴会では私の質問に対して、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は、ほぼ全面的にわが党の緊急要請の内容を認めました。さらに、山下芳生副委員長は参院予算委員会の質問で、緊急要請の三つの提案について、菅首相に、「方向性はほぼ一緒だ。ただ量が違う」と答弁させました。量が大事なのですが、ともかく方向性については認めざるをえなくなりました。わが党は1年間にわたり、“無症状感染者を把握する大規模検査を”と主張し続けてきましたが、その提案がいま現実に政府を動かしつつあります。
コロナ危機の教訓を無視し、医療破壊を進める「高齢者医療費2倍化法案」「病床削減推進法案」という重大問題でも、わが党はいち早く見解を明らかにし、野党共闘の課題に押し上げる努力を行い、国民的運動をよびかけて共感を広げています。各地で、「医療改悪反対の宣伝で訴えていたら、次々と話しかけられた」「訪問した10人全員が署名に応じ、『赤旗』読者も3人増えた」などの反応が相次いでいます。
こうした政治の焦点との関係で、第2回中央委員会総会決定が提起した「新しい日本をつくる五つの提案」が共感をよんでいます。
改定綱領が、コロナ禍のもとでの国民の前向きの変化と響きあっていることも、3月の実践で浮き彫りになっています。
この間演説会を機に入党した方の思いを聞くと、たとえば京都では、中学校給食の運動や女性団体のとりくみに参加してきた40代の女性が、「もう資本主義じゃダメ、社会を変えなあかん」という思いで入党する。ある県では、大学で非常勤講師を務める30代の方が、「学生たちに、女性が力を発揮しにくい社会を引き継ぎたくない」との思いで入党する。改定綱領に共鳴して、社会を変える生き方を選択し、入党する方が相次いでいます。
今月21日、党本部には、中学2年生から「赤旗」日刊紙の見本紙の申し込みがありました。地元の党組織でうかがい、「何で共産党に興味をもったのですか」とたずねると、「中国の動きが心配で、中国に対して政党で一番まともに批判しているのが日本共産党だと思った」とのことだったそうです。未来を担う世代の、とても頼もしく、うれしい反応です。
都道府県委員長会議では、「いま、わが党の綱領、理念、歴史を丸ごと語れば、私たちの想定を超えたところで、党への理解と共感がグーンと広がり、積極的支持者づくりも、党の自力づくりも前進させられる条件が明らかになっています」と述べました。ここに確信をもって、日本共産党がどんな党かを語り、対話と党勢拡大を広げに広げようではありませんか。
党勢拡大の独自追求の手だてをとりきろう
こうした政治的条件もふまえて、私が心から訴えたいのは、「特別期間」の四つの課題のなかでも、3月の残された期間、党勢拡大に思い切って力を集中し、3月は何がなんでも前進に転じようということです。
3月の全国的な到達点はどうか。対話数は187万2千人で、3月は第1週の「のび」が9万5千、第2週の「のび」が13万、第3週が21万と、着実にテンポと規模があがってきています。アンケートを活用した対話がどこでも弾み、これにとりくんだ党組織で活力が広がっています。目標に照らせばさらなる飛躍が求められますが、全党の大奮闘によって、間違いなく前進が始まっています。
各比例ブロックのオンライン演説会も大きく成功しています。北海道、中国に続き、20日に行われた比例近畿ブロック・オンライン演説会は、視聴の規模は8千カ所・2万人を超え、近畿2府4県の88%の支部がとりくみ、総選挙にむけて「近畿は一つ」の政治的決起をはかる画期的な成功を収めました。党外からの参加は2200人にのぼります。
現在のとりくみの最大の問題は、そうした対話や演説会などのとりくみが、党勢拡大――党員拡大と「しんぶん赤旗」読者拡大に実っていないことです。党勢拡大の現状は、入党の働きかけが1165人、入党申し込みが137人、日刊紙755人、日曜版5901人で、このままでは党員で500人超、「赤旗」読者で1万人近い大幅な後退になりかねない重大事態にあります。
党が前進する政治的チャンスはある。対話は一定の前進をはじめた。各地のオンライン演説会など画期的とりくみも成功している。これらは党勢拡大の条件を間違いなく広げているはずです。ところが、党勢拡大の到達点はきわめて遅れた状況にある。これは率直に言って、党勢拡大のための独自追求、推進のための独自の手だて、とりわけ「支部が主役」で立ち上がるうえでの独自の手だてが、十分にとられていないことを示しています。
党員拡大でも、読者拡大でも、本気で前進させようと思ったら、一般的強調では進みません。独自追求、独自の手だてがどうしても必要です。この面での指導上の弱点を、中央も地方も一体になって、一挙に打開して前に進むことを訴えたいのです。
3月の残る9日間、ここは思いを定めて、「特別期間」のなかでも、とりわけ重大な遅れにある党勢拡大に、党のあらゆる力を集中し、この3月を、党員拡大でも、読者拡大でも、何としても前進に転ずる月にしようではありませんか。
これが今日の私の心からの訴えです。
何にこだわって党勢拡大をすすめるか
それでは、残された期間、何にこだわって党勢拡大をすすめていくか。
党員拡大の「特別期間」の目標は、党員現勢で毎月前進し、第28回党大会現勢を回復・突破し、すべての支部で新しい党員を迎えることです。そこでこの3月、少なくともすべての支部が入党の働きかけに踏み出し、各県・地区・支部で自ら決めた入党の働きかけの3月目標をやりきるために、最後までこだわって頑張りぬくことを訴えます。
「集い」を推進軸にすえ、入党働きかけの「3点セット」、「N高」特別講義をおおいに活用しましょう。この「特別期間」では、前大会期などと比べても、全体の党員拡大のなかで、青年・学生、労働者、30代~50代の比率が高まっています。直面する選挙勝利にとっても、党と日本社会の未来にとっても重要な若い世代への働きかけを、意識的に追求しようではありませんか。
読者拡大は、まずこの3月、全県・全地区が前進し、全国的増勢をかちとることを訴えます。3月は購読中止の読者が1年で一番多い月です。しかし、総選挙を目前に控え、前回総選挙時回復をめざす「特別期間」の最中の3月です。「3月はやれるだけやって後退しても、4月にとりかえせばよし」とするわけには絶対にいきません。
菅政権への不満や怒りとともに、昨年来、「赤旗」への社会的注目が大きく高まり、例年にない条件も存在しています。対話で反応の良かった人、後援会員や元読者、苦難軽減の活動や運動の結びつきへの働きかけ、「全国は一つ」で党員のつながりを生かした拡大、転勤・転居のある年度末特有の購読継続の働きかけなど、ありとあらゆる手だてをとって、なんとしても前進をかちとろうではありませんか。
党機関のみなさん。今日、ただちにすべての機関役員、地方議員、支部長・支部指導部に連絡をとり、打つべき手だてを打ちきってとりくみの具体化をはかりましょう。
東京都議会議員選挙をはじめ、中間地方選挙も大事な局面です。今月、党勢拡大で飛躍を起こして勝利につなげましょう。
3月予算議会で奮闘された地方議員のみなさん。21日の岡嵜郁子自治体局長の「訴え」にこたえ、一気に「特別期間」の臨戦態勢に入りましょう。議員団で励ましあい、自分の地域のすべての支部と連絡をとり、支部に入って入党の働きかけと読者拡大を広げましょう。
支部のみなさん。緊急の支部会議、支部委員会を開き、対話で反応が良かった人、「集い」や演説会に参加した人、この間入党や購読を訴えてきた人など、対象を広くあげ、入党・購読の働きかけに踏みだしましょう。
残る9日間、毎日、行動を計画・組織し、毎日、打開の手だてをとって、走りぬこうではありませんか。
私も全力をつくします。ご一緒に、がんばりましょう。