赤旗2021年3月19日付
BS番組 小池書記局長が主張
日本共産党の小池晃書記局長は17日夜、BSフジ番組「プライムニュース」で、昨年9月発足した菅義偉政権の半年間を検証し、これまでの政治をどう見ているのかなどについて各党議員らと議論しました。
小池氏は、菅首相が同日、1都3県に発令されている緊急事態宣言を解除する方向と表明したことについて、東京都で新規感染者が409人(同日)となるなどをあげて、「すでにリバウンドが起き始めている」と指摘。「打つべき手を打たずに、『宣言』を解除すべきではない」と菅政権のコロナ対応を批判しました。小池氏は、感染拡大を封じ込めるために医療機関や福祉施設での頻回・定期的な社会的検査やモニタリング検査を大幅に増やすこと、変異株を全例で調査することをあげて、「十分な補償の強化と、大規模な検査が必要だ」と強調しました。
小池氏は、宣言解除の決定について、まず関係閣僚で方針を決めて、そのうえで基本的対処方針等諮問委員会にはかるやり方について「順序が逆だ。これでは国民の納得を得ることはできない」と批判しました。自由民主党の石破茂元幹事長は「政府は時間をかけて専門家の意見を聞き、国民にきちんと説明する責任がある」と述べました。
NTTや東北新社からの総務省接待問題など不祥事について、小池氏は「(菅首相が継承する)安倍政治の7年8カ月のなかで国会審議が形骸化し、霞が関も荒廃した。強権政治、説明拒否、忖度(そんたく)、政治の私物化が進み、次から次へと問題が起こっている」と批判。政権の不祥事にもかかわらず野党の支持率が伸びていないのではないかとの司会の発言に対して、「野党が結束して、自民党政権に代わる政権の姿を国民に示していくことが課題だ」と強調しました。立憲民主党の福山哲郎幹事長は「あまりにも不祥事が多すぎる。国民がうんざりしている」と述べました。
小池氏は、石破氏が首相の身内をめぐる不祥事の連続は記憶にないと発言したことについて、「(安倍晋三前首相、菅首相の)2代続けて起きている。最高責任者が政治を私物化した疑いが行政への信頼を損ねている。しかし、安倍氏も菅氏もまともな説明をしない。両氏には真相を解明する責任がある」と批判しました。
菅政権の外交、安全保障政策のテーマでは、中国が2月1日に施行した海警法を中心に議論。小池氏は「(海警法は)『管轄区域』なるものを勝手に決めて、そのなかでは臨検も武器使用も行うという。国連海洋法条約では領海ですら無害通航に対しては強制的な措置はとれないのに、中国の海警法は、領海どころか、それを超えた『管轄区域』で武器使用ができる。明らかな国際法違反だ」と厳しく批判。「日本政府は、『海警法は国際法違反』と中国に正面から指摘し、撤回を求めるべきだ。自衛隊による軍事的対応は、軍事対軍事の悪循環を生むだけであり、海上保安庁の活動で不法侵入を許さず、政治と外交の力で解決すべきだ」と主張しました。
石破氏は「自民党は海警法は国際法違反で一致している。政府との間で齟齬(そご)がある」と政府が海警法が国際法違反との立場に立っていないことを認めました。