赤旗2021年1月29日付
国民には“自助” 自分は公助
参院予算委
国民の税金なのに、何につかったかチェックができない内閣官房機密費(報償費)。日本共産党の小池晃書記局長は28日の参院予算委員会で、菅義偉首相が自身に支出した86億8000万円余の官房機密費の使途をただしました。(矢野昌弘)
菅氏が安倍晋三政権で官房長官だった7年8カ月に支出した官房機密費は総額95億4200万円。うち91%が「政策推進費」と呼ばれる官房長官の“つかみ金”に使われていました。
小池氏の質問に菅首相も加藤勝信官房長官も逃げの答弁ばかり。小池氏が政策推進費について「領収書は不要なのか」と確認しても、加藤長官は「報償費については厳正かつ効果的な執行をおこなっている」とかみ合わない答弁を繰り返します。
「政治家や公務員に配ったのですか」と、菅首相に問うと、「お答えを一切控えている。厳正で効果的な執行を行っており、国民の不信を招くことのないような適切な執行に努めている」とはっきり否定しません。
国会議員や公務員に情報収集や政府の政策に賛成してもらうために官房長官が官房機密費を渡したとすれば、買収に他なりません。
官房機密費の支出文書の一部開示判決を勝ち取った上脇博之神戸学院大学教授ら原告団と弁護団は、民主主義をゆがめるとして、国会議員や公務員、マスコミ関係者への支出禁止を政府に要望しています。
自民党総裁選の期間中だった昨年9月の16日間には、4820万円の政策推進費が使われていました。小池氏は「総裁選に全力集中していた時に、何につかったのか。こういう時ぐらい使うのをやめたらどうですか。総裁選に使ったのではないかと言われても仕方ない」とただしました。
菅首相は弱い声で「そのようなことは一切ありません」と弁明。小池氏は「国民には自助を押しつけ、自分自身は、ばく大な公助を受けたのではないか。既得権益を打破するどころか、どっぷりつかってきたのが菅首相ではないか」と批判しました。