日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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罰則撤回 十分な補償を 審議会でも反対多数 感染症法改定案に抗議 参院予算委 小池氏、首相を追及

2021年01月29日

赤旗2021年1月29日付

 

 日本共産党の小池晃書記局長は28日の参院予算委員会で、政府が新型コロナウイルス対応の特措法、感染症法等を改定し、罰則規定を盛り込もうとしていることについて、「密告や相互監視を進め、差別や偏見を生み、感染症対策に逆行する」として、罰則をすべて撤回するよう主張。感染拡大を防止するなら、「休業や時間短縮をしても、事業を続けることができる十分な補償が必要だ」と事業規模に応じた支援を迫りました。(関連記事)


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(写真)質問する小池晃書記局長=28日、参院予算委

 

 小池氏は、感染症法改定案を審議した厚生科学審議会感染症部会の議事録では、出席委員18人のうち罰則賛成は3人だけで、11人は慎重や反対、懸念を表明していると指摘。専門家の反対意見を押し切って改定案を提出し、国会に説明もしていないとして「罰則はすべて撤回し、この間の経過について国民に謝罪すべきだ」と抗議しました。

 

 菅首相は「(政党間協議の)現場の判断に任せる」などと無責任な答弁に終始。小池氏が、与党幹部が深夜に銀座のクラブに行っても謝罪のみで済まし、国民には罰則では、国民の理解は得られないと迫っても、菅首相は「残念なことだ」としか答えませんでした。小池氏は「反対意見を無視した強権的なやり方は改めるべきだ」と、罰則撤回を重ねて求めました。

 

 さらに、小池氏は、政府が特措法改定案で休業・営業時短命令に従わない事業者にも罰則を盛り込もうとしていると批判。緊急事態宣言下で、時短要請に従った事業者への協力金は「1日最大6万円」で、現場からは固定費すら賄えないと悲鳴が上がる一方、ドイツでは売り上げの75%を補償する支援策を打ち出していることをあげ、「個別の事情に可能な限り配慮して必要な支援をするのが政府の責任だ」と迫りました。

 

 菅首相は「大変申し訳ないが、協力してほしい」というだけ。小池氏は「現場の実態を全く見ていない」と批判しました。

 

「扶養照会 義務でない」

生活保護 厚労相が明言

 

 小池氏は、生活保護申請で、親族に問い合わせる「扶養照会」をやめるよう要求。生活保護法に、「『扶養照会をしなければならない』と書いてあるのか」とただしました。田村厚労相は「『扶養照会』は義務ではない」と明言。小池氏は「政府がコロナ禍による生活困窮に対して、『ためらわずに生活保護の申請を』と呼びかけているのだから、扶養照会はやめるべきだ」と強調しました。

 

機密費を86億超も 既得権益どっぷり

 

 小池氏は、「しんぶん赤旗」が情報公開請求で入手した資料で、菅首相が第2次安倍政権で官房長官を務めたときに支出された官房機密費95億円のうち、86億8000万円を領収書なしで自由に使える「政策推進費」に振り分けていたことが明らかになったと指摘。うち、4820万円は昨年9月の自民党総裁選の出馬表明前日から首相就任までに使われたとして、「総裁選に使ったと言われても仕方がない」とただしました。

 

 菅首相は「そのようなことは一切ない」と述べたものの、使途は一切、答えませんでした。

 

 小池氏は「既得権益を打破するどころか、既得権益にどっぷり漬かってきた。こういう税金の使い方を絶対に許すわけにはいかない」と厳しく批判しました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 一月十五日の厚生科学審議会感染症部会の議事録が昨日厚労省のホームページにアップされました。これ、立憲民主党が資料要求していたもの。連絡もなくアップされて、たまたま気が付いた。見て驚きました。出席した十八名の委員のうち罰則に賛成しているのは三名だけ。慎重意見が三名、そして八名の方は反対あるいは懸念を表明しています。
 これ、法案について意見を求めた部会ですよ。その多数の意見を、反対意見を踏みにじって法案を出してきたじゃないですか。これ、先ほど西村大臣は、法案はよく意見を聴いて、専門家の意見を聴いて確認したとか言っているけど、とんでもない話だ。しかも、担当課長はこの部会の取りまとめのときにこう言っているんですよ。賛成意見、慎重意見、様々あると認めている。国会の審議の際には先生方からいただいた御意見をしっかりお伝えすると言っている。にもかかわらず、今頃議事録を出してきた。とんでもない経過じゃないですか。
 総理、これ罰則は全て撤回をする、そしてこの間の経過について国会と国民に謝罪をしてください。

 

○委員長(山本順三君) 田村厚労大臣。(発言する者あり)

 

○国務大臣(田村憲久君) いやいや、指示されました、委員長から。 幾つか御意見あったのは事実です。罰則について慎重に議論すべき。罰則により実効性が損なわれてはいけない。罰則がある一方でインセンティブも同時に考えてあげなくてはいけない。罰則は実効性を担保するツールという考えが重要であり、市民の皆様に正しく伝わるよう説明していくことが必要。いろんな御意見がありましたが、最終的におおむねこれは御了承いただいたということであります。

 

○小池晃君 とんでもないですよ。
 だって、この方、罰則規定について、特に保健所長の立場というか、保健所長会としても懸念をしている、こういう発言もありますね。現場の保健所が困らないようにしていただきたい。拒否や協力しないという判断を保健所がそれを判断しなければならない。その後の手続も非常に煩雑になるとかえって保健所としての負担が増す。
 大臣、これ、このまま出したことを認めるんですか。いいって言うんですか。これだけいろんな異論が出たのに、それを全く国会に説明をしないで平気で出してきた。そんなことが許されるんですか。国民に対して謝罪するのは当然じゃないですか。開き直っている場合じゃないでしょう。

 

○国務大臣(田村憲久君) でありますから、委員会審議の前にお出しをさせていただいたということであります。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 田村厚労大臣。

 

○国務大臣(田村憲久君) これ、こういうような類いのものは、御本人に言われた意見等々確認をさせていただいた上で精査をしてお出しをする、間違いがあっては大変でございますからその手続をさせていただいておったということでありまして、でありますから、作成でき次第お示しをさせていただいたということでございます。

 

○小池晃君 個々人の意見を出せと言っているんじゃないんです。全体として、これね、これだけ異論が出ているということを今まで一度も説明していないじゃないですか。それで法案出したじゃないですか。そんな対応が許されるのかと言っているんです。総理、こんな対応許されるんですか。このまま罰則をそのままやるんですか。(発言する者あり)

 

○国務大臣(田村憲久君) 逃げるのではなくて、我が厚生労働省の所管でございますので、申し上げておるんですけれども。
 要は、御議論としてはいろいろございました。もちろん、それは罰則等々を付ける話でございますので、御意見をいただく中において、その罰則自体が皆さんいいという、それはそういうわけではない。しかし、それに応じてなぜこれを実効性をたらしめるために罰則が必要かという観点からいろんな御意見をいただき、そして最終的には、いろんな問題はあるけれども、おおむね了承というような御判断をいただいたということでございます。

 

○小池晃君 今のようなことを一切国会で今まで言っていないじゃないですか、そういう意見が出たと、異論も出たと。そのままこれをこのまま国会に出したんですよ、総理。
 日本医学会連合会、公衆衛生学会、日本公衆衛生看護学会、いろんな学会が罰則については異論を言っていたんですよ。そのことを言ったけれども、一切聞く耳持たなかったじゃないですか。
 ところが、実際に、法案について政府が直接意見を求めた、その場でもこれだけ異論が出た、そのことを言わずに法案をそのまま出すというのは許されると思いますか。こういう法案の出し方が許されると思いますか。総理。

 

○国務大臣(田村憲久君) 様々な御意見があったというのは今までも申し上げているわけで、その具体的な話はこれは御本人の確認を得ないと勝手には我々も外に出すわけにはいかないということは御理解をいただきたいと思います。
 その上で、議事録等々を精査しながら、今回このような形で出させていただいたということでございます。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 今大臣から、この全体についておおむねの了承が得られたんで提出したということであります。私は、そういう意味で、この審議会においてそういう方向であれば、それは問題ないと思います。

 

○小池晃君 おおむねの了承を得られたという、そういう形式の問題じゃなくて、ここで担当課長は、反対意見、懸念の意見、慎重意見出たことを認めて、先生方からいただいた御意見をしっかりお伝えすると、国会に、お伝えすると。伝えていないんじゃないですか。だから、言っているんですよ。
 総理、総理は感染症部会でこういう慎重意見が多数出ていたことを知っていたんですか。総理に聞いています。(発言する者あり)

 

○国務大臣(田村憲久君) 指名いただきました。御指名いただきましたので。
 ですから、そういうことも踏まえた上で、これから衆議院で審議が始まるわけですよね。それまでにお出しをさせていただいて、そういうことも含めてそれは御報告をさせていただくということでございますので、それは物理的な時間的制約がある中においてお出しをさせていただくわけでありますから、これは予算委員会でございますので、これから法案の審議をするのは本会議、そしてその後、委員会という話になるんであろうと思いますけれども、そういうようなそのプロセスの中ではしっかりとお示しをさせていただくということでございます。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 田村厚労大臣。

 

○国務大臣(田村憲久君) 失礼いたしました。
 決して予算委員会を軽んじたわけではなくてですね。要するに……(発言する者あり)だからおわび申し上げますが、物理的に間に合わない中でこれをお出しをした、しかも予算委員会開催中にこういう形になっておるわけでございまして、その意味では物理的にそういう話であったわけであります。
 ただ、先ほど、要は法案が出る前みたいな話をされましたので、それは法案はこれから審議でございますから、そこではしっかりお出しをしてそれぞれの委員の方々には御審議をいただくということでございます。物理的に今のこの状況でお出しをさせていただくということでございますから、それは御理解をいただきたいと。
 決して我々隠しているわけではなくて、この予算委員会開催中にちゃんとお出しをさせていただくわけでございますから、どうかその点は御理解をいただきますようによろしくお願いいたします。

 

○小池晃君 予算委員会ではこの問題が衆議院のときから大問題になってきた。そして、政党間協議も行われてきているんですよ。実際のやっぱり法案の中身についての議論始まっているときにその中身を一切出さずに。これで許されると思うのかと。
 田村さん、今何か、おわびって一言ちらっと何か言ったけど、何に対して何をおわびするんですか。はっきり言ってください。

 

○国務大臣(田村憲久君) いや、予算委員会を私は軽んじたつもりはないので、その点はおわびを申し上げるということでございます。
 物理的にこの時期になってしまったということでございまして、ただ、これが、法案提出されたときに、法案を終わった後にだとかそういうときに出てくればそれは法案審議にとって大変な影響が出たという話でございますけれども、予算委員会は全般の話を、議論をされる話でございまして、法案の審議は法案の審議でこの後そこで賛否を問われる、そういう審議がございますので、何とか予算委員会の中に間に合わせてこのような形でお出しをさせていただいたということでございます。

 

○小池晃君 自民党の森山国対委員長は立憲民主党の安住国対委員長に対して、総理の御判断を仰いで刑罰、刑事罰は全て取り下げることにしたと言っています。そういうことなんですか。総理の判断でそういう判断なんですか。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 国会のことは国会に任せています。そして、国会の中で、報告を受ける中でそこは現場に任せているということであります。

 

○小池晃君 これ、国会の運営の問題じゃないですよ、法案ですよ。 森山国対委員長は、刑事罰は全て取り下げることにした、総理の判断だと言っていますよ。否定するんですか。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は国会のことは、これ現場大変ですから、連日どんどんどんどん変わっていますので、基本的なことの報告は受けていますけど、そこは現場の判断に委ねられている。現場としてもそれは交渉ができないんじゃないでしょうか。(発言する者あり)

 

○委員長(山本順三君) 菅内閣総理大臣。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、現場のことは現場の交渉に任せている、報告は受けていますけれども。そうでないと国会って回らないと思いますから。そういう意味で、現場が苦労して苦労してその交渉していることについては現場に判断に任せるということは私は申し上げています。

 

○小池晃君 森山国対委員長の言ったことは、じゃ、何なんですか。総理の御判断を仰いで刑事罰は全て取り下げることにした。これは虚偽のお話になるんですか。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、折衝とか交渉については現場に私は任せますと。いろんな御意見があるということも全部報告を受けていますから、そういう中で、現場の中で判断をされたと、それについて私は当然、委ねていますから、私自身は了ということであります。

 

○小池晃君 その現場の判断というのは、刑事罰は取り下げるということですね。

 

○国務大臣(田村憲久君) 感染症法の提出をさせていただいております厚生労働省といたしまして、今回のこの法律に関しましては今までの法律と比べて、政府提出法案でありますけれど、ちょっと違っておりまして、元から考え方等を政府・与野党協議会の方にお出しをさせていただいて、いろんな御意見をいただいてきた、そういうような経過がございます。
 その中において、一応我々提出はさせていただきましたが、その後もいろんな御議論をその経緯の下でしていただいているものと存じ上げております。
 そんな中におきまして、そこは政府といたしまして、最終的には国会にお任せをするというような意味合いでそういうことをお伝えをさせていただいておるわけでございますので、その中において森山委員長から出られた発言であろうというふうに推察させていただきます。

 

○小池晃君 まあちょっと無意味なこと言わないでください。
 総理の御判断を仰いで刑事罰は全て取り下げることにしたというふうに言っているんですから、刑事罰を取り下げたいというふうに報告があったわけでしょう。で、それは、総理はそれでよしと、現場に任せますと言ったんでしょう。そう答えてくださいよ、総理。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、先ほども申し上げましたけど、その交渉も含めてそこは現場現場にお任せしますと。私、そういう判断をしています。(発言する者あり)いや、交渉過程というのは、それはいろんな大変な困難を乗り越えて交渉しているわけですから、交渉している当事者に私は任せますと、その判断に任せますということを私は申し上げています。

 

○小池晃君 こんな経過で、専門家が反対の意見を言うだけでなくて政府の審議会まで多数の慎重意見が出ているのを、国会にそういう経過を報告しないで法案を出してくること自体が大問題なんですよ。これは、当然こんな刑事罰なんというのは全く許されないし、私たちは刑事罰でなくても罰則を入れることに反対です。
 大体、自民党と公明党の議員が、夜十一時に銀座のクラブで陳情を受けていました。ふざけた話じゃないですか。自民党の、公明党の議員は十一時に銀座のクラブに行っても謝罪のみ、国民には罰則。総理、こんなことが国民の理解を得られると思いますか。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、国民の皆さんに大変な御無理をお願いをしている中で、そうしたことはあってはならないことである、極めて残念なことである、そういうふうに思っています。

 

○小池晃君 残念だ、謝罪だ、それで済むんですか。そして、国民には罰則ですか。理解が得られると思いますかと聞いているんです。答えてください。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、昨日もこれ申し上げましたけれども、国民の皆さんに不要不急の外出を自粛してお願いをしているときに、国会議員があのようなことについては大変申し訳なくて、残念なことであるということを申し上げています。

 

○小池晃君 理解が得られないから刑事罰はもう取り下げるしかないと、そういうふうになったわけでしょう。そうではない。これ、そんなことを言い出したら今の政党間協議は大変なことになりますよ。私はそういう報告を受けていますから。
 刑事罰取り下げるという方向で今協議をした、されているという理解でいいんですね。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 交渉過程の話というのは、結果が出たかどうかということには、私はまだこれ、ずっと予算委員会に出ていますからそういう報告は受けていませんけれども、少なくとも、先ほど田村大臣も言いましたけど、このコロナの問題については、政府、与野党の政調会長の皆さんとの会もありますし、そういう中で、それは与党野党というよりも、これはいろんないい意見があればそこは受け入れて実行に移されるという思いの中で、そういう会合もこれ、このコロナについてはつくらせていただいていますから、そういう中で現場の人たちが交渉をしてまとめようということについては、私自身は、それは現場の判断にお任せしますということは、これは申し上げています。

 

○小池晃君 いろんな意見を聞いてやっていると言うけれども、野党が指摘してきたことをほとんど無視して法案出してきていますよ、今回も、罰則の問題にしても補償の問題にしても。そして、こういうことが明らかになったら慌てて見直すということなんですか。そういう対応では、私はちゃんと意見を聞いてやっているということにならないと思います。知事会が知事会がと言うけど、知事会だって確認しました。刑事罰とは一切求めていません。罰則は言っているけど、刑事罰と言っていません。
 だから、とにかく都合のいいところだけつまみ食いをして反対意見は無視して、そうして法案を出してくるという本当に強権的なやり方は改めていただきたいということを申し上げたいと思います。コロナ特措法にも実効性を高めるために罰則をとなっていますが、これは、密告や相互監視を進めて差別や偏見を生むと、感染症対策に逆行すると思います。
 何よりも、休業や時間短縮をしても事業を続けていくことができるような十分な補償が必要だと思います。しかし、時短要請に対する協力金は一律一日最大六万円です。現場からは、六万円では固定費の補填にもならない、一律ではなく規模に応じて支援してほしいという声が上がっています。
 飲食店の窮状を訴えようと、料理研究家の服部幸應さん、大阪の三つ星レストランHAJIMEの米田肇シェフなどが二十日に会見しました。規模に関係なく全ての飲食店の名で一くくりにするのは不公平だと、規模に応じたきめ細かい対応を求めています。
 総理も昨日の質疑の中で、これに物すごい不満があると認められました。ならば、一律六万円ではなくて、事業の規模に応じた支援にすべきではありませんか、総理。

 

○国務大臣(西村康稔君) 私ども、要請に応じていただくためにしっかりとした支援を行っていくということでございます。
 その中で、月額換算で百八十万円の協力金、これは大企業も対象ですし、そして、店舗当たり出しますので、十店舗あるところは十倍それがあるということでありますし、また、人件費につきましても一人最大三十三万円の、パート、アルバイトも含めて、雇用調整助成金、大企業も一〇〇%国が支援をすると、助成するということでありますので、従業員の多いところもその分、人数分その支援も受けられるということでありますので、規模も配慮したそうした支援策を講じているところでございます。

 

○小池晃君 規模を配慮していないじゃないですか。一律六万円じゃないですか。私言っているのは、平均でどれだけって言われると、平均から外れるところは必ず出てくるわけですよ、総理。
 総理、一日六万円では、これは固定費すら賄えないところは確実に出てきますよね。そのことをお認めになりますか。政府の要請に従った結果、事業が継続できないような店が出てくる、これでも仕方がないと言うんですか。潰れてもいいと言うんですか。一律六万円では結局そういうことになりませんか。どうですか。答えてください、総理。

 

○国務大臣(西村康稔君) 私ども、その協力金の算定をするに当たりましては、都道府県とも相談もいたしましたし、そして、様々なデータから、まあ平均的とおっしゃいましたけれども、中堅企業のかなりの部分をカバーできる、そういった金額としております。また、六万円も、規模に応じてもできるわけですけれども、これは支援の迅速性という観点から都道府県は一律という判断をしているわけであります。
 他方、それなりの規模のある企業は、売上げが大きいところは体力、経営体力も中小企業に比べてはあるわけですし、大企業には大企業の支援策として、最大十二兆円までの出資やあるいは劣後ローン、こういった枠組みも用意をしているところであります。
 いずれにしても、大変厳しい状況におられると思いますけれども、できる限りの支援をしっかりと行っていきたいというふうに考えております。

 

○小池晃君 現場の実態全く分かっていないようなので、実例示します。20210128パネル①
 ドイツは、売上げの七五%を補償するという支援策を打ち出しているんですね。
 実際お話聞きました。北区赤羽の赤羽の駅から歩いて一分ぐらいの九十席の中規模の居酒屋さんです。二〇一九年十二月、コロナ以前の売上げ四百五十万円でした。家賃など固定費は二百万円、人件費七十万円。今まで雇調金も使ってやってきたけれども、苦しい経営が続いてきたと言っています。通常は午後五時から深夜一時過ぎまでなんだけど、八時に店を閉めるとやっていけないから、休業することにしたと言うんですね。固定費の赤字の方が重くなってしまうと言うんですよ。店主は、二月七日以降も時短要請が続くなら店を畳むしかないと言っています。
 三十日間の時短要請の場合、日本だと最大一日六万円ですから百八十万円、固定費にも届きません。一方、ドイツは、コロナ禍以前の売上げの七五%を日割りして、三十日分で三百三十七万円、もう人件費までカバーできるわけです。しかも、固定費補助のつなぎ支援金というのもそれとは別にあるわけです。
 さっき早く出すからと言ったけど、ドイツは七五%。日本だって、協力金は確定申告書出させるわけでしょう。それを基に七五%掛けたらできるじゃないですか。知恵を出すべきですよ。ドイツみたいに、総理、規模に応じた支援でないと、現場はもたないんじゃありませんか。
 あのね、六万円でやれるところ、もちろんあると思う。でも、六万円でやれないところが必ず出てくる。だからきめ細かい対応が必要ではないですかと私申し上げているんです。総理、どうですか。総理、答えてください。総理、答えてください。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) いや、ですから、今のその六万円で足りないところ、大変申し訳ないんですけれども、大規模店などは支援が足りないという声があることも承知しています。
 そういう中で、雇用調整助成金だとかそうした資金対応などで更に支援を行っており、中小企業についてもそうした支援策をしっかり行う中で、是非これで進めさせていただきたいと思います。

 

○小池晃君 総理、私が言ったこと聞いていなかったんですか。雇調金は使っているんですよ。それでもやれないんですよね。やっぱり、規模に応じて、売上げに応じて当然補償する、これが当然のやり方ではないかと私申し上げている。
 平均、平均と言うけど、例えば平均でも、ドイツの中小企業向けの給付金の総額はGDP比で日本の二倍です。アメリカは三倍です。それだけ出している。
 総理、政府が要請したんですよ、休業は。政府が、休んでくれ、時短、短縮してくれと言ったんですよ。政府が求めているんですよ。だったらば、その政府の要請によって潰れるような店は絶対に出してはいけないと思いませんか。総理、いかがですか。総理の、総理、総理、こういう問題はちゃんと答えてください。総理がちゃんと物を言ってください。絶対潰しちゃいけないと思いませんか。総理、逃げないでください。

 

○国務大臣(西村康稔君) 事実関係、少し申し上げます。簡潔に申し上げます。
 日本とドイツの比較をされておられますけれども、日本の場合、休まれておられますので、人件費七十万円は全て雇用調整助成金で、まあ二人ということはないと思いますから、これは一人当たり月額三十三万円まで、大企業であっても一〇〇%出せますので、そういう意味で七十万円は全額支援ができます。
 他方、ドイツの方は、このつなぎ支援金もありますし、また雇調金の似たような仕組みで八割まで出す仕組みあるんですけれども、それらをもらうと、この三百三十七万円から引かれることになりますので、相殺されます。ですので、仕組みとしては、七五%の仕組みを使っておられますけれども、使っているわけでありますが、私ども様々なケースも想定してこのような応援をしているところであります。
 そして、厳しい状況にある飲食店の皆さん、できる限り踏ん張っていただきたいという思いで、これに加えまして融資もありますし、無利子無担保の融資を六千万円まで拡大をしているところでありますし、また、中規模、大企業になってくれば、繰り返しになりますが、出資とかあるいは劣後ローンという形で、体力は、規模が大きいほど経営体力はあると思いますけれども、そうした支援も含めて、踏ん張っていただけるように、全力で支援をしていきたいというふうに考えております。

 

○小池晃君 あのね、ちゃんと聞いてくださいよ。これとは別に、固定費補助がドイツはあるんですよ。そして、この七五%の補償というのは、まさに日本の雇用調整助成金などを大きく包み込んだもっと大きな枠組みとして支援しているわけです、ドイツは。その結果、GDP比では日本の二倍、中小企業支援をドイツはやっているんですよ。
 総理ね、総理、認めているじゃないですか、今大変な声が上がっているということを。私は、時短に応じる方もあるいは休業を余儀なくされる方も、もう事情はそれぞれだと思います。しかし、個別のそうした事情に可能な限り配慮して、本当に必要な支援をするのが政府の責任じゃありませんか。それが国民のために働く内閣なんじゃないですか。
 今、六万円ではやっていけないという声がこれだけ上がっているんだから、私は持続化給付金二回目を出すべきだと思う。そして、事業規模に応じた支援に変えていく、知恵を出して今の苦境を救う、緊急事態宣言は延長になるかもしれないというんであれば、これは、総理、決断すべきじゃないですか。どうですか。そういう必要あるでしょう。総理、総理、答えてください。大事な問題です、これは。総理、答えてください。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど来西村大臣からも申し上げていますように、大規模店とかその職種によっていろいろ御不満があることも、これ、ここは正直事実だというふうに思っております。
 ただ、政府として、今回は、前回とは違うのは飲食という、飲食店に的を絞って対応させていただいています。それと、不要不急の外出はお願いしますけれども、前回は学校が全てたしか休校になっているとか、いろんな条件が違ってきているというふうに思います。
 昨年のこの緊急事態は、全国を対象地域にして幅広く休業要請を行いました。この一年の中でいろいろ学んできたことの中で、今回は飲食店の時間短縮を中心に対策を行っており、その飲食店への協力金やそうした措置の影響を受ける事業者への一時金、こうしたことを支給をすることにさせていただいています。さらに、多くの事業者にとって重要な資金繰りの支援、雇用調整助成金の特例措置による人件費の支援、こうしたものを行っています。これらの措置によって事業や雇用を支えていきたいというふうに思っています。
 いずれにしろ、こうした緊急事態宣言によってお店を時間短縮させて、御協力いただく皆さんには大変申し訳ないと思いますけれども、こうしたことによってこのコロナ感染拡大を何としてもこれ以上阻止をしたい、そういう思いでありますので、是非御理解をいただきたいと思います。

 

○小池晃君 何で拍手が起こるんですかね、今の答弁で。具体的な対策は何一つ言っていない、今までやっていることしか言っていない。今までやっていることでみんなができないと言っているんだから私は言っているんです。
 飲食店に絞っている、地域を絞っている、だったらそこに限定をしてきめ細かく支援をすればいいじゃないですか。何でできないんですか、総理。絞っているんだったらできるじゃないですか。学んだんだったらできるじゃないですか。どうですか。

 

○国務大臣(西村康稔君) 繰り返し申し上げていますけれども、都道府県知事とも緊密に連絡を取り合いながら、その中でこうした水準も決めて、都道府県知事として要請に応じていただける。
 大企業も、店舗ごとに、店舗の数が多ければ、そして、その分一店舗当たり百八十万円最大給付するわけであります。また、一定規模以上のところはそれなりに経営体力もある、そういったところも含めて国民の皆さんの税金で規模の大きいところまでカバーするのかという議論もあると思います。その上で、大企業、中堅企業から大企業、足らないところについては無利子無担保の融資の枠も広げておりますし、場合によっては長い劣後ローンあるいは出資というようなことも含めて、支援策を最大十二兆円まで用意をしているところでございます。
 厳しい状況にあると思いますけれども、是非とも踏ん張っていただけるよう全力で支援をしていきたいというふうに考えております。

 

○小池晃君 劣後ローン、関係ない話です、これ。
 で、大企業じゃないですよ。本当に厳しい中でやっている店ですよ。そういうところがどんどん潰れていきかねない状況になっているということをそのまま指をくわえて見ていていいのかと。
 で、都道府県がどうのこうのと言ったけど、だったら持続化給付金出しなさいよ。都道府県は持続化給付金求めているじゃないですか。そういう都合のいいところだけ取り出して、やっています、やっています。これだけ苦境にあえぎ、これだけ悲鳴が上がっている。おいしいものが食べられる、みんなでお話ができる、そういう店が町からどんどんどんどん消えていって、この日本はどうなるんですか。今そういう局面なんですよ。
 本気で支えると、総理、きちっと支えると、そのために知恵を出すと言ってくださいよ、総理。

 

○国務大臣(西村康稔君) 規模が大きいほど経営体力はあるんではないかということを申し上げました。
 その上で、私ども、もう一点申し上げたいと思いますけれども、いろんな企業ありますから、この企業はこういうことなんだと思いますけれども、赤羽の平均的な九十席の店舗の家賃を調べました。平均は大体百五万円程度ということでありますし、固定費のうち光熱費ですね、これも中堅企業、こうした企業実態調査に基づけば、売上げの四%程度ということでありまして、大体二十万円前後ではないかと。そうすると、若干この固定費が高く出ているんではないかと思いますが、まあいろんな店舗がありますから、必ずしも、多いところ少ないところありますから、そのことをどうこう言うわけじゃありませんけれども、私どもいろんな、東京都内も含めて、家賃なども調べた上で、そして人件費は一〇〇%支援をするということでありますので、是非そうした支援を行っていることも御理解いただければというふうに思います。

 

○小池晃君 お店は平均で仕事をしていないんですよ。平均で言われたって解決しないんですよ。平均に入らないところが出てくるでしょうと、こんなやり方だったら必ず。(発言する者あり)今、切りがないという話があった。じゃ、そういうところは、自民党は切りがないと言った。平均から外れるところは潰れていいと、政府の要請で休業しているのに潰れていいと、これが自民党ですか。
 そんな無責任なことでいいんですか、総理。そういうことは絶対あってはならない。総理の、やっぱりここではっきり言うべきじゃないですか、そのために知恵を出すと。答えてくださいよ。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身も、先ほど来申し上げていますけれども、時間短縮をお願いしている皆さんには大変申し訳なく思います。
 そういう中で、持続化給付金とかを支給しようという先ほど来御意見ですけれども、昨年のこの緊急事態宣言とはやはり違っているということです。それは、全国を対象地域とし、幅広い業種に休業要請を行いました。この一年の経験を踏まえて、今回の緊急事態宣言では飲食店の時間短縮を中心とした対策を行っており、そうした飲食店への協力金や、また措置の影響を受ける事業者への一時金を支給させていただくことにしたということであります。
 さらに、多くの事業者にとって重要な資金繰りの支援、さらに雇用調整助成金の特例措置による人件費の支援、こうしたものも行わさせていただいています。是非、これらの措置によって事業や雇用、ここは支えていきたいというふうに思っております。
 大変申し訳ないですけれども、是非御協力をいただきたいと思います。そして、このコロナの感染拡大を何としても阻止をする、そうした思いの中でしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 

○小池晃君 あのね、昨年と違いますよ、確かに。みんな、ずうっと努力してきたんですよ。借金もしたんですよ。雇調金も使っているんですよ。ありとあらゆる手段で、それこそ自助で努力してきたところに、今こういう事態になって感染は更に広がっているんですよ。地域が狭まったと言うんだったら、そこに限定してでもきちっと支援をする、逆にそういう時期なんじゃないですか。
 私は、今の話では、本当に救われない、このままではやっぱりこの国ではやっていけないと多くの国民は思ったんじゃないかと思う。
 私は、根本的にやっぱり現場の実態を全く見ていないと、声を聞いていないと、そのことに厳しく抗議をしたいと思いますし、このままの支援では駄目だということを申し上げたいと思います。
 そして、芸術文化、ここは休業要請ではなく働きかけで、協力金の対象にすらなりません。徹底した感染防止対策をやってきた結果、全国の映画館ではこれまで一件の感染事例も報告されていません。劇場やライブハウス、クラブでも昨年七月以降、観客などのクラスターは発生しておりません。
 広範な文化芸術団体が参加をしたウイ・ニード・カルチャーのアンケートで、上演を企画する際にちゅうちょする要因は何か、八一・二%が観客の感染リスクだと回答しています。何の補償もないのに自粛をする、自分の暮らしが困っているのにお客様の安全を優先すると。涙ぐましい努力じゃないですか。
 大臣、この努力に政治は応えるべきではありませんか。お答えください。

 

○国務大臣(萩生田光一君) 文化芸術はコロナウイルス感染症対策を率先して行ってきた分野であり、御指摘の点については、文化芸術関係者における業種別の自主ガイドラインの策定とその遵守、チラシやホームページ、会場等における観客の方々に対する周知など、これまで徹底した感染症対策に御尽力いただいてきたことの成果の表れであると考えております。文化芸術の灯を絶やすことがないように取り組んでこられた皆様に深く敬意を表します。
 引き続き、文化芸術関係者における感染症対策の取組が十分に実施された上で文化芸術活動が行われるよう、文部科学省としてもできる限り取組を進めてまいりたいと思います。

 

○小池晃君 それなのに、三次補正で文化庁が示している支援策、アーツ・フォー・ザ・フューチャー、何ですか、これ。20210128パネル②積極的な活動が条件である、ほかの団体とコラボレーションする、新たな専門性を有する実演家の招聘、これまで訪問したことのない地域や文化施設で、これまで実施していなかった客層へアプローチ。
 今、なぜこんなことをアーティストに求めるのか。今までやってきたことがやれないで苦しんでいるときに、新しいことやらなければ支援しないというのはひど過ぎませんか。

 

○国務大臣(萩生田光一君) 文科省としては、コロナ禍に対応するための工夫や文化芸術の充実を図っていただくことが重要であると考え、第三次補正予算案、コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業において、緊急事態措置の期間中も含め、例えば実施する公演などのオンライン配信や感染リスクも勘案した演出の工夫を行うなど、文化芸術関係団体等による感染症対策を十分に実施した上で積極的な活動を支援することとしております。
 また、本事業の実施に当たっては、公演の中止に伴う費用等について、関係省庁と連携しつつ支援を行えるよう検討するとともに、緊急事態宣言の発令時に遡って支援対象とすることを検討するなど、可能な限り事業者の使い勝手の良い制度としていきたいと考えております。
 なお、これまでの文化芸術関係団体における取組の実績や研究等の蓄積を踏まえ、文化庁において、文化芸術活動の特性を踏まえた適切な感染症対策を講じることで感染拡大のリスクを最小に抑えつつ、活動を継続、発展させていくため、科学的知見に基づく感染症対策についての検討の場を新たに設置をしました。
 検討の結果について関係大臣と共有しながら、今後、文化芸術関係団体にとってどのような有効策を講じることができるか検討してまいりたいと思います。

 

○国務大臣(梶山弘志君) イベントの産業につきましては、コロナ禍において大変厳しい経済環境に置かれております。今回の緊急事態宣言に伴って一層厳しい開催制限等が課されることになっておりまして、それらを受けて、このような状況を何とか乗り切っていただくべく、予定されていた音楽コンサート、演劇、展示会などの開催を延期、中止した場合、開催しなくても掛かってしまう会場費等のキャンセル費用の支援をすることとしております。速やかに申請を受け付けられるよう準備を進め、遅くとも二月中には申請受付を開始したいと思っております。これは上限二千五百万円ということであります。

 

○小池晃君 今、ちょっと萩生田大臣、答弁なかったので。こういう事細かく新たにこういうことをやらなければ駄目だとか、こんな要件を課すのやめたらどうですかと私言っているんです。端的に答えてください。

 

○国務大臣(萩生田光一君) これ、経産省と連携して行っている事業で、今経産大臣からもお話がありましたように、分かりやすく言うと、今回の緊急事態宣言でマイナスになった部分はゼロまでに戻しますと、更なる上乗せについては新しいことをやったところに支援をしたいということなので、率直に申し上げて、動ける団体と動けない団体があると思うんです。我々としては、ポジティブに、動ける団体は是非このコロナ禍であっても活動を続けてもらいたいということで、従来の形ではなくて、一つオプションを増やしてもらうということで応援をしたいと思っているところでございます。

 

○小池晃君 従来の活動ができないでいるときに従来を超えたところしか支援しないで、それで支援にならないでしょうと私言っているんです。お答えください。

 

○国務大臣(萩生田光一君) 従来の活動ができなくなったことについては、補償という言い方をするとちょっと誤解を招くかもしれないんですけれども、マイナスをゼロにする仕組みを経産省と一緒に行っています。それは、じっとすればそこでマイナスはゼロになるんですけど、それでは、やっぱり団体は稽古もしなきゃなりませんし、動かなきゃならないので、そういうことに対して、言うならばプラスオンをしようということで今回補正を積ませていただいたということでございますので、これ、団体の皆さんともよく相談をしてスタートしたつもりでおりますので、そんなに先生が思っているほど複雑なことではなく、是非動けるところには動いていただきたい、こう思っております。

 

○小池晃君 いや、みんな、これではやれないという声を上げているんですよ。今までは個人も対象にしていたけど今度は団体だけにしてしまったという問題もあります。やっぱり、そもそもこういう何か新たなことをやらないと駄目だと言っているのは、やっぱり三次補正の枠組みそのものがコロナ収束を前提としているからこんなことになるんだと思うんですよ。
 もう一つ聞きますが、文化芸術復興創造基金への募金、十一月に私質問したとき七百十一万円でした。もう一千万円超えていますよね。

 

○国務大臣(萩生田光一君) 一月二十七日時点で約七百六十六万円でございます。

 

○小池晃君 総理、この実態なんですよ。このままでは、一千万円にならないと基金スタートしない。十一月に聞いたとき七百十一万円、今七百六十六万円。いつまでたっても基金がスタートしない。これ、日本の文化芸術の灯を消してはいけないと言うのであれば、自民党も入っている超党派の議連で、民間寄附頼みではなくて国が責任を持つ基金を、国費一千億円を投入して基金をスタートさせるという提言をしています。総理、決断すべきではありませんか。

 

○国務大臣(萩生田光一君) 先生の御指摘のとおりで、この一千万にもまだ達していないというのは、本当に基金をつくった担当所管としては恥ずかしく思っています。ただ、こういう厳しい経済状況の中でなかなかその寄附が集まりづらいということも御理解いただきたいと思います。前国会のときにも、これは国費も考えた方がいいんじゃないかという御提案があって、それに対して私もある意味同意をしているところでございます。
 したがって、この間、様々な芸術文化団体の皆さんともお話をして、この第三波が来ない前提で、事業が復活できるときに、これはみんなで力合わせて稼ぎ出していこうじゃないかと、自らしっかりこういう基金をこの機会に次のために積んでいこうじゃないかということでいろんな企画を始めたところでございます。多くの団体の皆さんが御協力をいただいて、一千万どころじゃなくて、もっと大きなお金を基金として積めるようなイベントなども今後コロナが終わった後にはしっかりやっていきたいと思います。
 しかしながら、現段階で残念ながら寄附が集まっていないのは事実でございますので、このため、文化芸術関係団体の活動継続や収益力強化の取組などの支援に加えて、団体の活動を継続し雇用を維持するため、雇用調整助成金について日額上限一万五千円の特例措置、政府系・民間金融機関による実質無利子無担保かつ元本返済据置き最大五年の融資について、実質無利子の上限額六千万円を引上げの実施を行ってまいりました。
 さらに、第三次補正予算において、コンテンツ関連事業者が収益基盤の強化に資する取組などを実施する公演などへ総額四百五十六億円の支援、文化芸術関係団体が感染対策を十分に実施した上で行う積極的な公演等へ総額二百五十億円の支援を行う予算を計上しております。
 まずは、こうした国費による支援を着実に実施してまいります。その上で、文化芸術復興創造基金について、日本芸術文化振興会とも協力の上、チャリティーイベントの実施など、寄附額の増加に向けた策を講じてまいりたいと思います。

 

○小池晃君 いや、いろいろ言ったけれども、基金に国費を入れるのか入れないのか、はっきりしてください。

 

○国務大臣(萩生田光一君) 今申し上げたような様々な支援策を国費として使わせていただいた上で、コロナが落ち着いたところで、是非チャリティーイベントなどで自らお金をしっかりつくっていきたいと思っています。
 それでも、それでも足りないということであれば、国費を使うことも含めて、今後しっかり関係省庁とも検討していきたいと思っていますが、幸いにして、団体の皆さん、苦しいながらも前向きな様々な提案いただいておりますので、是非、しっかりその活動の機会、それを支えることによって更なる利益を生み出す、そういうスキームをつくってまいりたいと思います。

 

○小池晃君 私は、こういうところこそ公助が今求められているというふうに思います。もう本当大変なんですから、大変になったらじゃないんで、大変なんですから、決断をすべきだと申し上げます。
 菅政権は、七十五歳以上の医療費の窓口負担を一割から二割にしようとしております。七十五歳以上はコロナによる致死率も高いです。それなのに、八十歳も九十歳も百歳も二倍に引き上げる。総理、長寿を祝うどころか、長生きへの罰則ではありませんか。どうですか。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 来年にはいわゆる団塊の世代、七十五歳以上の高齢者になり始める中で、若者と高齢者が支え合い、現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは待ったなしの課題だと思います。
 このため、少しでも多くの方に支える側として活躍をいただき、能力に応じた御負担をしていただくことが必要であり、今回、七十五歳以上の高齢者のうち一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担割合を二割とするものであります。その際に、窓口負担割合が二割となる方について、必要な受診が抑制されないように経過措置を設けることにいたしております。
 なお、新型コロナ患者に関する医療は、自己負担を公費で賄う仕組みになっており、基本的に自己負担は発生はしないものと考えています。

 

○小池晃君 ただ、感染症法による指定が除かれれば自己負担発生するわけですよ。高齢者はやっぱり長期療養が必要ですから。
 それで、後期高齢者の窓口負担引き上げることによる財政影響、厚労省、示してください。20210128パネル③

 

○国務大臣(田村憲久君) 二〇二〇年度、満年度分で、給付費千八百八十億円の減少と推計いたしております。これによって、後期高齢者支援金でありますけれども、七百二十億円の減少、後期高齢者の保険料が百八十億円の減少、公費が九百八十億円の減少と推計いたしております。

 

○小池晃君 その結果、現役世代一人当たりの支援金、幾ら減るんですか。

 

○国務大臣(田村憲久君) 現役世代一人当たりが約七百円ということであります。

 

○小池晃君 これ、半分は事業主負担ですから、現役世代本人の負担減というのは一年三百五十円ということになる。一月三十円弱です。三百七十万人の高齢者は医療費負担が二倍になる。一方で、現役世代は月三十円の保険料が減るだけ。国の負担、公費、これ一番減るわけです、今回のこのやり方で。九百八十億円減るわけです。
 総理、これが総理の言う自助、自分、まずは自分でやってみろじゃないですか。公費が、公助が一番減る。私はこんなやり方は撤回すべきだと思いますが、総理、お答えください。総理、答えてください。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、いわゆる団塊の世代が七十五歳の高齢者になり始める中で、やはり、若者と高齢者が支え合い、現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度、これを構築するというのがやはり私たちの責務だと思っています。今までこうしたことができていなかったわけですから、七十五歳以上につきましては、今回、一定の収入の方に二割をお願いをさせていただいたということであります。
 そして、やはり負担能力のある方は可能な範囲で御負担をいただいて、全ての世代で支え合う、若い世代の保険料負担の上昇を少しでも減らしていくということが大事なことじゃないでしょうか。

 

○小池晃君 三十円ですよ、月。一方で、医療費の窓口は二倍になるんですよ。国が一番負担を減らすんですよ。これが今回の構図じゃないですか。
 しかも、政府は、安倍政権何て言っているか。平成二十五年、社会保障制度改革国民会議の報告書、全世代型の社会保障への転換は、世代間の税源の取り合いをするのではなく、それぞれ必要な財源を確保することによって達成を図っていく必要があると。今やっていることはこのとき言っていたことと全く違う。こういうことはやめるべきだと申し上げます。
 総理は昨日、最後は生活保護があると言いました。最後のセーフティーネットとしての役割をしかし果たしていないんじゃないですか。捕捉率、生活保護を必要とする人の二割しか利用できていない。
 年末年始、私は都内各地で生活に困窮している方の相談会に参加をしました。そこでは、生活保護を利用した方がいいんじゃないかなと思われるような方が利用したくないと言われる方が本当に多かった。困窮者の支援をしているつくろい東京ファンドのアンケートでは、生活保護を利用しないと答えた方の三人に一人が家族に知られたくないからだと答えています。
 厚労省、扶養照会ですよね。扶養照会とは何ですか。やめるべきじゃありませんか。

 

○国務大臣(田村憲久君) 扶養が保護に優先するというのは、もうこの生活保護制度の基本原理でございます。でありますから、一応この扶養という意味が、意味といいますか、というものを一応前提といいますか、義務ではありませんが、優先はすると、義務ではありません、優先、優先するということであります。
 ちなみに、そうはいいながら、そもそももう家族関係が壊れているような方、こういう方に扶養照会をすることはございませんので、例えば、直接そういう方に電話するというよりかは、そういう方がおられれば事情等聞きまして、自治体等々にお聞きするということはあるかも分かりませんけれども、二十年ぐらい音信不通の方、それからあとDV等々で、そもそも照会したことによって自立が阻害される、こういう方々にも照会しないということにいたしております。
 親族関係がしっかり壊れないように配慮をしながら対応してまいりたいと思っております。

 

○小池晃君 日本は民法上三親等まで扶養義務の対象としていますが、そんな国は日本しかないわけです。これ、見てください。日本だけです、これだけ幅広い範囲で扶養義務を課している。20210128パネル④やっぱり生活に困窮していることが自分の子供や兄弟に知られたくないとみんな思うんじゃないですか。祖父や孫、ひ孫まで問合せが行くかもしれない、そう思えば申請をためらう人も出てくると思うんですね。
 大臣、そういうことがあっても仕方がないというんですか。ためらっても仕方がないというんですか。

 

○国務大臣(田村憲久君) 基本的には、親、兄弟というところに照会することが基本的なところであって、祖父、孫というところは、余りそういうような事例はないというふうにお聞きいたしております。二親等でも、親、兄弟というところに対して。実際問題、それによって見守りをやっていただいたりでありますとか、入院等々のいろんな医療の支援でありますとか、いろんな形で御支援をいただいておるということは多くあるというふうにお聞きいたしております。

 

○小池晃君 いろいろあると言うんですが、親族に扶養照会を行った結果、金銭的援助に結び付いた件数はどれだけあるのか、調査結果示してください。

 

○国務大臣(田村憲久君) 三・八万人、これ全体の扶養照会件数、これ二十八年七月に保護を開始した世帯に関する扶養照会の状況についての調査というものを平成二十九年度にやっておりますけれども、この中で金銭的な援助が可能と回答した件数は三・八万件中六百件でありますが、何らかの形、先ほど申し上げました精神的な援助、それからいろんな日々の見守りでありますとか、いろんな対応での支援といいますか、そういう扶養、何らかの扶養というのは約一万件ございます。

 

○小池晃君 これ、大変な手間なんですよ。戸籍に当たり、住所を調べて、手紙を送って、問い合わせる。その結果、金銭的援助に結び付いたのは一%程度しかないと。私は、こういうことこそ前例踏襲ではなくて効率化すべきではないかと思いますよ。
 厚労省は年末にこういうホームページを出しました。20210128パネル⑤「生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。」、「生活保護の申請は国民の権利です。」。私、これいいと思いますよ。年末、大臣も記者会見でそのことを言ってくれたじゃないですか。ためらわずに申請してくださいと言うのであれば申請をためらわせるようなことはやめるべきだと、見直すべきだと私は思うんですよ。
 確認しますが、生活保護法に扶養照会をしなければならないと書いてありますか。

 

○国務大臣(田村憲久君) 扶養は保護に優先するということではありますが、先ほど申し上げたとおり義務ということではございませんので、そういう意味では義務ではございません。義務ではございません。扶養照会が義務ではございません。

 

○小池晃君 だったらやめましょうよ。法律に扶養照会って書いてないんですよ。義務じゃないんですよ。実施要領という一通知だけなんですよ、これ。大臣が決断すればできる。そういうことじゃないですか。ためらわずに申請してくださいと言っているのであれば、やはりこの際、これだけコロナでみんな苦しんでいる。総理、最後のセーフティーネット、最後は生活保護だと言った。私は、生活保護に行き着く前に本当にいろんな手だてで支えなければいけないと思いますよ。でも、最後は生活保護だとまで言うのであれば、それを阻んでいる、ためらわせているものについて、こういうときに見直す必要はあるんじゃないですか。
 つくろい東京ファンドは、コロナ禍で生活困窮者が急増している現実を踏まえて、運用を最小限にしようと提案しています。例えば、本人がこの人には連絡しないでくれと言っている親族には扶養照会をしないと、そういう運用にするべきじゃありませんか。
 運用の見直し。これは当然大臣の決意で、政治の決断できますよ。総理、そういう決断をしていただきたい。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、その生活保護があると言ったことについていろいろな反響があるようですけど、いずれにしろ、私たちは、重層的なセーフティーネットで何とか国民の皆さんの暮らし、命と暮らしを守ろうということで政府としては取り組んできています。ですから、例えば雇用を守るべきこの雇調金だとか、生活に困窮した方については小口の特例貸付けだとか、あるいは住居確保の給付金だとか、いろんなことで重層的な中でお守りをしていくというのがこれ政府の役割だというふうに思っています。
 それで、中で、どうしても、どうしても立ち行かなくなったときに生活保護を受けるのは国民の権利ですから、私は、厚労省がそのように、暮れにですか、ホームページに書いたというのは、そこはやはり国民の権利でありますので、相談に来てほしいという意味合いで出したことだというふうに思っています。
 そういう中で、この運営の仕方、執行というのは所管大臣に当然これ委ねるわけでありますから、その方の中で対応されるものだと思います。

 

○小池晃君 最後は生活保護だとまで言ったんだから。だったら、本当に今セーフティーネットとしての役割を果たしてないんですよ、このままでは。必要な人が、三分の一がやっぱり扶養照会があるから申請したくないと言っているんですよ。だったら、そこを見直すのは、これは法律で決まっている義務じゃないんだからできるでしょうと。その決断するのが政治家じゃないですか。総理が言えないんだったら、まあ田村大臣でもいいけどさ。決断してくださいよ、大臣。

 

○国務大臣(田村憲久君) 今まで扶養が保護に優先するということで運用してきているわけです。そういう意味からいたしますと、様々なところで、現場でいろんな問題があるというお話はお聞きいたしております。
 もちろん、先ほど申し上げたように、本来の家族関係が壊れているような、そもそももう扶養の対象にならない方々に扶養照会して余計関係がこじれる、もちろんDV等々はもうもってのほかでありますけれども、そういうようなことをしっかり配慮させていただきながら、この方ならば扶養する可能性があるなというような方に対して扶養照会を丁寧に自治体の現場でやっていただく、今もやっていただいている自治体いっぱいあるわけでありますけれども、そのようにお願いをさせていただいておるわけでございまして、今言われたように、生活保護を受けたいと、また受けるもう必要があるという方々が生活保護というセーフティーネットにしっかりつながるように、これからもそこに阻害要因がないように、我々としては現場の方に対していろいろとお願いしてまいりたいというふうに思っております。

 

○小池晃君 阻害要因になっているんじゃないですかと言っているんですよ。だから、それは運用で見直せるんだから、大臣の決意でできるんですから、やったら、やるべきじゃないですかと。
 総理、やるべきじゃないですか、あれだけ言ったんだから。それに見合う答弁をしてくださいよ。どうですか。

 

○国務大臣(田村憲久君) いや、ですから、そういうような、知られたらもう困るというような、もう言うなれば人間関係が壊れているようなところの場合は、それはもうそういう照会を掛けないと。やはりもうそういう信頼関係といいますか、家族関係壊れているわけですから、そこにわざわざ掛けることもないわけでありますから、そういう意味で、我々はしっかりとこれを現場に運用いただくということでお願いをいたしておるわけであります。

 

○小池晃君 家族関係が壊れているんじゃないんです。知られたくないんですよ、自分が生活保護を申請するほど困っていると。そういったことを知られたくないという気持ち、分かりませんか。決して壊れてないですよ。壊れてないからこそ、壊れてないからこそじゃないですか、そんなこと言われたくないんじゃないですか。だから言っているんですよ。
 少なくとも、そういう見直しをやるということぐらい言えないんですか。大臣の決断でできますよ。言ってくださいよ。

 

○国務大臣(田村憲久君) 家族関係がしっかりとしておる中において、いろんな形で助け合うというようなこと、これはその家族の中にあるわけでございます。先ほども申し上げました、金銭だけではなくって、いろんな精神的な扶養があってその方のお支えをしていただいておるという方もあります。それは生活保護というものが仮にあったとしても、その後、そういう対応のこともあると思います。
 いずれにいたしましても、我々としては、その言うなれば家族関係というものが壊れている中において、それで生活保護を受けられないというようなことがあってはこれならないわけでありますから、そういう意味で、ああ、あの人には言わないでほしい、あの人とはもうずっと会っていないし知られたくないというような場合には、これは家族関係が壊れているわけでありますから、そういう方に関しては扶養照会はしないということであります。

 

○小池晃君 あの人には言わないでほしいという人には扶養照会しないと言われましたね。そういうことですね。

 

○国務大臣(田村憲久君) もう長く会っていないと、要するに、もういろんな形で人間関係が壊れて、あの人に自分自身のいろんな姿を知られたくないというのはあると思います。その場合はもう家族間、親族間が壊れているわけですから、二十年以上というのは一つの基準でありますけど、そういう場合には扶養照会はいたさないということであります。

 

○小池晃君 二十年というような基準じゃないと思いますよ、私。壊れてないからと言っているじゃないですか。やっぱり私は、こういうためらわないでと言いつつためらわせるようなことは、障害を取り除くと言うのが最低限の政治家の責任ではないかというふうに思います。もうこれ以上聞いても駄目なようですから。
 このくらいのこともできないんですかね、情けないですよ。コロナで大変なときに、最後は生活保護だまで言って、その見直しもやらないんですか、総理。それこそ政治家として今一言言うべきじゃないですか。
 最後、もう一回聞きます。やっぱりそういう見直しもきちんと検討するとお答えください。どうですか。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 重層的なセーフティーネットについて、できる限りの御支援をさせていただく中で、そういう中で最終的にはその生活保護、セーフティーネットの中で、その執行についてはやはり担当大臣が執行するわけでありますから、それについて私からは申し上げることは控えたいというふうに思います。

 

○小池晃君 縦割りを打破するんじゃないんですか。既得権益打破するんじゃないんですか。厚労省が言ったらやらないんですか。何のための総理大臣ですか。このコロナの危機に国民を救うんだと、最後は生活保護だと、そう言いながら、余りにも冷たい。冷た過ぎますよ。こんな政権では国民の命は守れないということを申し上げておきます。
 官房機密費についてお聞きをします。
 官房長官、内閣官房報償費にはどのような費目がありますか。公開できる基準、そしてどういう目的で使われるかお答えください。

 

○国務大臣(加藤勝信君) 委員のおっしゃっているのは内閣官房報償費のことについてということだと思います。
 たしか今機密費とおっしゃいましたけど、報償費ということでありますが、内政、外交を円滑かつ効果的に遂行するため、その都度の判断で機動的に使用する経費であります。内閣官房報償費は、国の機密保持上その使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきており、取扱責任者である官房長官、今においては私自身の判断と責任の下、厳正かつ効果的な執行を行っているところであります。
 この報償費の執行は、三つの目的類型ごとに、それぞれの目的に照らして行うものとされております。すなわち、施策の円滑かつ効果的な推進のため、官房長官としての高度な政策判断により機動的に使用することが必要な経費である政策推進費、施策の円滑かつ効果的な推進のため、その時々の状況に応じ必要な情報を得るために必要な経費である調査情報対策費、これらの活動が円滑に行われ、所期の目的が達成されるよう、これらを支援するために必要な経費である活動関係費の三つの目的類型ごとに、真にその経費の性格に適したものに限定して使用しており、厳正な執行に努めているところであります。
 あと、情報公開の話がありました。
 この内閣官房報償費に関する情報公開の取扱いについては、平成三十年一月の最高裁判所判決に沿って対応しているところであります。具体的には、個別の支払先の特定につながる情報や具体的使途以外の情報については適切に開示をさせていただいているところであります。

 

○小池晃君 まあ何でも使えるということです、今の説明はね。
 政策推進費は、官房長官に支出された時点で支出が終了する、領収書は不要、官房長官しかその使い道は分からない。よろしいですね。

 

○国務大臣(加藤勝信君) 内閣官房報償費については、取扱責任者である官房長官、私の判断と責任の下に厳正かつ効果的な執行を行っているということであります。

 

○小池晃君 政策推進費について聞いたんです。

 

○国務大臣(加藤勝信君) ですから、内閣官房報償費の中に政策推進費も入っておりますから、その全体の内閣官房報償費について私の判断と責任の下で執行しているということであります。

 

○小池晃君 二〇一八年の最高裁判決、今言われましたが、この原告の皆さんが、当時官房長官だった菅さん、あなたに根本的見直しの要求書というのを届けております。政治家や公務員やメディア関係者に配ることは買収に当たる可能性があるので禁止すべきだと。
 総理、この要求書を受けてどう対応されましたか。

 

○委員長(山本順三君) 加藤官房長官。(発言する者あり)

 

○国務大臣(加藤勝信君) いやいや、当時から今に続いているわけでありますから。
 最高裁判決の平成三十年三月に訴訟の原告団から官房長官宛ての要求書の送付があったことは承知をしておりますし、私自身も読ませていただいております。
 ただ、この内閣官房報償費については、先ほど申し上げたことと重複しますが、取扱責任者である私の判断と責任の下、厳正で効果的な執行を行い、国民の不信を招くことがないよう適切な執行に引き続き努めていきたいと考えております。

 

○小池晃君 しんぶん赤旗が情報公開請求で入手した資料を見ますと、菅官房長官時代の官房機密費、総額九十五億円。そのうち、官房長官本人に、自身に支出された政策推進費は、七年八か月で八十六億八千万円。20210128パネル⑥これ、七年八か月ですから、一日三百七万円です。政策推進費はもう官房長官しか使い道知らない。何に使ったんですか。政治家や官僚に配ってないんですか。
 これは菅さんに聞いているんですから、菅官房長官時代の話なんだから、何であなた出てくるの。菅さん、答えてください。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 御指摘の政策推進費を含めて内閣官房の報償費は、国の機密保持上その使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきており、その個別具体的な使途に関するお尋ねについてはお答えを一切控えさせていただいているところであります。
 いずれにしろ、報償費は、私が官房長官在任中を含め、取扱責任者である官房長官の判断と責任の下に厳正で効果的な執行を行っているところであり、国民の不信を招くことがないよう適切な、適正な執行に努めているところであります。

 

○小池晃君 口で厳正と言っているだけで、何の証拠もないじゃないですか。
 総理は日本学術会議について、年間十億円を使っている、国民に理解される存在でなければならない、閉鎖的で既得権益のようになっているのではないかというふうに言っていますが、見てください、毎年十一億円ですよ。学術会議に対するよりもあなた一人に対する支出の方が多いじゃないですか。これこそ閉鎖的な既得権益ではありませんか。国民の理解がこれ得られると思いますか。今のような説明で国民が納得すると思いますか。
 総理、お答えください。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、今申し上げたとおりに、内閣官房長官当時に今申し上げたとおりの形で執行させていただいておりました。

 

○小池晃君 国民の理解が得られると思いますかと聞いているんです。

 

○委員長(山本順三君) 加藤内閣官房長官。(発言する者あり)

 

○国務大臣(加藤勝信君) いや、これ、今委員御指摘の最高裁の判決の中でも、内閣官房長官によるその時々の政策的判断に基づき、内政上、外政上の重要政策の関係者に対し非公式に交渉かつ協力依頼などを行い、あるいは重要事項につき外部からの情報収集を行うなどの様々な活動に及ぶことがあり、内閣官房報償費はそのような活動を円滑かつ効果的に遂行するために必要な経費として支出されているものと言うことができるということを言われているわけでありまして、こうした中身に沿って我々は厳正に執行しているところでありますし、また、そうした中身を開示をしたという場合においては、その関係者との間の信頼関係が失われ、重要政策等に関する事務の遂行に支障が生ずるおそれがある、また、内閣官房への協力や情報提供等が控えられることとなる結果、今後の内閣官房の活動全般に支障が生ずることもあり得る、こういったことも判決の中でお示しをいただいているところであります。

 

○小池晃君 説明が全くできないということですよね。
 今お示ししているのは、これもしんぶん赤旗が情報公開請求で入手した政策推進費の受け払い簿です。20210128パネル⑦昨年九月一日の受け払い簿、空になった金庫に九千二十万円が入れられています。そして、その九月一日の翌日、菅総理、あなたは総裁選に出馬表明をしました。そして、九月十六日、総理に就任したそのとき、金庫に残っていたのは四千二百万円です。九月一日から十六日までに差額四千八百二十万円が使われたことになります。
 総裁選に全力を集中していたときに、あなたは官房機密費何に使ったんですか。重要政策があったんですか。これは総裁選のために使ったと言われても仕方がないんじゃないですか。

 

○内閣総理大臣(菅義偉君) そのようなことは一切ありません。

 

○小池晃君 じゃ、総裁選に使っていないというのであれば、何に使ったんですか。

 

○委員長(山本順三君) 加藤官房長官。(発言する者あり)

 

○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、その間においても、また今においても、様々な重要政策を推進すると。総理が官房長官時代においても、それはもちろん総裁選に出ていながら、しかし政府全体としてはそのときに抱える課題について対応しているわけでありますから、当然そうしたことに対して使用されてきたということであります。

 

○小池晃君 こういうときぐらい、こういうお金を使うのをやめたらどうですか。
 だって、そりゃ記者会見とかやられていましたよ、総裁選の間も。でも、やっぱり総裁選に集中していたときに四千八百二十万円使うと、これはやっぱり総裁選に使ったのではないかというふうに見られても仕方がないと思う。
 国民には自助を押し付けて、自分は莫大な公助を受けてきたのがあなたじゃありませんか。既得権益を打破するどころか、既得権益にどっぷりつかってきたのは総理ではありませんか。
 こういう税金の使い方を絶対許すわけにいかないということを申し上げて、質問を終わります。

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