日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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小池晃の活動報告

NHK日曜討論 小池書記局長の発言

2021年01月25日

赤旗2021年1月25日付

 日本共産党の小池晃書記局長は24日のNHK「日曜討論」で、新型コロナウイルス感染拡大のもと、第3次補正予算案や、罰則が盛り込まれた特別措置法・感染症法両改定案への対応、「政治とカネ」問題について各党幹部と議論しました。


 

 小池氏はまず、政府の新型コロナへの取り組みや姿勢をどう見るか問われ、「小出し、後出し、右往左往だ」と指摘。最大の問題は、国民にさまざまな努力を求めながら、政府からは積極的な対策が出ていないことだと強調し、医療機関や介護施設全体を対象にした減収補填(ほてん)、積極的なPCR検査による感染者の早期発見と保護、変異株問題も含めた全体像の把握が必要だと提起しました。17日の同番組で西村康稔経済再生担当相が「昨年春の緊急事態宣言並みに外出自粛の徹底を」と述べたことにふれ、「それにもかかわらず、昨年春から始めた持続化給付金・家賃支援給付金を打ち切るようでは暮らしも営業も守れず、感染を抑えられない」と指摘しました。

 

第3次補正予算案

 

 25日から国会で審議が始まる2020年度第3次補正予算案について、立憲民主党の福山哲郎幹事長が、緊急事態宣言発令前に編成したもので、現状の感染急拡大を想定していないとして「コロナ対策予算を拡充するよう組み替え提案したい」と述べましたが、自民党の柴山昌彦幹事長代理は「計上している予備費を迅速に使う」などとしました。

 小池氏は「審議する前から予備費頼みの予算なんてナンセンスだ」と指摘。「Gо To トラベル」や国土強靱(きょうじん)化などの不要不急の項目を削り、「いますぐ必要なコロナ対策、医療や検査、補償に回す組み替えは当然だ」と強調しました。また、「年末年始の生活困窮者支援の相談会に参加し、仕事も住まいも失い、わずかな所持金しかなくて食料支援に並ぶ人をたくさん見てきた。こうした方々の手元にすぐに届く給付金が必要だ」と述べるとともに、持続化給付金・家賃支援給付金の再給付を訴えました。野党共同で組み替え案を提出するとし、「与党も無責任な予算は、きちんと組み替えるという責任を果たすべきだ」と指摘しました。

 公明党の石井啓一幹事長が「想定されていない事態に、使い勝手のいい予備費をあてていく対応だ」と述べたのに対し、小池氏は、「予備費が不要だと言っているわけではない。コロナ対策という中心的な課題を予備費頼みにするのはおかしくないかということだ」と反論。医療支援や検査拡充、雇用維持など中心的な課題を予算項目に盛り込んで、きちんと保障すべきだと強調しました。

 また小池氏は、予算規模19兆円のうち、15兆円が「Gо To」事業や「ポストコロナに向けた経済構造の転換」「国土強靱化推進」であり、「3月末までの補正予算でやるべきことではない」と指摘。「国民の命と暮らし、営業を本気で考えるなら、当然、組み替えに応じるべきだ」と呼びかけました。

 

特別措置法改定

 

 特別措置法の改定案で、営業時間の短縮の命令に応じない事業者に過料を科すとしたことについて、柴山氏は感染対策の実効性の確保を挙げました。

 小池氏は、「感染対策の実効性がないのは政府への信頼がないからであり、罰則で締め付けようというのは邪道中の邪道だ。密告、監視社会につながり、感染症対策に逆行する」と厳しく批判。感染拡大防止のためには、休業や営業時間短縮をしても店舗を維持できる十分な補償をすることだと主張しました。

 さらに小池氏は、新たに創設される「まん延防止等重点措置」は、緊急事態宣言を出す前から罰則を科すもので重大な問題だと指摘。「未知の感染症への対応は国民の協力が最大の力になる。罰則や制裁の導入は国民の中に分断と対立を生むものであり、断固反対の立場で臨む」と強調しました。

 

感染症法改定

 

 入院拒否に懲役刑などの罰則を設ける感染症法改定案の課題について司会者から問われた小池氏は、「入院したくてもできないときに入院を拒めば懲役だというのでは国民の理解が得られるわけがない。4万人を超える方が自宅療養を余儀なくされ、各地で亡くなる人が出ているとき、政治がやるべきことは、必要なときに入院できるようにすることだ」と指摘しました。

 小池氏は、結核やハンセン病などへの科学的根拠のない隔離や差別、人権侵害が問題となり、感染症法に患者の人権尊重が明記されたと指摘。「人それぞれ入院できないさまざまな事情がある。それらを一つひとつ解決して、十分に説明して納得を得て進めなければいけない。医療行為というのは、医療者と患者の信頼関係の上に成り立つ。それがなければ効果的な治療はできない。罰則を恐れて検査を受けなくなったり、検査結果を隠したりしたら元も子もない」と訴え、感染症法への罰則の導入に反対を表明しました。

 福山氏は「検査を増やし、病床数を増やすこと、療養先や入院先を確保することが政治のやることであり、刑事罰を科して脅しをかけるなど、やっていることが逆だ」と述べ、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は「罰則により、かえって検査を回避したり隠ぺいしたりとなっては本末転倒だ」と指摘しました。

 

「政治とカネ」

 

 公職選挙法違反に問われた河井案里参院議員への有罪判決や吉川貴盛元農林水産相の収賄事件、「桜を見る会」問題など「政治とカネ」をめぐる議論で、与党側は「信頼確保に全力を尽くす」(柴山氏)、「政治不信の払しょくに努める」(石井氏)などと語るだけでした。

 小池氏は、「信頼を取り戻すというが、菅(義偉)首相を先頭にまともな説明をしていない」と強調。河井議員が起訴された際は「司法判断に委ねる」とし、判決が出たら「裁判が継続中であり答えるべきではない」などと説明から逃げていると指摘し、「これで国民の信頼を得られるわけがない」と批判しました。

 いずれも菅首相自身が深く関わっている問題だとし、徹底的な真相究明と証人喚問の実現を求めました。

 

国会の重要課題

 

 最後に今国会で何を重要課題として位置付けるか問われました。小池氏はコロナ対応が最優先課題とした上で、「22日に核兵器禁止条約が発効したことで、核兵器が違法となり、核なき世界への新しい時代が始まった。唯一の戦争被爆国である日本がこれに背を向けることは許されない」と強調しました。

 また、「核兵器に固執する米国と密接な関係にある日本が同条約に参加することは世界に大きなインパクトを与え、被爆者の願いに応え、北東アジアの平和と非核化にとっても新たな展望を開く」と述べ、同条約の署名・批准を強く求めました。

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