赤旗2021年1月23日付
日本共産党の小池晃書記局長は22日、参院本会議で代表質問に立ち、新型コロナウイルス対策、東日本大震災からの復興、沖縄米軍基地問題や大軍拡の動きなどについて菅義偉首相の姿勢をただしました。同日発効した核兵器禁止条約について、「『核なき世界』に向けた新しい時代の始まりを心から歓迎する」と述べ、条約批准を求めました。(関連記事・質問全文)
小池氏は、新型コロナについて、「深刻な医療崩壊を食い止め、国民の命と健康を守る、政治の責任が求められている」と力を込め、コロナ患者受け入れ病院以外への支援が乏しい政府の対策を批判しました。
小池氏は、コロナ患者の受け入れが少ないと指摘される民間病院について、コロナ対応病院と役割分担し「面で地域医療を支えている」との日本医師会・中川俊男会長の発言を紹介。発熱外来を扱う開業医、地域の医療体制維持のために肺炎・発熱患者を受け入れるコロナ未対応の病院、転院できない陽性者に対応する一般病院や介護事業所など、「医療機関や介護・福祉事業所は役割分担し懸命に努力している。その全体を対象に、減収を迅速かつ簡便な方法で補填(ほてん)するべきだ」と迫りました。
菅首相は、民間病院が地域医療を支えていると認めながら、「緊急包括支援交付金の多くはコロナ患者受け入れ病院に支払われるべきだ」と強弁しました。
年末年始にコロナの影響で困窮した人への相談・支援活動に参加した小池氏は、「非正規雇用の人たちがコロナ危機をきっかけに仕事も住まいも失い、深刻な状態に追い込まれた」と主張。親族への扶養照会が生活保護を権利として利用する際の障害になっているとして緊急に運用の見直しを求めました。
東日本大震災から10年を迎えるもとで、被災地の基幹産業である漁業や水産加工業は、グループ補助金の返済、コロナ、主要魚種の大不漁の三重苦にあえいでいるとして、「期限を区切った被災者支援・復興策の打ち切りは許されない。支援強化を」と求めました。
核兵器禁止条約については、「唯一の被爆国の政府が背を向け続けるのか」と批判し、「核兵器に固執する米国と密接な関係にある日本が署名・批准すれば、前向きな変化をもたらす」と迫りました。