赤旗2021年1月13日付
日本共産党の小池晃書記局長は12日、国会内での記者会見で、菅義偉首相が新型コロナウイルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言の対象を現状の関東4都県以外にも拡大する考えを示したことについて問われ、「小出し、後出し、そして右往左往ということではないか」と厳しく批判しました。
小池氏は、感染拡大防止の在り方として、「最初にしっかりと網を大きくかけておいて、徐々に(範囲を)緩めていくというのが原則だが、それに全く逆行するやり方だ」と指摘。「危機管理を進めていく上で、最悪のやり方だ」と重ねて批判しました。
その上で、昨年4月に最初の緊急事態宣言を発出した安倍晋三首相(当時)が「やみくもには出せない」として7都府県に限定しながら、10日足らずで全国に拡大したことに言及。菅首相も同宣言の再発出のさいに「的を絞って徹底的にやる」と言って1都3県に限定しながら、早くも大阪、京都両府と兵庫県に加え、愛知など東海3県などからも発出の要請を受ける事態になっていることを示し、「菅さんは(記者会見で)『この1年間の経験で多くのことを学んできた』と言っているが、何も学んでいないのではないかと言わざるを得ない」と批判しました。
さらに小池氏は、「対象を広範囲に広げるのであれば、補償を抜本的に強化し、そのためにしっかり予算措置を取って進めていくことが必要であって、そういう点からも、第3次補正予算案の前提は完全に崩れたと言わざるをえない」と指摘。同補正予算案は緊急事態宣言再発出を想定していない段階で編成したものだとして、「根本的に見直して、これだけの感染の広がりに対応したものに中身を抜本的に組み替えていくことが必要だ」と主張しました。
さらに、野党も組み替え動議を出すことを確認し検討中だと述べ、「ぜひ組み替え案を(野党で)まとめて国会に臨んでいきたい」と表明しました。