赤旗2021年1月13日付
日本共産党の小池晃書記局長は11日のBS―TBSの番組「報道1930」に出演し、新型コロナウイルスの変異株が世界的に拡大する中でのコロナ対応について自民党の武見敬三参院議員、昭和大医学部の二木芳人客員教授らと議論しました。小池氏は、変異株の国内流入を防ぐための全世界を対象とする入国停止措置や、ウイルスのゲノム解析の体制強化など必要な対応を政府が実行すべきだと主張しました。
番組で、ブラジルから到着し、空港検疫で感染が判明した男女4人から新たな変異株が検出されたことを紹介。小池氏は「ブラジルはアメリカ、インドに次いで3番目に感染者数が多い。そこからいまだに入国が続いていた」と述べ、水際作戦と言いながら事実上検疫をすり抜ける水漏れのような状態になっていると指摘しました。小池氏は「ウイルスは、感染力を強めることで、生き延びていこうと変異を続ける」と強調し、水際対策の強化として「全世界からの入国を停止する措置を取るべきだ」と主張しました。
さらに小池氏は、政府が11カ国・地域からビジネス関係などの入国を受け入れる方針を継続していることに触れ、「国民に対して厳しい要請をしておきながら、入り口は開けたままでは納得は得られない」と批判。全世界を対象とする入国停止を重ねて求めました。
武見氏は「党としては一律に(ビジネス往来を)止めるべきだという考え方でまとまっている」と同調しました。
小池氏は、現在日本で確認されている変異株の感染事例を政府が34例としていることについて「それだけではないと思う。イギリスの変異株は9月から感染が拡大し、すでに国内流入している可能性がある」と指摘。小池氏は変異株の状況をつかむためのゲノム解析について、「イギリスは約140万件の検体のうち14万件を解析している。日本は検査数自体が少ないのだから、検査を拡大して一気に調査していく必要がある」と主張しました。二木氏も「早急にウイルスのゲノム解析をして日本の状況を把握するべきだ」と述べました。
また番組で、子どもへの感染力が高いと懸念される変異株が確認される中での小中学校の休校対応についても議論に。小池氏は「日本では学校内での感染は少なかった。変異株の動向によく注意する必要はあるが、むしろ学校は子どもたちの命を守る場として開いておくという選択肢はあり得る」と主張しました。その上で「学校の教師や職員に定期的なPCR検査を行うべきだ」と強調。集団感染が圧倒的に多いのは医療・福祉施設だと示し、一斉・定期的な社会的検査を求めました。
武見氏は「学校の教職員に関するPCR検査は自民党の中でもやるべきだという議論が確実にある」と発言しました。
番組の最後に小池氏は「変異株と言うと絶望的な気持ちになるかもしれないけれど、基本は緊張感を持って今の対応をしていくことで抑えられる。検査の徹底、医療施設への支援を強力に進めていくことが変異株に対応する一番の道になる」と語りました。