赤旗2021年1月7日付
日本共産党の小池晃書記局長は5日、BSフジの番組「プライムニュース」で、この間の新型コロナウイルスの感染急拡大に対する菅義偉政権の政治的責任を厳しく批判し、「今度こそ十分な補償と、PCR検査の抜本的強化に本気で取り組まないといけない」と政策転換を強く求めました。
小池氏は、菅首相による東京都、埼玉、千葉、神奈川の1都3県への「緊急事態宣言」の発出について、「感染拡大が止まらない状況の中で宣言自体はやむを得ない」と述べた上で、菅政権は新規感染者数が11月から明確に増加する中で「Go To」事業に固執し、日本共産党など野党4党が「新型インフルエンザ特措法等改正案」を12月2日に提出して国会延長を求めても一顧だにせず国会を閉会したことに触れ、「菅政権による人災だと言われても仕方がない」と批判。「日本医師会、看護協会など医療関係者が『医療緊急事態だ』と警鐘を鳴らしてきたが、12月25日の会見でも一切耳を貸さかった態度を率直に反省すべきだ」と述べました。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は「Go To」固執など「小池さんが述べたように、政府の責任だと言われても仕方がない」と応じました。
小池氏は、休業要請など感染拡大防止策を実効あるものにするために「今度こそ十分な補償と、医療機関や介護施設などでの社会的検査を全額国庫負担で行うことなどに本気で取り組むべきだ」と強調。無症状者も含めて高齢者施設などでPCR検査を行っている東京都世田谷区の事例を紹介し、「時短などできない医療機関、介護施設などの従事者や利用者への十分な検査と補償を行う戦略が必要だ」と述べました。
小池氏は、「緊急事態宣言」の規模と範囲をめぐり、「基準が示されていない。新規感染者数だけでなく、重症者数や死者数、重症病床の使用率なども重要な指標だ」と指摘し、「12月の死亡者が人口比で東京の3倍で、重症病床の利用率が7割を超えた大阪など、深刻な事態だという認識で全国規模での抜本的な対策強化を併せてすべきだ」と述べました。
また、政府与党の「特措法」改定案が罰則を伴うとされていることについて、「罰則頼みでは危険だ。『自粛警察』のような密告社会、監視社会の恐れがある。感染対策はみんなで力を合わせないといけないが、分断を招く政策は逆効果だ」と強調。「安心して時間短縮や閉店できるだけの十分な補償をすることが何より感染防止策になる」と述べ、「緊急事態宣言」を出しながら、来週15日に持続化給付金や家賃支援給付金を打ち切ることを強く批判し、延長を求めました。
今年の総選挙をめぐり、小池氏は「野党共闘の旗印を明確にしないといけない」と指摘し、「3回の国政選挙と知事選などでの共闘で信頼関係がつくられ、コロナのもとで、経済効率優先の新自由主義ではない社会を目指す大きな方向の一致点ができてきた。今度の総選挙で菅政権を倒し、オール野党の政権へ合意することが、選挙協力を大きく前進させる」と強調しました。