赤旗2020年12月9日付
日本共産党の小池晃書記局長は8日、国会内での記者会見で、政府が同日決定した新型コロナウイルス対策の「追加経済対策」について、「医療や暮らしの危機に対する、緊急の支援策になっていない」と厳しく批判しました。
小池氏は、「いま、コロナ感染の急拡大により、全国各地で医療崩壊の危機が進行している。多くの国民、中小零細事業者からは、『年を越せない』という悲鳴が上がっている。政府が今日発表した『追加経済対策』は、現実に起こっているこうした事態に対応するものとなっていない。たとえ第3次補正予算が成立しても、現場にそれが届くのは、早くても3月以降であり、緊急の支援策にはならない。7兆円も残っている予備費については、『適時適切な執行』というだけで、まともな活用策が示されていない」と批判しました。
政府は、「追加経済対策」の事業規模は73兆円で、2020年度第3次補正予算と21年度本予算には30兆円を計上するとしています。
小池氏は「その多くは『ポストコロナ』に向けた基金の創設とか、『国土強靱(きょうじん)化』の名による公共事業の上積み、そして『Go To』事業の延長などだ。肝心の検査・医療や暮らし・営業支援の予算はわずかなものにすぎない。いま求められているのは『ポストコロナ』の対策ではなく、現実のコロナ感染の広がりに対する緊急対策だ」と指摘しました。
政府は、「経済回復はいまだ途上」としています。しかし、足もとの感染状況を見れば、7~9月に多少のプラスとなった成長率が、今後再びマイナスとなる恐れもあります。小池氏は「感染拡大を食い止めるとともに、収束までの期間の暮らしと営業を守る対策なしには、『いまだ途上』どころか、現状を維持することもままならない。政府には危機感がまったく欠如している。まともなコロナ対策なしに『ポストコロナ』を語る、『砂上の楼閣』のような経済対策だといわざるを得ない」と厳しく批判しました。
さらに小池氏は、「中小企業に業態転換や事業再編を促すとか、銀行の業務範囲規制の見直しとか、マイナンバーカードの普及促進など、コロナ危機に便乗して、いっそうの新自由主義的政策の推進を図ろうとしていることも重大だ」と述べました。そして、「日本共産党は、政府の『追加経済対策』の問題点をただすとともに、医療・検査の抜本的拡充、暮らしと営業の支援のために、全力をあげる」と表明しました。