赤旗2020年11月29日付
BSで小池書記局長
日本共産党の小池晃書記局長は27日、BS―TBSの番組「報道1930」に出演し、この間の新型コロナウイルス感染の急拡大によって、重症者が増え、医療が逼迫(ひっぱく)しているにもかかわらず、実効ある措置が取られていないとして、「菅政権による“人災”になりつつある」と厳しく批判しました。急いで病院と高齢者施設を中心に無症状者を含めた社会的検査を行うことをはじめ、「万全の感染防止対策こそ最強の経済対策だ」と訴えました。
同日、東京都の新規感染者数が過去最多の570人を記録。小池氏は発表されている「病床占有率」について、「日本医師会の中川俊男会長が指摘したように、現場感覚とはずれがある。(同占有率の)分母の『確保されている病床』には、がんや心臓疾患などの重症患者がすでに使用している病床も含まれる。実際にコロナの重症者を受け入れようとするとスタッフの不足もあり、現実はもっと厳しい」と指摘しました。
小池氏は「Go To キャンペーン」について「それによって感染は広がらないという立場にしがみついているので、政府がきっぱり停止できない」と批判した上で、「これは、経済を取るのか、医療を取るのかという二者択一ではない。感染が爆発しつつある時に、万全な感染防止対策を取ることが最強の経済対策になるのだと、政府が明確な方針を打ち出すべきだ」と強調しました。
番組は、北九州市が継続的に、無症状者を含め広いPCR検査を実施し、感染者数を抑えている状況を紹介。小池氏は「無症状者に対する積極的な検査は教訓的だ」と述べ、国の対策との違いは「感染者が減った時でも検査を減らさなかった、その違いだ」として、「厚労省や官邸は、症状のある人や、限られた濃厚接触者だけを検査するという発想から抜けきれていない」と指摘しました。
一方で政府の対策本部の会議でも、新宿・歌舞伎町など感染拡大地域での集中的な検査実施が感染抑止に効果があると認めていると紹介し、「ならば戦略を切り替えるべきだ」と発言。小池氏の質問に北九州市の北橋健治市長が「(社会的検査には国が)もっと力強い支援を」と述べたことを受けて、「全額国庫負担に踏み切らねば、自治体は安心して検査拡充へ進めない」と語りました。
小池氏の発言に対し、自民党の国光文乃衆院議員は「(PCR検査費用の値下げに向け)各国を調査して支援策を検討している」と述べましたが、司会の松原耕二キャスターは「ずっと『調査している』の繰り返しだ。政府が本気になればすぐにできる」と述べ、タレントのパックンは「携帯電話料金の値下げよりも先にすべきだ」とコメントしました。
番組は、感染爆発の欧州で、イタリアが医療崩壊にあると紹介。小池氏は、日本の集中治療室の数は医療崩壊が起きているイタリアと比べても半分にすぎないなかで、日本の医療従事者は献身的に奮闘していると指摘。政府が進める440の公立病院などの統廃合計画はただちに中止すべきだと批判し、「医療、介護などケアを手厚くしないといけない。日本の医療の在り方を根本的に見直すべきだ」と語りました。