「赤旗」2015年2月16日付
15日放送のNHK番組「日曜討論」で、司会者が集団的自衛権の憲法解釈に関する与党の説明について「これだけすれ違っている議論で国民は納得しません」と徹底的な国会審議を求める一幕がありました。
司会の島田敏男解説委員が問題にしたのは「昨年7月の『閣議決定』が集団的自衛権に関する憲法解釈の変更なのかどうか」です。島田氏が「石井(啓一)さん(公明党政務調査会長)は、変更ではないといったけれど、政府全体では手続きを踏んで憲法解釈を変えたという表現を使っている。ここがはっきりしないと前に進まないのでは」と問いました。
これに対し、自民党の稲田朋美・政調会長は「9条の解釈変更ではない。9条のもとでも自衛権は認められている。その一環としての集団的自衛権だ」と強弁しました。
日本共産党の小池晃副委員長が「(解釈が)変わったということだ」と一言述べたのに続いて、島田氏も「個別的自衛権の上に集団的自衛権を一部でも新たに加えたと認識しているか」と重ねてただしました。
これに対し稲田氏は「自国の存立が脅かされる場合は集団的自衛権が行使できる」と述べ、集団的自衛権は行使できないとした歴代政府の憲法解釈とは明らかに異なる解釈を示す一方で、「9条の解釈の核は変わらない」と再び強弁しました。島田氏は「この問題は『閣議決定』に戻って、もう一回国会でしっかり議論してください」と述べて、この議論を終えました。