赤旗2020年9月5日付
小池晃「特別月間」推進本部長
全国都道府県委員長会議で3日に小池晃書記局長・「特別月間」推進本部長が行った討論のまとめは次の通りです。
討論のまとめを行います。33人の同志が発言されました。この間の努力と豊かな経験に裏付けられた、教訓に満ちた発言が続きました。中央としても、大いに学びました。お互いに今後の活動に生かしていきたいと考えます。
総選挙で安倍政治に決着を――「特別月間」の取り組みに魂を入れよう
まず、政治情勢をどう見て、政治指導の柱をどこにおくのか。この問題について述べます。
志位委員長の発言で解明されたように、安倍首相の辞任はまさに「新しい激動的な時代」の始まりです。この辞任が安倍政治の行き詰まりであるとともに、この行き詰まった路線を続けるほかに選択肢をもたないという、「二重の行き詰まり」に陥っているのが、今の自民党です。多くの党員や支持者から、「安倍さん、やめてよかったね」と喜びの声も寄せられていますが、7年8カ月、この間のたたかいを通じて、安倍政治をここまで追い詰めた。たたかってきた。そういう実感があるからだと思います。
しかし、決着はついていません。まさにこの決着を、総選挙でつけようではないか。そして、総選挙で勝利するために「特別月間」を成功させようではないか。このことを、政治指導の柱にすえ、「特別月間」の取り組みに魂を入れる。この議論を全国で広げていく必要があります。
抜群の威力あるダイジェストDVDの活用を
もう一点、大局的な、根本的な政治のあり方をめぐって、コロナ禍のもとで国民の一過性ではない、深い大きな変化が、いまこの国で起こっている。そして、その大きな変化に正面からこたえているのが改定綱領であり、記念講演であり、ダイジェストDVDです。当面の政治の転換にとどまらず、未来社会も見据えた大きな転換、大局的な展望を示しています。これが国民の模索とかみあっています。
千葉県委員長が紹介されましたが、大企業に勤めていた方が、7月に「赤旗」日曜版を購読し、8月に日刊紙をとり、「いいことばかり書いてある。入党するにはテストがあるんですか」と聞いてきて、「テストはないけれども、党の方針を、綱領や規約をよく知ってください」ということで、「集い」でダイジェストDVDを見て、入党された。「自分が党員ではなかった今までの人生がもったいなかった」と語ったというのが、印象的でした。
埼玉県委員長が紹介された、18歳の誕生日を迎えたばかりの高校生は、DVDを見て、「一つの理念を通して98年というのはすごいし、重みがありますね。資本主義を乗り越えて未来社会をめざすというのは非常に印象的。コロナ後にどんな社会をつくるのか、展望を持っているのは共産党しかありませんね」と。「その未来社会にモデルはないんだ」と話をすると、「民青や共産党が主流になって、日本型のモデルをつくっていきたいですね。私もその一員になりたい」と入党を決意されたということでした。
まさに、日本中でこういう大きな変化が国民の中に起こっている。それに正面からこたえることができるのが、改定綱領と記念講演であり、威力を発揮しているのがDVDです。DVDの活用については率直にいって、まだこれからというのが現状だと思います。しかし、「DVDを見てもらいたい人」を出し合うと、いくらでも出てくる。DVDを見ようと働きかけることだったら誰にでもできる、足が出やすい、そういう話もありました。全国津々浦々で、抜群の威力を発揮しているダイジェストDVDを使って、4万人以上の方に働きかける大運動を広げていくことを心から訴えたいと思います。
党員拡大運動の“質”が変わった
今日の議論の特徴として、この間の努力を通じて「党員拡大運動」「党勢拡大運動」の質が変わり、第二決議を指針にして、「支部が主役」、そして「法則的な活動」が大きな流れとして定着しつつあることが明らかになったのではないでしょうか。
思い起こせば、6月20日の県委員長会議での私の報告では、「『党員拡大は大変だ』という重い気分を吹っ切って、足取り軽くやりましょう」「どの支部でも、どの党員でもできる。対象者をうんと広げましょう」。そんな報告をしましたが、そういう“重い気分”は、今日の議論では感じられませんでした。
むしろ、単なる成果の数追いではなく、何人に働きかけたのか、働きかけの中身はどうだったのか、そのこと自体を評価することが大きな流れになってきている。これをさらに前に進めるカギが全党運動です。支部をしっかり支え、支部を援助し、支部会議を開いていく。そのために支部に足を運び、ともに学び、ともに成長していくことが大事だということが、こもごも語られました。
たいへん印象に残ったのは、宮崎県委員長の発言です。「米の出来不出来は、田んぼにどれだけ足跡が付いているかで決まる。支部へ通じるあぜ道で訴えるようなことをせずに、支部という田んぼに入って一緒に悩み努力する」。味わい深い発言だったと思います。まさにこういう努力をしよう、「あぜ道ではなく田んぼに入ろう」ということをよびかけたい。
「特別月間」を提起した6月1日の常任幹部会の「訴え」では、この「特別月間」で「『どういう党をつくるのか』――党大会第二決議、とりわけ第4章に示された『党建設の改革・発展』の方向を指針に、その実践と一体に『党員拡大を中心とする党勢拡大特別月間』にとりくむことが大切です」とよびかけたわけですけれども、まさにそうした運動として発展していることがお互いに確認できると思います。この道をさらに進んでいこうではありませんか。
4万人以上に働きかける目標をやりきることはできる
すべての支部が働きかけに踏み出し、4万人以上に働きかけるという目標も、「特別月間」の目標総達成のためには、当然やるべき課題だと、前向きに受け止めていただきました。
この間の取り組みによって、目標達成に接近してきています。読者拡大でいえば、全国で日刊紙・日曜版とも大会水準を回復突破しているのは、14道県です。日刊紙のみは7県、日曜版のみは7府県です。合わせて28道府県が、日刊紙・日曜版、あるいはそのどちらかで達成しています。こうした県では3割増を目指して、この9月、大いに奮闘しようではありませんか。
党員については、今日も発言がそれぞれありましたが、それぞれの県の到達に引き寄せれば、莫大(ばくだい)な数の目標というわけではありません。もちろん容易な課題ではありませんが、大いに目標達成の展望・可能性はあります。すべての支部が立ち上がれば、必ずやりきることができる目標だと思います。
青年学生の中でも大きな変化が起こっていることが紹介されました。この間、中央として各運動・分野別に党建設の交流会を行ったことが、力を発揮しているという発言もありました。世代的継承の課題にも正面から取り組んで、必ずこの目標を達成することを訴えるものです。
コロナ感染から命と暮らしを守る運動をすすめるなかで党勢拡大を
それから、8月1日の「特別月間」推進本部の「訴え」では、「二つの力点」で奮闘しよう、コロナ感染拡大から国民の命を守る運動の発展と、「支部が主役」の大道を太くして「特別月間」の目標を総達成しようと提起いたしました。これも引き続き重要な課題であることを強調しておきたいと思います。
今日の発言の中でも、この取り組みがどこでもすすんでいることが紹介されました。印象的だったのは、香川県の取り組みです。香川県委員長が発言されましたが、県知事と懇談を重ね、そして実際に自治体も動かしている。行政と力を合わせて現実政治を動かすという体験の中で、住民の中での党の役割を実感し、自信にもなり、入党の働きかけの力にもなっているということでありました。
党がコロナの問題でPCR検査の抜本的拡充を訴え、この間政府にも緊急申し入れを行い、不十分ですけれども、感染流行地域において医療・介護施設などでの検査を広くやる、一歩ずつ動かす成果もあげてきています。これから秋、冬に向けて、インフルエンザの流行と同時に新型コロナの拡大も予想されます。深刻な事態が起こってくる可能性がありますので、さらにこの取り組みをすすめ、国民の命と暮らし、営業を守り抜くたたかいを進める中で、党建設に全力をあげることを訴えたいと思います。
解散・総選挙へ、大いに宣伝に打って出ながら、「特別月間」の目標総達成を
報告では、解散・総選挙がいつあってもおかしくない、早い時期にもありうることに備えたたたかいをよびかけました。いま、宣伝に打って出る時だと思います。福岡県委員長が、「宣伝に打って出れば、党員自身が自分の言葉で激動的な時代の始まりを語ることになり、支部と党員が元気になる」と発言されました。住民に党の政策を知らせ、党の風を吹かせるとともに、党員と支部を元気にすることができる宣伝に、大いに打って出ようではありませんか。候補者を決定することも、緊急の課題として、県委員長の責任で行うことも強く訴えるものです。
そして、この「特別月間」の目標を総達成することこそが、総選挙勝利の最大の準備であることを改めて確認したいと思います。党大会では、選挙勝利のために、日常不断に積極的支持者を増やそうと提起いたしました。入党のよびかけを行う、「しんぶん赤旗」を読んでいただく、そして「集い」への参加をよびかける。その一つ一つが、まさに選挙に向けた積極的支持者を増やしていく取り組みになります。そのことに全力をあげて取り組むことが今の最大の仕事であると考えます。入党のよびかけを広げるなかで、「しんぶん赤旗」読者を増やし、宣伝と対話・支持拡大など、「立体作戦」をすすめましょう。
決定的なカギは臨戦態勢です。機関役員、地方議員が、ただちに政治的構えをつくろうではありませんか。そして、全支部が踏み出すように緊急の手だてをとっていきましょう。この臨戦態勢を確立することの責任は、まさに私たち中央委員会と、今日集まった都道府県委員長のみなさんにあります。お互いに全力を尽くして、安倍政治に決着をつけるために、この「特別月間」を必ず成功させようではありませんか。このことを最後によびかけて討論のまとめといたします。ともに頑張りましょう。