赤旗2020年8月14日付
小池書記局長ら 保坂区長と懇談
日本共産党の小池晃書記局長は13日、東京都世田谷区の保坂展人区長と懇談しました。新型コロナウイルス感染抑止策として、保坂区長が示したPCR検査体制を強化し検査数を1桁拡大する「世田谷モデル」について提案の中身や国への要望を聞きました。宮本徹衆院議員、谷川智行・東京都委員会新型コロナ対策本部長(衆院東京比例予定候補)、里吉ゆみ都議、江口じゅん子区議が同席しました。
懇談で保坂区長は「世田谷モデル」の概要を紹介しました。感染拡大が続くなか、第1段階として、大量検査が可能な自動計測機器の導入などで、現在1日320人程度の検査数をまず2倍程度に増やすと説明。さらに第2段階として、感染が広がると深刻な影響がでる医療機関や高齢者介護・障害者施設、保育園などへの「社会的検査」を行い、検査数をさらに1桁拡大すると表明。現在、数人分の検体をまとめて検査する「プール方式」で、時間とコストを抑える実証実験を行っていることを紹介し、「社会的検査の導入で検査数が増えることで、これ以上保健所を疲弊させてはいけない。保健所とは別ルートで検査を行い、陽性者には保健所が支援する体制をつくっていく」と語りました。医師会の協力を得て、検査体制を拡充している取り組みについても説明しました。
小池氏は「保健所に対する負荷を強めず、効率的に検査数を増やし、区民の不安も解消していくというのは非常に大事な取り組みだ」と述べました。
保坂区長は、検査拡大で感染抑止に成功しているニューヨークなどの事例に学び、「偽陰性」など抑止論はやめ「国や都の基本的な方針も変えてほしい」と訴え。検査拡充は財政上のハードルがあると述べ「東京都にも国にも、コロナ対策のなかで必要な取り組みだと理解を求めたい」と要望しました。小池氏は「こういう取り組みにこそ財政支援が必要だ。世田谷モデルを最先端と位置づけ、国の政策も変えさせなければならない」と強調。唾液や咽頭液にウイルスがいれば、PCR検査でほぼ100%検出できるので、「偽陰性」の議論は、もはや問題にならないと指摘しました。
また、保坂区長は「ふるさと納税」制度で今年度は51億円もの減収見通しである一方、コロナ対応の地方創生臨時交付金は1次と2次をあわせても約28億円で、大部分を国や都の制度で補填(ほてん)しきれない病院への支援につぎ込んでいると述べました。小池氏は「コロナの感染拡大状況に応じた財政支援になっていない。感染が拡大している自治体への、抜本的な財政措置を国に求めていく」と応じました。