赤旗2020年7月14日付
日本共産党の小池晃書記局長は13日、国会内で記者会見し、政府・自民党が「敵基地攻撃能力」の名称の変更を検討していることについて、「たとえ名称を変えても、『専守防衛』を踏みにじる憲法違反の本質は変わらない」と強調。「『敵基地攻撃能力』の保有は、『攻撃的兵器を保有することは、自衛のための最小限度の範囲を超えることになるから、いかなる場合も許されない』としてきた憲法上の立場を完全に蹂躙(じゅうりん)することになる」と批判しました。
小池氏は、政府・自民党から「敵基地攻撃能力」では「先制攻撃」との誤解を与えるとして、「自衛反撃能力」などの言葉を使った方がいいとの議論が出ていることをあげ、「国際的にも『敵基地攻撃』は『preemptive strike(先制攻撃)』と表現されており、国内的に呼び方を変えても通用するものではない」と指摘。「かつて、『戦争』を『事変』と言い換えたり、『撤退』を『転進』と表現して、国際的に批判されたが、そんなことを繰り返すべきではないし、名称変更で本質は変わらない」と強調しました。
そのうえで、小池氏は、「『敵基地攻撃』の議論は、陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』が破綻した責任を明確にせず、それを覆い隠すために始められたものであり、こうした議論自体、認められるものではない」として、政府・自民党からは『打撃力』との名称を提案する議論もあることについても、「これまで日米同盟で日本が専守防衛の『盾』で、打撃力を担う米国が『矛』としてきた従来の建前上の役割分担からも一歩踏み出し、日本も『矛』の役割を担うべきとの主張であって、これは『敵基地攻撃』の名称変更にとどまらない危険な議論であると厳しく批判しなければいけない」と述べました。