「赤旗」2015年2月4日付
「このような悲劇が二度と起こらないようにきちんと検証するのが国会の役割だ」―。日本共産党の小池晃議員(副委員長)は3日の参院予算委員会で、過激組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件での政府の対応をただしました。また、「介護崩壊を招く」として介護報酬引き下げ方針の撤回を強く要求しました。
小池氏は過激組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件について、人質救出のさなかには、人命最優先の立場から政府の対応への批判は自制してきたとしながら「現時点ではこの間の政府の対応を冷静に検証していくことが必要だ」と強調し、これまでの政府の対応をただしました。この中で政府は、2人の日本人拘束を昨年の時点で把握しながら、1月の動画公開までは現地対策本部の人的体制の強化を図ってこなかったことを明らかにしました。
ヨルダンへの対策本部設置は、湯川遥菜(はるな)さんが拘束された動画が明らかになった昨年8月。岸田文雄外相は後藤健二氏の拘束についても、昨年12月3日に家族からの連絡を受け、「認知した」と述べました。
一方、岸田外相は、2人の殺害を警告する「イスラム国」の動画を確認した1月20日以降に対策本部を「最大三十数名体制」まで強化したとしながら、それ以前については「本省や在外公館からの応援はなかった」と答弁しました。
小池氏は「2人の日本人が拘束された段階で、どれだけ危機感をもって政府が対応してきたのか」と指摘。中東訪問中に安倍晋三首相が2億ドルの支援を表明したエジプトでの演説(1月17日、別掲)で、「非軍事の人道支援」であることをふれていなかったことをあげ、「こういう演説をやれば2人に危険が及ぶという認識はなかったのか」と繰り返しただしました。
安倍首相は「しっかりと中東でメッセージを出すことこそ日本の責任だ。テロリストに過度な気配りをする必要は全くない」などと2人の安全への言及を避け続け、「危険性を認識していたのではないか」との指摘を否定しませんでした。