赤旗2020年5月20日付
中野晃一さんと小池書記局長語り合う
日本共産党のインターネット番組「生放送!とことん共産党」は18日、中野晃一上智大教授をゲストに迎え、小池晃書記局長と「新型コロナが問う 日本の政治・社会のあり方」をテーマに語り合いました。
検察庁法に怒り
政府・与党は同日、国民的な批判の広がりを受け、検察私物化を狙う検察庁法改定案の今国会成立を断念しました。中野氏は、芸能関係者など著名人も声を上げるなど批判の急激な広がりを示し、「コロナの状況の中で、補償をしないとか不十分な経済的支援に表れている政権の体質が先鋭化して見えてきた。“なんのために税金払っているのか”“(政府は)結局なにもできないし、後手後手になっている”と感じ、揚げ句の果てに、“こんな私物化をやるのか”という怒りだろう」と語りました。
小池氏は「自粛や休業で、がまんにがまんを重ねてきたところで“堪忍袋の緒が切れた”ということですね」と述べました。
長期のたたかい
39県の緊急事態宣言解除など安倍政権のコロナ対応について小池氏は、新規感染者が減ってきたものの、「政権の対応ではなく、日本の医療従事者の大変な努力の結果だ」と強調。中野氏は「政権のおかげで感染防止ができていると思っている人はほとんどいない」と応じました。
小池氏は「長期にわたって新型コロナウイルスとのたたかいは続く。当面の命と暮らし、健康を守る。きちんと補償をさせていくと同時に、コロナ後の社会を構想することも必要だ」と主張。また、「新自由主義的な改革を突き進んだ国々で被害が大きくなっている。アメリカでは、黒人やヒスパニックなどマイノリティーに多くの死亡者が出ている。格差を拡大させた新自由主義の政策のゆがみが見えてきた」と指摘しました。
中野氏は、今後のコロナ対策について「対応できる体制ができているか疑問です。経済再生担当大臣がコロナ対策担当大臣になるという国は聞いたことがない。一方で、国立衛生研究所や保健所などの公共の公衆衛生にかかわる部分を弱めてきた。それが一つの背景で検査数が伸びない。出口が探れないという状態だ」と批判。小池氏は「新規感染者が減っているこの時期に、検査体制・医療体制を思い切って拡充して次に備えるべきだ」と主張しました。
共闘で危機打開
司会の朝岡晶子さんが日本維新の会についての視聴者の質問を紹介。中野氏は大阪府政・市政での維新の責任に言及し、「国政レベルで安倍政権の対応のひどさとの比較で、維新の吉村洋文大阪府知事がまともに見えるある種の錯覚に陥っている。実際には、社会の基盤や医療制度を“改革”と言って切り込んで、弱者を切り捨て、もしもの時の備えをなくしてきている」と批判しました。
小池氏は、強いリーダーシップを強調する強権的な政治をつくるのか、ポストコロナの新しい市民社会を構想し提起していくのかの分かれ目だとして、「市民と野党の共闘でこの危機を打開する大事な局面だ」と発言。中野氏は「まったく同感だ」と述べました。