赤旗2020年5月19日付
超党派「医師国会議員の会」が18日、厚生労働省に行った「医療提供体制の充実への提言」(要旨)は次の通り。
【取り組むべき重点項目】
●検査時防護具の確保
●PCR検査センターを各地に設置
●PCR検査の検出時間短縮や簡易化、また抗体検査の導入などを含め、必要数の検査が確保可能な体制の整備
●「帰国者接触者相談センター」及び「帰国者・接触者外来」を抜本的に改め、入院措置や隔離できる体制整備の検討と実行
●病床及び指定宿泊施設の確保
●治療薬及びワクチンの開発促進と検証
【医療崩壊を止めるための予算の確保】
補正予算での医療体制支援はPCR検査やベッド及び宿泊施設確保が主でわずか1500億円程度、マスク確保や治療薬開発支援を含めても8000億程度である。これは医療従事者の命をかけた賢明な努力に報えない金額である。
診療報酬増額だけでなく、地域医療を崩壊させない観点から、医療従事者の十分な確保とベッド及び医療機器、そして患者を受け入れる提供体制と共に医療提供場所の確保(テント・コンテナ・トレーラーハウスなど)の充実のための予算確保が急務である。
何より国民の安心と安全、生命をつなぐためには、新型コロナウイルス感染症対策のみならず、通常の医療提供体制の万全に努めなければならない。
今、まさに医療従事者にしか出来ない使命があり、その献身的努力により医療現場が持ちこたえてきたことを改めて認識すべきである。医療従事者の働く環境の保持改善は、マンパワーによってのみ回避できることがあり、人員確保や機器の充実などに十分な予算を充てることに努める必要がある。
国民の生命は決して財源論では語れないことを肝に銘じ、平時からの社会保障及び医療提供体制の確保に全力を傾けることが日本国民を守るために必要なことである。