赤旗2020年5月14日付
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、安全安心の出産ができるよう環境の整備を求める助産師有志が13日、妊婦にPCR検査を実施するための緊急要望書を加藤勝信厚生労働相あてに提出しました。日本共産党の小池晃書記局長、吉良よし子参院議員、立憲民主党の阿部知子衆院議員が同席しました。
要望書は、感染リスクが高い分娩(ぶんべん)は院内感染を引き起こしやすく、妊婦へのPCR検査、介助者の完璧な防護が不可欠と強調。京都市が出産間近の妊婦全員にPCR検査の実施を決め、費用を助成するとしていることにふれ、次の点を求めています。
▽妊娠後期の妊婦と、立ち会うパートナーにPCR検査、抗体検査を実施し、財源を公費で確保する▽検体採取は、簡便で安全な方法で実施できるよう検査体制整備を急ぐ▽陽性と診断された妊婦が入院を拒否されず、安心して出産できるよう指導を徹底する▽感染防護具を、助産・産後ケアを含む全施設に迅速かつ確実に届ける―の4項目です。
都内で助産院を開業する鈴木享子さんらは、発熱の症状がある感染疑いの妊婦の出産に対し、長時間の分娩で3密状態を避けるため、2時間以内に生まれないと帝王切開を行うようになっている例を指摘。「帝王切開は、母体にも、赤ちゃんにも大きな負担。検査することによって、陰性なのに帝王切開になってしまうケースを極力減らせるようにしてほしい」と、早急な対応を求めました。
吉良氏は「妊婦は出産に臨むだけでも不安を抱えています。せめてPCR検査は公費で受けられるようにすべきです」と訴えました。