赤旗2020年5月12日付
日本共産党の小池晃書記局長は11日、国会内で記者会見し、安倍政権が検察幹部の人事に恣意(しい)的に介入することを可能にする検察庁法改定案に抗議するツイッター上の投稿が500万件を超えたことについて「幅広い人々が声を上げている。日本の民主主義にとり画期的だ」と指摘し、野党国会対策委員長連絡会でも結束して同法案の採決阻止でたたかうことを確認したことに言及し、「今国会での強行突破を許さないという立場で臨んでいきたい」と表明しました。
小池氏は、同日の衆院予算委員会で日本共産党の宮本徹議員が、文化人や芸能人も含む多くの市民の抗議の声を示して受け止めをただしたのに対し、安倍晋三首相が「内閣の恣意的な人事が行われるとの懸念は当たらない」などの答弁を何の根拠もなく繰り返し、菅義偉官房長官も記者会見で「コメントは差し控えたい」と答えたことを示し、「党派を超えた幅広い圧倒的な国民の声にまともに応えようともしなかった。断じて許されないことだ」と強調。「圧倒的な国民の声を聞かず、総理の一存で自分の“お気に入り”の人物を据えることを可能とするもので、まさに“法の支配”を“人の支配”に変え、三権分立を脅かすものだ」と批判しました。
その上で、新型コロナウイルス危機のさなかに「国民には“自粛”や協力を求め、各党にもコロナ収束のための最大限の協力を求めているときに、民主主義の根本を破壊する法案を強行しようとすることに、“いまやることではない”という怒りが一気に爆発したのではないか」と指摘しました。
記者団から、政府が一般の国家公務員の定年年齢引き上げなどと今回の検察庁法改定を一くくりにする「束ね法案」として提出したことの是非を問われた小池氏は「何でもかんでも一まとめにして、国会審議を形骸化させるのは安倍政権の常とう手段だ」と指摘。検察官は、首相をも告発・逮捕するような権限を持っているからこそ、政治からの独立性を保障するために一般の国家公務員とは別の退官制を維持してきたと述べ、その検察幹部の人事に介入するため、他の国家公務員の役職定年制と一緒くたにしたという点で「非常に悪質な禁じ手だ」と批判しました。
その上で、検察庁法の問題の改定部分は「国家公務員法からは切り離して撤回するよう求めていきたい」と表明しました。