赤旗2020年5月4日付
日本共産党の小池晃書記局長は3日、NHK「日曜討論」に出席し、新型コロナ感染拡大問題などで各党幹事長(代行)と議論しました。この中で小池氏は、感染拡大に乗じた改憲論議の動きを厳しく批判し、「コロナ危機の今こそ、憲法を生かした政治を実現することが政治の責任だ」と語りました。 (関連記事) (詳報)
番組では、新型コロナ感染拡大が続くなかでの憲法のあり方が問われ、自民党の稲田朋美幹事長代行は、改定新型インフルエンザ特措法を再改定してさらに私権を制限するならば今の公共の福祉の中で何ができるかなど「憲法を軸とした議論を憲法審査会ですべきだ」と述べました。
これに対し、小池氏は、NHKの世論調査で改憲論議をいま進めるべきかに「憲法以外の問題に優先して取り組むべきだ」が78%という数字を紹介し、「国民は改憲を望んでいない」と指摘。「コロナ対応がうまくいっていないのは憲法のせいではない。安倍政権の政治姿勢と能力の問題だ」と述べ、「(コロナ対応で)国民には一致結束を呼びかけながら、国民多数が反対している改憲をこの時期に持ち出すのは最悪だ」と批判しました。
また、特措法による緊急事態宣言が公共の福祉のための例外的な私権制限なのに対し、自民党改憲案が憲法に創設しようとする「緊急事態条項」は、内閣に権力を集中して国会の機能と国民の基本的人権を停止するもので「まさに戒厳令、独裁政治だ。全く違う」と強調しました。
そのうえで、「今やるべきことは、憲法25条の生存権を守るために、新型コロナウイルスの検査や治療を受ける権利を守ること、29条の財産権を守るために休業補償を実現すること、13条の幸福追求権、個人の尊重を実現することだ」と語りました。
立憲民主党の福山哲郎幹事長、国民民主党の平野博文幹事長も、コロナに乗じた改憲論議を批判しました。