日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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学業・医療・営業と暮らし 継続できる抜本補償すぐに 危機克服へ党派超え知恵を

2020年05月01日

赤旗2020年5月1日付

参院予算委 小池書記局長が主張

 

 日本共産党の小池晃書記局長は30日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症の危機の中で打撃を受けている学生、病院、中小自営業者やフリーランスの実態を示し、学業や経営、暮らしを継続できる補償へと抜本的に切り替えるよう迫りました。安倍晋三首相は、従来の対応策を繰り返すばかり。小池氏は「目の前の危機を乗り越えるために党派を超えて知恵を出すべきだ」と述べ、緊急対応を重ねて求めました。(関連)

 


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(写真)質問する小池晃書記局長=30日、参院予算委

 コロナ危機の中で、退学を検討している学生が5人に1人、2割に上るとの「高等教育無償化プロジェクトFREE」の調査結果が発表されています。

 

 小池氏は、授業料減額などを求める学生の声に大学も応えようと努力している一方で、補正予算案ではコロナの影響で家計が急変した学生への授業料減免はわずか7億円しかないと指摘。文科省は対象が全国で2300人と認めました。小池氏は、「学生1600人あたり1人しか減免されない。日本の未来を担う学生に勉学をあきらめさせるようでは、いったい何のために政治はあるのか」とただしました。

 

 萩生田光一文科相は「今回の補正予算案が必ずしも十分だとは考えていない」と答弁。小池氏は「不十分だと認めるなら、ただちに財政措置をとるべきだ」と指摘しました。

 

 コロナ感染拡大防止に全力をあげている病院にも、大きな負担がのしかかっています。小池氏は、政府が今の10倍、20倍の感染入院患者の増加を想定しながら、わずか1490億円の緊急包括支援交付金で対応しようとしているとして、「日本の医療機関がコロナの治療に安心して取り組めると思うか」と批判。全日本病院協会など四病院団体協議会と日本医師会が、医療機関が経営破たんしないよう、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認めるよう求める要望書を提出していることをあげ、「日本の医療機関を守るため、最低限の要望をしっかり受け止めるべきだ」と主張しました。

 

 これに対し、加藤勝信厚労相は「難しいと思う」などと答弁。安倍首相も「災害時の対応とは違う」などと難色を示したため、小池氏は「災害時以上の困難が生まれている。病院の倒産を防ぐための党派を超えた医療関係者が上げた声に耳を貸すべきだ」と重ねて検討を求めました。

 

 さらに、小池氏は、中小事業者やフリーランスへの持続化給付金の支給条件に、政府が「売り上げ半減」との“線引き”をしている点について「売り上げが3割減、4割減でも深刻だ。困っている人の中に、国が『線引き』して、分断を持ち込むことは絶対にやってはならない」と批判。一方で、補正予算案では、大企業に返済不要の資金援助を行うファンドの創設を盛り込んでいるとして、「優先順位がめちゃくちゃだ。こんなやり方が理解されると思うか」とただしました。

 

 梶山弘志経産相は、持続化給付金に5割の線引きをした根拠についてまともに答えられず、安倍首相は「予算規模との見合いだ」「どこかで線を引かなければいけない」などと答弁。小池氏は「内部留保がある大企業支援ではなく、苦境にあえぐ学生、医療、中小企業、フリーランス、文化芸術の支援に使うのが政治の責任だ」と強調しました。

速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 新型コロナ感染で亡くなられた方にお悔やみを申し上げます。闘病中の方にはお見舞いを申し上げます。
 医師、看護師を始めとして、命、暮らしを守るために日夜奮闘している皆さんを全力で支えるのが政治の責任だと、そういう立場で質問します。
 高等教育無償化プロジェクト、FREEの皆さんが、コロナ危機の中で退学を検討している学生が五人に一人に上るという調査結果を発表いたしました。そして今、全国百七十一大学で授業料の返還や減額などを求めるオンライン署名が自然発生的に湧き起こり、広がっています。資料20200430①
 総理に、総理には、コロナ禍の下で学業を諦める若者が広がりかねない、瀬戸際にあるという認識はありますか。緊急の対策が必要ではないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この四月に入学をされて、しかし、実際に授業が行われない中において、そうした授業料の負担が出てくる、当然それは減免してもらいたい、また、先に延ばしてもらいたいというお気持ちも、気持ちもあるでしょうし、また、アルバイトで学費を稼ぎながら対応していきたいと、こう思っていた学生の皆さんがそうしたアルバイトの場がなくなっている、それを言わば生活費にも充てていた方もたくさんいると、こう思います。
 そういう学生の皆さんに対しまして、我々はしっかりと学びの場、そして生活費も含めて、必要な方々に対しましてしっかりと支援していきたいと考えています。
○小池晃君 今、大学教員の皆さんは、オンライン授業の準備に追われています。通常の授業ができないからといって支出が大幅に減るわけではありません。むしろ、サーバーの増強など新たな支出が発生している。そういう中でも、大学側は学生の要求に応えて、学生への経済的支援を強めようと努力しています。資料20200430②
 例えば、立命館大学は二十五億円掛け、一人三万円支給。パネルにないですが、東洋大学十億、中央大学は十三億、立教大学十億。こうした大学の努力に応えて、自粛を要請した政府が、協力している学生やあるいは大学への支援を抜本的に強化すべきだと思います。
 ちょっとお聞きしますが、補正予算七億円の授業料減免、これで減免可能な学生数は何人でしょうか。
○政府参考人(伯井美徳君) お答え申し上げます。
 授業料減免については、高等教育の修学支援新制度におきまして、家計が急変した状況を加味した所得見込みでの支援の判定を行うほか、今御指摘いただきました、今般の補正予算案におきまして各大学が独自に行う授業料減免等を支援する額を計上しています。この予算計上に当たりましては、平成二十年九月のリーマン・ショックの際の実績額を踏まえ、かつ高等教育の修学支援新制度との関係も整理した上で必要額を七億円と算出しており、予算編成上、対象学生数は何人と算定、予定して算出したものではございません。
 また、各大学が実施する授業料減免の基準や額は大学ごとに異なっておりまして、実際に支援される人数はそれぞれの大学の取組によって変わってまいりますので、確たる数字を申し上げることは困難ではございますが、その上で、仮に予算額の規模から単純に計算すると、国立大学につきましては、全て全額免除を行うと仮定すると約七百人の免除が可能と。私立大学等については、各大学における授業料減免の実績に基づく平均額から算出すると約千六百人の金額と試算されますが、実際に支援される人数は必ずしもこの額と、この数と合致するわけではございません。
○小池晃君 国立、私立合わせて二千三百人。大学、短大、専門学校、三百六十九万人です。千六百人に一人分の授業料減免にしかならないと、それが七億円なんですね。
 大臣、高等教育無償化の予算、当初幾ら掛かると試算していましたか。そして、今年度、実際にはどれだけ予算措置しましたか。
○国務大臣(萩生田光一君) 昨年の通常国会の法案の御審議のときには、七千六百億円を最大として想定をしてお話をさせていただきました。令和二年度当初予算においては、新入生のみが進学率が上昇すると仮定し、新制度の対象外となった学校を考慮した上で、国、地方を合わせて五千三百億円を措置しております。
○小池晃君 要するに、当初は、高等教育無償化七千六百億円だと、そして消費税一〇%増税だと言っていた。ところが、予算措置したのは五千三百億。
 これ、結局、差額、これ二千億円以上ありますね、二千三百億ぐらいになりますね。そうなると、これは全ての大学、大学院生あるいは短大生、専門学校生一人当たりにすると、六万円を超える額になるわけですよ。もちろん、それやればいいと私は思いません。それでよしとはしませんが、私はもっと学生を支援する余地はあるんではないかと思いますよ。
 総理、あしなが育英会は、高校生も含む全奨学生約六千五百人に緊急支援金十五万円を給付する。総額約十億円です。あしなが育英会が十億円、政府が七億円、これでいいんですか。
 カナダは毎月一千二百五十カナダ・ドル、一回こっきりじゃないです、これ、毎月です。五月から八月の取りあえず四か月間、毎月約十万円の学生給付金を支給するという。トルドー首相は、経済と国の未来は我々が今日学生に提供する機会と支援に懸かっていると、そう述べました。先ほどの学生団体、FREEは、政府に学費の一律半減を求めております。
 総理ね、日本の未来を担う若者たちに勉学を諦めさせるようなことでは、一体何のための政治かということになりませんか。そんなことが絶対に起こらぬように、私は直ちに、緊急に、抜本的な学生支援策を取るべきだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど大臣からも答弁させていただきましたが、高等教育無償化予算は今年度五千二百七十四億円でございますが、全学生数の約三百五十万人のうち五十一万人分、一五%でございますが、今後、学年進行で七十五万人分まで増加の義務、見込みであります。
 そしてまた、生活に窮した学生への経済的支援については、本年四月から開始をした高等教育の無償化の枠組みにおいて、入学金や授業料のみならず、家賃支出も加味した学生生活の費用をカバーするために十分な給付型、給付型奨学金の支給を行うこととしておりまして、その際、今般の感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合には、それを加味した所得見込みで支援の判定を行うこととしております。また、授業料の納付が困難な学生には、それらの納付猶予や減免等を行うよう大学に対して要請を行うとともに、そうした場合には助成措置を国として講じることとしております。
 そしてまた、雇用調整助成金については学生アルバイトを含む非正規雇用もその対象としておりますが、さらには今般創設をしました緊急小口資金等の特例では、アルバイト収入の減少により返済が困難になった方、学生さんには、それを免除するこの仕組みを利用することも可能でありまして、こうした形で我々支援をしていきたいと、こう思っております。
○小池晃君 無償化無償化と言うけど、低所得者だけなんです、対象はね、そもそも。しかも、七億円でいいんですか、じゃ。七億円のままでいいんですか。このままで学生救われるとおっしゃるんですか。
○国務大臣(萩生田光一君) 今般の新型コロナウイルス感染症により家計が急変した世帯の学生等の支援については、貸与型の奨学金のみならず、本年四月から開始した高等教育の修学支援新制度においても実施することとしており、令和二年度当初予算で必要な額を措置しております。
 これ、四月になりましたけれど、当初は新入生対応と言っていましたけど、今は在学生の皆さんで状況が変わった人にも是非使ってくださいということを学校を通じて生徒の皆さんにはお伝えをしています。また、今般の補正予算案において、家計急変を理由に各大学が独自に行う授業料減免等を支援していくことを考えております。
 新型コロナウイルスの感染症の影響が長期化することも見据えれば、今回の補正予算案が必ずしも十分だとは考えておりません。文科省としては、今後の状況等も踏まえ、不安な状況に置かれている学生の負担軽減にしっかり努めてまいりたいと思いますし、先ほど来答弁しておりますように、今日四月三十日に入学金の半分、学費を前期納めるようにと言われている学生さんたちが非常に困惑しています。
 ほとんどの国立大学、私立大学については既に延納ができるようにしてあるんですけど、そのことを知らないでもしかしたらギブアップしてしまう学生さんがいらっしゃってはならないということで、改めて各学校に通知をさせていただいて、この時期に退学の意思表示があった場合にはどうしたのかきちんと聞いていただいて、そして、それが経済的な理由だとすれば今申し上げた様々なメニューで支援をしていく、間違ってもこちらから除籍をするなんということのないようなことはしっかり申し上げてきたつもりでおります。
○小池晃君 大臣は、補正予算は不十分だと認められました。だったらば、成立後に直ちに財政措置をとっていただきたいが、いかがですか。
○国務大臣(萩生田光一君) 長期化を前提にせず、まずは新制度の中でやれることを先ほど申し上げたように制度設計しましたので、小池先生のエール、大変うれしく思います。十分だと思っていません。予備費なども含めて対応は今後しっかり考えていきたいと思います。
○小池晃君 いや、それじゃ駄目でしょう。すぐにやると、補正予算成立したらすぐやると言ってください。
○国務大臣(萩生田光一君) 既存のメニューで本当に救えない学生さんがいらっしゃるのかどうか、その辺はしっかり見極めていきたいと思います。
 確かに声は聞いています。声は聞いていますけれども、私も御説明しているように、学生さんの方がその制度を知らないで非常に不安になっている実態もありますので、そこはしっかり見極めた上で対応してまいりたいと思います。
○小池晃君 不十分だと認めたんだから、やっぱり不十分な予算出したんだったら、それを補うのは政治の責任でしょう。直ちに措置するように求めたい。
 医療の問題聞きます。
 コロナウイルス感染拡大防止に医療従事者、全力を挙げていますが、医療機関の支援もPCR検査の強化も千四百九十億円のコロナ緊急包括支援交付金で賄うと。大臣は、千四百九十億円の根拠は今後の感染者数の増加を踏まえたと。じゃ、積算根拠の感染者数は一体何人ですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 患者数の想定においては、基本生産者数を一・七と置いて、入院患者数総計約二十三万人、ピーク時で約七千四百人日、入院患者数、これは重症以外でありますけれども、総計二百五万人、ピーク時約二十一万人、こういった推計をベースとしながら、それぞれの項目に必要な予算を、に必要な数字の前提を置いて算出をさせていただいたということであります。
○小池晃君 今、重症患者の入院は三百六人ですよ。確認中を含めても千人いませんよ。それが七千四百人だと。今一万人の重症以外の入院が二十一万人に想定した結果だと言うんです。
 大臣、今の十倍も二十倍も患者が増えて千四百九十億円で対応できるというんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、そういった事態を想定しながら、例えば入院患者の受入れ機関の空床確保については五万床を行っていく、あるいは接触者外来の設備、設備整備については千か所分を増加をしていく、軽症者の療養体制については約、外来患者数の三割ということで五十五万人分を想定していく等々、仮定を置きながら算出をさせていただいたということであります。
○小池晃君 だから、今の十倍も二十倍も重症患者あるいは重症以外の入院が増えると。それが積算根拠で千四百九十億円組んだということは、千四百九十億円のコロナ交付金で、それだけの十倍、二十倍の医療需要に対応できるというんですね。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今御説明しましたように、それも想定しながら、そこから出てくるそれぞれの施策のニーズに対処をする数字をはじき出して、そこから積算をしてつくり上げた、こういうことであります。
○小池晃君 驚くべき話だと思いますよ。千四百九十億円でそんな多くの入院患者に対応しろと。
 東京杉並区は、コロナ受入れ病院は月二億円の損失だというんですよ。これ、全国当てはめたら、月二千四百億円、半年で一兆四千億円ですよ。桁違いに足りない。しかも、この交付金は病院だけではない、診療所もPCRの強化もやると。
 総理、千四百九十億円の緊急包括支援交付金で、日本の医療機関がコロナの治療に安心して取り組めると思いますか。
○国務大臣(加藤勝信君) いやいや、それ以外に、例えば診療報酬についても、そうした新型コロナの重症化あるいは中等症のところについても診療報酬を二倍以上にさせていただいた。また、危険手当的な要素も含めて、そこに従事する方々に対する対応ということで、それも加算をさせていただきました。
 加えて、先ほどの委員おっしゃった損失補填と、そういう考え方は取っておりませんけれども、そうした中で必要な予算は計上させていただいているということであります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今大臣から答弁をさせていただきましたが、これは現時点において交付金については当面必要な規模を確保しているものと考えておりますが、これは現時点において当面必要な規模を確保していると考えておりますが、仮に更なる対応が必要となれば、新型コロナウイルス感染症対策予備費の活用など必要な措置を速やかに講じることにしたいと、こう考えております。
○小池晃君 いや、だから、現時点じゃないと大臣言っているんですよ。あのね、現時点だって私は対応できないと思います、千四百九十億円では。しかし、今よりも十倍も二十倍も患者が増えても千四百九十億円、積算根拠そうだと言っているから聞いているんですよ。
 総理、現時点じゃないんです。これから十倍になっても千四百九十億円だと言っているんです。それでいいんですかと私言っているんですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、今、この補正予算を組んだこの現時点において当面必要なということで申し上げているわけでございまして、更なる対応が必要となれば、今申し上げましたように、新型コロナウイルス感染症対策予備費の活用など必要な措置を速やかに講じていきたいと思っておりますし、さらに、常に感染リスクに向き合う医療従事者の処遇改善に資するために、重症者治療への診療報酬を倍増しているところでございます。
○小池晃君 説明になっていないと思いますよ。だって、厚労省は今より十倍増えても対応できると言っているんですよ。とんでもない話じゃないですか。
 全日本病院協会など四病院団体協議会が二十七日、大臣に要望書を提出しています。資料20200430③今日は、日本医師会とも連名で与党に同趣旨の申入れをやったそうです。四月以降、入院患者、外来患者が大幅に減少している、六月以降、資金ショートするかもしれない、だから、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認めるようにという提案です。もちろん、これで私、全て解決するとは思いません。しかし、通常の請求と概算請求が選択できるようになれば、コロナで大幅減収になった医療機関には前年の報酬額がタイムラグなしで入って、一息つけるわけです。これは、阪神大震災でも、昨年の台風十九号でも、もちろん東日本大震災でもやりました。
 私は、大臣、緊急対応としてこの四病協と日本医師会の提案に応えるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 災害のときは、そうした地震あるいは台風の浸水で、診療録あるいはレセプトコンピューターが滅失をしてしまって本来の金額が請求できない、そういう中でやむを得ず、したがって請求事務が困難であることから、いわゆる概算、直近三か月、これは直近三か月でしたけど、診療実績の平均額など過去の実績に基づいて概算請求を認めているわけでありまして、今回の場合は別にそうした請求自体の仕組みが壊れているわけではありません。実際にそこで診療されている実績は分かっているわけですから、それは診療に応じて保険払われるというのが、これが保険システムなんですね。ですから、そこに今おっしゃったものを導入するというのは、これはそもそも難しいというふうに思います。
 ただ、委員御指摘のように、これから相当な診療報酬の減が、特に四月、三月の請求は五月でした、四月の分が、六月、五月の中旬ぐらいに、五月の十日に請求なんで我々に分かるのはもう少し後なんですけれども、やはりそうした数字を見ながら、やはり医療機関を守っていくと、これは当然必要なことなんだろうというふうには思います。
○小池晃君 総理、私、こういう答弁返ってくると思いませんでした。日本医師会まで要求しているんですよ。これ、五月十日締切りなんですよ。そうすれば六月の下旬に安心できるんですよ。資金ショートしないで済むんですよ。今まで以上に金を出せと言っているんじゃない、今までの実績で、概算でやる、これ極めて合理的なやり方じゃないかと。日本の医療機関を守るために、五月の結果見てからだったら、六月に資金ショートして日本の医療が壊れますよ。
 総理、四病協、日本医師会の要望、これしっかり受け止めるべきじゃありませんか。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、これは保険医療でございますから、どのような考え方で臨んでいくかという基本的な考え方について加藤大臣から答弁をさせていただいたところでございまして、言わば災害でレセプト等のこの消失がある中での対応と今度は確かに違うということは御説明をさせていただきました。
 ただですね、ただ、今こういう危機的な状況で、最前線でまさに医療従事者の皆さんに頑張っていただかなければ、まさに医療従事者の皆様が頼りであるのは事実であります。その皆様が、この対応をしたことによって今後の経営が困難になることはあってはならないと、これはもうそう考えて、本当にそう考えているところでございまして、その中で、資金について、これは無利子無担保を内容とする経営資金融資等の支援を行っていますが、その上において更に困難が生じたということに対しましては、これは様々な手当てを講じていきたいと、こう考えております。
○小池晃君 更なる困難生まれているんですよ、災害のとき以上の困難生まれているんですよ。かつてやったことなんですよ。総理が今ここで決断すれば、日本の医療従事者は安心できますよ。六月資金ショート、これで免れたと、そういうメッセージ出してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただ、今これを、かつてのその震災のときとは、これは言わば事情が大きく違うということでありまして、まさにこれ、これは医療保険の上において成り立っているものでございますから、その基本的な考え方を直ちに変えることはできないのでありますが、ただ、手元の資金がなくてこの医療機関が倒れるということはあってはならないと思います。
 ですから、そのために、先ほど申し上げましたように、無利子無担保を内容とする経営資金をまずは融資をさせていただいて、支援をさせていただきたい。そうすれば手元資金ができるわけでございますから、こういうものも活用していただきながら、しかし将来、この病院、それぞれの協力をしていただいている病院の経営について、それはやはり経営が成り立っていくように我々も支援をしていきたいと、このように考えております。
○小池晃君 融資をしなさいとか受けなさいなんて言ったら逆なでしますよ。百万、二百万の持続化給付金でやれ、そんなことで済む話じゃないんですよ。毎月億単位で損失が生まれて、医療機関が成り立つかどうか。これで医療機関ばたばた潰れたらどうするんですか。これ、感染対策をやれないじゃないですか。
 だったらば、こういう非常時の対応ですよ。そういったこともやるべきじゃないかということを党派を超えた医療関係者が声を上げているのに、あなたは耳を貸さないんですか。検討する、そのくらいも言えないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど小池委員が言われた御提案に対しては、これは、今度のこの新型コロナウイルス感染症への対応等に適用できるということは、これは難しいということは加藤大臣から答弁をさせていただいたとおりでございますが、手元資金の困難さについては我々は十分に理解をしておりますし、医師会からの御要望もいただいておりますし、私も承知をしています。
 その上において、まずはしっかりと資金の供給をさせていただきまして、その先においては、この困難な状況が続く中において皆様の経営が成り立たないということは絶対ないようにしていきたいと、こう考えております。
○小池晃君 こんなことでは日本の医療は守れませんよ。コロナの闘い最前線に立っている医療機関、医療従事者にそんなことがよく言えるなと。私は、せめてこれは検討するんだと。五月十日が締めですから、検討して直ちに答えていただきたい。
 PCR検査の問題について聞きます。
 私は、三月三日の当委員会で、進んでいないのは帰国者・接触者相談センターがネックなんではないかと言いましたが、二か月たって、保健所を介さずPCR検査に特化した地域外来・検査センターを認めました。しかし、東京都医師会などのイニシアチブで一部の自治体で始まっていますが、先ほど大臣も地域によってはと言ったように、これは全国ではいまだ以前からの枠組みのままで、医師が求めてもすぐに検査が受けられない状況が続いています。
 総理は可能なPCR検査件数を、今一万五千ですが、これ二万件にすると言うけど、今でも、一万五千件可能なのに実施件数は七千件程度です。資料20200430④問題は検査能力ではありません。実際に検査ができていないことです。その原因は何なのか。
 大臣は森ゆうこ議員に反省すると言いました。何を反省するんですか。で、どうやって、いつまでに一日二万件の検査を実現するんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、私は、反省をするというのは、通知を出せば事が動くわけではないんだ、そういう意味で反省をするということでありまして、大事なことは、現場、要するに、今議員の指摘でいえば保健所であり医療機関であり、そうした皆さん、地域の皆さん方が一体としてこの新型コロナウイルスに対する医療体制をつくっていく。そして、その中でPCR検査も位置付けられていくわけでありますから、まさに今、東京都で医師会を中心にそうしたPCRセンターを立ち上げていきましょうと。
 そして、その裏には、受け入れる、例えば新宿区について言えば、新宿区にある大手の病院あるいは中核病院も一緒になって自分たちが重症者を受け入れましょう、あるいは中等者を受け入れましょう、さらには軽症者についてのホテル型、宿泊型の療養もつくっていきましょう、こういうものが全体としてできて初めてPCR検査というものが、必要なものが行われていく。そして、PCRの手が足りなければ、歯科医師の皆さんの協力も今得るべくお願いをさせていただいているところであります。
 トータルとしてやっていかなければ、今おっしゃった、どこかだけで何かすればPCR検査が上がる、上がるわけではありませんし、大事なことは、医師が必要と判断した検査がしっかりと行われていく、そしてその医師に、今委員がお話があったように、医師にしっかりと患者さんがつながっていく、こういう仕組みをつくっていくということでありますので、これは今東京でそうした取組をしていただいた、それはほかの地域でも、言わばいい事例の横展開ということで、我々もいろんなこうした事例がありますからということの紹介もさせていただき、また、それを推進するため今回の交付金等で財政的な支援もさせていただいている、こういうことであります。
○小池晃君 どうやって、いつまでに二万件検査を実施するんですかと聞いているんです。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、私が申し上げているのは、医師が必要とする判断が、医師が必要と、必要とした検査が行われるということでありますので、別に二万件の能力があるから二万件やるということを申し上げているわけではありません。
 そして、今あるのは一・五万人、今の、今ある能力が一・五万件ですから、その能力を二万件に上げるための予算、したがってPCR機器の購入費等々を支援する。これは今回の中に入れておりますので、それを使って地衛研、地方の衛生研究所、民間の検査所等々が入れていただくことによって、今一万五千に上がってきた能力を二万を超える能力にすると。これはもちろん、能力としての向上を図っていく。そして一方で、検査、実態は、能力のある数を検査するのではなくて、医師が必要とする検査がしっかり実施できる状況をつくっていくということであります。
○小池晃君 二万件検査をやるわけではないと言ったことは重大だと思いますよ。
 先ほど大臣は、本当に必要な場合は検査するというふうに答弁したんですよ。私は、それがいけないんだと思いますよ。本当に必要な場合などと言うから、熱が続いて呼吸状態が悪化するまで検査受けられない、軽症だからと自宅で過ごしていたら急激に呼吸状態が悪化して、ようやく検査を受け、陽性と判定されたときには集中治療室で人工呼吸器につながれている、そういう事態が続いているわけですよ。
 総理、本当に必要な場合などと言って重症になるまで検査しなかった今までのやり方を転換するとはっきり言うべきではありませんか。少しでも症状があって医師が必要だと判断したらすぐさま検査するんだと、それを原則にするんだということをこの場ではっきり言ってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が申し上げているのは、医師が必要と判断すればPCR検査を受けられるようにしていくということでございますし、これが政府の基本的な考え方であります。
○小池晃君 そうなってないでしょう。なってないんですよ。
 担当大臣が、本当に必要な場合なんて言うんですよ。それが、実態としては現場で、本当に必要だ、肺炎直前まで検査しないなんということが行われちゃうわけですよ。それではいけないじゃないですか。
 だから、総理、今までのやり方を転換しますとはっきり言ってください。総理です、総理の発言。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厚労大臣がこの本当に必要という答弁をした意味は、厚労大臣自体もずっと医師が必要と判断した場合ということでありますから、それを指すわけでありまして、それについては……(発言する者あり)えっ、いや、方針は、方針は、これは当初からですね、当初から医師が必要と判断すれば、私はそのようにずっと答弁をしているわけでございまして、医師が必要と判断する場合にはPCR検査を受けられるようにしていく、そのための能力を今までずっと引き上げてきたところでございまして、現在一万五千まで来たわけであります。
 ただ、その中で、実際に七千、八千のこの、一日ですね、という、このPCR検査の実行件数ということになっているわけでございますが、それが、医師が必要と判断してももしかしたら行われていないかもしれないと、いろんな御指摘もあります。それを解消していく上において、地方と協力をしながら努力をしているということであります。
○小池晃君 転換したって言わないから、はっきり言うべきなんですよ。転換しているんですよ、はっきり言って。だって、三月にここでやったときに何と言いました、もう保険適用したから大丈夫だと言った。全然進まなかったじゃないですか。結局、公的検査の枠組みがずっと今まで続いているんですよ。
 しかも、お金掛けていないんですね。今の予算では、この地域外来・検査センター立ち上げようと言っています。しかし、開業医が診療を休んで検体採取に当たっても、学校健診の報酬ぐらいしか出ていないんですよ。危険を伴うことなのに、休診に伴う損失補填も必要なのに、ほとんど手弁当なんです。しかも、二分の一地方負担なんです。これでは広がらないでしょう。
 総理、補正予算成立後に、この検査体制の拡充のために直ちに財政措置緊急にとるべきじゃありませんか。総理。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、今、それはそれぞれの地域でどういう価格で今医師の受入れをされているかというのはちょっと私も承知をしておりませんけれども、基本的に今回の、いや、包括交付金の中においては、そうした医師の派遣を受ける、そういった費用も入っておりますし、それから、元々、そのPCR検査そのものは、保険、先ほど、今委員お話のあった保険適用でありますから、保険適用の収入もありますし、そして、それに足らないものについては、今言った、そもそもの運営費に関しては運営費の補助事業もあります。そういったことを通じて、PCR検査、例えばPCRセンターをつくって実施をする、そういったこともしっかりと応援をしていく。これははっきりさせていただいているところであります。
○小池晃君 現場での実態知らないと言ったじゃないですか、今。こんなことで進むわけがないでしょう。
 総理、今のままじゃ進めませんよ、広がりませんよ。これ、抜本的に改めるべきだと、財政支援しっかりするべきだ。どうですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、先ほど大臣が答弁をいたしましたように、千四百九十億円の包括支援交付金について、我々この支援をしております。これ、地方負担があるではないかという御指摘でございますが、これは地方創生臨時交付金でももちろん対応も可能であろうと、このように考えております。
○小池晃君 裏負担ないですよ、これ。地方負担ですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、ですから、地方創生、地方創生臨時交付金で、これ一兆円の交付金を出しているわけでありますが、これで負担をすることも十分に可能であると、こういうことでございます。
○小池晃君 何でもかんでも地方創生臨時交付金で、もう本当に打ち出の小づちみたいにね。それだけ言うんだったら、一兆円じゃなくて野党が要求しているように五兆円にしてくださいよ。対応できませんよ、こんな、今のこんな水準では。
 地域医療構想に基づく病床再編について、先ほども議論ありましたが、聞きます。
 三月二十七日の当委員会で大臣は、この病床再編計画について、元々その前提になっているそれぞれの実績、近接等の分析に当たっては、感染症は入っていないと述べられました。これ、国のガイドラインに基づいて二〇二五年の必要病床数をはじき出したときには想定しなかった事態が今進行しているわけですね。
 コロナ危機の終息後に従前の計画そのまま推進していいんでしょうか。私はこれは見直すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) まずは、地域医療構想というのはそれぞれの地域でお作りをいただいております。そして、その実現に向けてそれぞれ関係者が努力をしていただいている。そのための必要な資料として、公立・公的病院について、そもそもその機能があるということで、その機能にのっとった分析をさせていただきました。出し方についていろいろ御批判をいただいて、これは真摯に受け止めなければならないと思います。
 そのときの項目の中に、今委員お話しになった感染症というのは、これそもそも全ての公立・公的機関の機能ではありませんから、それは当然入っておりませんので、それは、それぞれの地域において感染症を担う病院もあります。それ以外の今回の分析に入っていない機能を担っている病院もあります。そういったことを踏まえて、まずは地域で御議論をいただく、それから、今回こうした感染症という事態もありましたから、それも踏まえて御議論をいただく。
 しかし、その中にやっぱりあるのは、これから二〇二五年、その先の中で、地域がどう変貌していきながら、それに必要な限られた医療資源をそれに向けてどう配分をしていくのか、これは当然やっていかなきゃいけないことなんだろうというふうに思っております。
○小池晃君 だから、今回のコロナ感染の事態を踏まえて、それを加味して再検証、見直すと、そういうことですね。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、それは地域においてこれから、常にいろんな資料も出させていただいております。それらも踏まえて見直すところもあるし、それから、実現するに当たって、どういうスピード感、どういうふうにやっていくのかといったことも議論をしていただく。あくまでも地域で御議論をいただく、これが前提になるわけであります。
○小池晃君 国が基準示してやらせているんだから、それ、地域地域って責任逃れやめてくださいね。で、見直すと、地域において見直す議論もあるというふうにおっしゃったので、これは一旦立ち止まってやっぱり見直すということを求めたい。
 持続化給付金について聞きます。
 一律十万円給付について、総理は、国民みんなが連帯して困難を乗り越えていくためとおっしゃいました。それならば、なぜこの持続化給付金は売上げ半減以上という線引きがあるんでしょうか。三割落ちても四割落ちても大変です。困っている人の中に分断を持ち込むというのは絶対やっちゃいけないと思うんですね。何で五割で線引きするのか、根拠を示してください。
○国務大臣(梶山弘志君) 中小企業の九五%を占める五十人以下の事業者や個人事業者の地代、家賃を参考に、いろいろとアンケートの結果として、年間四百万円が大体の家賃も含めた広告費、固定費ということで、その半額ということで二百万円と百万円という形にいたしました。
 五割というのは、五〇%今落ちている方たちが、調査の中で八%おいでになるわけですね、全部の、対象者の中の八%おいでになる。そして、さらにまた、八%、さらに三〇%まで含めると、三〇%まで含めて、これらも含めて五割になる可能性があるという中で五〇%までと線引きをさせていただいたということであります。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 梶山経済産業大臣。
○国務大臣(梶山弘志君) 今年の一月から三月までの売上げの中で、五〇%まで、一月を取った上で、五〇%まで売上げが減少しているのが八%ありました。そして、三〇%までというのがまたあったわけでありまして、それらも含めて五割ということにさせていただきました。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(梶山弘志君) 済みません。
 三月の調査でマイナス五〇%以上売上げが落ちているということですね、五割以下になっているというのが八・三二%ありました。そして、三〇%を超えているというところ、売上げが三〇%以上減少しているというところが二〇・六六%ということで、二割、ごめんなさい、二割でありました。
 この方たちまで入れた上で大体五割ぐらいの減少になるだろうということと、まだ、一月から四月までの一か月を取って昨年の同月比で五割ということで、支払が苦しくなるという前提でこの五割というところで設定をさせていただきました。
○小池晃君 いや、だから、もう、今のは計算の仕方で、何で五割で線引いたのかの説明になっていないんですよ。
 何で五割で線引いたのか、この根拠を示していただきたい。
○国務大臣(梶山弘志君) 全部厳しいわけですけど、五割以上売上げが落ちたところが、やはり家賃であるとか固定費を払うのは厳しいだろうという中で、五割という点で線を引かせていただいたということであります。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(梶山弘志君) これまで、給付金というのは前例のない措置でございます。前例のない措置を全部に広げるというには線引きをしなくちゃならない、そういった中で、五割以上売上げが落ちているところが固定費の支払とか大変苦しくなるということも含めて五割という線に線引きをさせていただいたんですが、より広く拾うための措置はしております。
○小池晃君 いや、だから、じゃ、何で五割だったら線引いて、四割じゃ駄目なんですか、三割じゃ駄目なんですか。みんな苦しいでしょう。何で五割なんですかって言っているの。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今度、言わば、中小企業あるいは小規模事業者の皆様、それぞれ大変な困難な状況にあるわけでありまして、それはどこで切るかということでございますが、これはただいま梶山大臣から答弁をさせていただきました。前例のないことではございますが、言わば、半減した大変厳しいところに対してこの百万円、二百万円という形で給付をさせていただこう、言わば、これは予算規模において、例えば、じゃ、全てに出せればそれはもちろんいいわけでありますが、その中で、財政規模の中で我々検討した結果、こういう形にさせていただきました。
 ただ、では、小池委員が言われたように、じゃ、五割を切ったところはどうか、しかし、そういうところにつきましては、例えば、これまで、これからの期間でですね、一か月でも半減すればそれに相当するというふうに対応していくわけでありますし、できるだけ柔軟に考えながら対応できるようにしていきたいと思っております。
 また、では、五割を切った方々に対しましては、例えば持続化補助金ですね、持続化給付金とは別の持続化補助金において、上限を通常の二倍の百万円に引き上げまして、事業完了を待たずに即座に補助金を支払う特別枠を創設しながら、その五割以下の企業に対しましても対応していきたいと思っております。
○小池晃君 五割に根拠がないということがよく分かりました。結局どこかで線引くしかないから、それだけの話でしょう。(発言する者あり)そうそうと言っているの、総理が今、そうそうと言っているの。そういうことですね。
 これは無責任な話ですよ。やっぱり商工会議所の人たちなんか、みんな、会員の人たちから相談が来て、何で五割以下だったら対象になるのに四割じゃ駄目なんだと、説明できませんと、怨嗟の声が上がっていますよ。これは、こんなことを許しちゃいけないでしょう、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、どこかで、じゃ、例えば、では四割にすれば、じゃ、その四割の根拠があるのかどうかということでございますが、言わば、五割半減した方々については、この予算規模との、出していく給付金とのこの見合いでございます。例えば、五十万円、百万円にすれば、これはもっと多くの方々への支援ができます。ただ、五割半減した方々については、これはまさに大変立ち行かなくなる可能性というのは高いわけでございますから、ここに対しましては百万円、二百万円という形で、固定費の地代、賃貸料の大体半年分について給付をさせていただくという判断をさせていただいた。
 ただ、それ以下の減の方々につきましては、先ほど申し上げましたように、持続化補助金を倍増しまして百万円という形で支援をさせていただくということにさせていただいたところでございます。
○小池晃君 企業が潰れるかどうかと、事業が続けられるかどうかと、みんな大変な思いでいるときに財源の規模だとか、そんなこと言っている場合じゃないじゃないですか。絶対に潰さないと、コロナの被害で企業は一つも潰さないと、そういう責任を果たすのが政治の役割でしょう。しかも、一回こっきりの給付金じゃ解決しません。
 青森県のアパレル経営者の方からメールがありました。売上げ七千六百万円、従業員二十四人、高級婦人服を作って一〇〇%デパートに卸していた。三月、売上げ三五%ダウン、四月は五三%ダウン、五月は六五%ダウンの見通しで、半月以上休業予定だと。高い技術を持つ従業員の雇用を守るために雇調金を手続したけれども、毎月二百万円以上の家賃が払えない、持続化給付金もらっても一か月しかもたない。この方、言います。無利子無担保とか言うけれど、結局それは企業に負債を負わせて国の経済維持しようとしているだけの話じゃないか、雇調金で働く従業員守ると言っても、それを抱えている企業が維持できなければ解雇あるいは倒産するしかない。
 総理、百万、二百万の一回こっきりの給付金でこういう企業守れないでしょう。しかも、緊急事態宣言を延長する。更なる補償が必要じゃないですか。更なる補償をすると、絶対に企業は潰さないと、そういう姿勢を示してくださいよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、どこかで線を引かなければいけないという話をさせていただきました。それは、例えば休業要請等をした結果、これ売上げがゼロになるところがたくさん出たわけでございまして、当然そういうところは今回の対象と、持続化給付金の対象になるわけでございまして、つまり、五割以上が減るというのは相当の状況であります。例えば売上げ一〇%、二〇%、いろいろな景気の変化の中においてはそういうことは起こり得るわけでございますが、言わばゼロになるあるいは五割減少するというのは、今回の出来事、特にまた休業要請等々を行っておりますから、それを考慮した上で今回そういう線引きをさせていただいたということでございますし、今挙げられた例におきましては当然それは対象となる企業であります。
 ただ、その立地している場所によって、言わば二百万円だったとしても、それはとても地代にはこれ……(発言する者あり)いや、青森県ですか、それはどれぐらいの規模かということももちろんあるわけでございますが、これは全国平均でということで二百万円、百万円ということにさせていただいたところでございますが。
 ただ、借金ではあるということではございますが、しかし、一番企業が必要とするのは、そういうときに、手元の資金でありまして、その手元の資金については、まずは、無利子であり無担保であり、実質ですね、実質無利子無担保であり、五年間元本返済が不要。言わば五年間これは使えるということになるわけでございますので、そういうものを供給させていただくということになるわけでございますし、また、当然、昨年、税金を払って、企業の調子が良くて税金を払っていて、今年は悪くなった場合、それは言わばそのかつて払った税についてもこの還付をされていくということもあるわけでありますし、税、社会保険料等についても、これは延納することを、納付をですね、これは延納することも猶予できるようにもなっていくということでございます。
 そうしたこともしっかりと行いながら支援をしていきたいと思います。
○小池晃君 いろいろ言うけれども、そういう様々なことをやってももうこれではやっていけないという声が今あふれているじゃないですか。しかも、それを延長しようというんでしょう。このままでいいんですかと言っているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済の状況においても、言わばこの状況が続いていく、あるいはまた更に深まっていくという中において、必要があれば当然、必要と判断すれば、これちゅうちょなく我々も必要な措置を行っていく、断行していきたいと考えております。
○小池晃君 緊急事態宣言延長するんだったら、一回こっきりで終わらせないと明言していただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまさに、経済の状況におきましては、この状況についてどうなっていくかということについては十分に注視をしながら、よりこれが長くなり、長引き、先ほど申し上げましたように、深まっていく、そして相当状況が悪化していくという中においては更なる対応ということにつきましても当然判断をしていきたいと、こう思っております。
○小池晃君 悪化しているじゃないですか、既にこれだけ。このまま延長したら、明らかに更に悪化しますよ。今から準備するの当然じゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは今申し上げましたように、先ほど答弁をさせていただきましたように、今後、長引き、また更なるこの深まりが出てくる中においては、当然、悪化していく中においては当然我々もやるべきことはなしていく、これは当然のことであろうと、こう思っております。
○小池晃君 全国のライブハウスなどを旅して生計を立てているフリーランスのミュージシャンの方から声寄せられました。ギャラなどをその日にお店から受け取って、明細はない、いわゆる取っ払いだと、自分はこの持続化給付金の対象になるだろうかと。
 経産省に聞きますが、キャンセルになったスケジュールなんかが分かるようなホームページとかメールのやり取りとかあれば対象になるということですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 申請に当たっては、収入が減少した理由を証明する書類は不要であります。
 そして他方、収入が減少していることを証明していただく必要はあると思います。月ごとの収入で、前年の同月比でということで比較ができるものが必要だということであります。二〇二〇年の一月以降の任意の一月を選んで五〇%以上減少していることが示せればいいということで、一月から四月、まあ今月も入りますけれども、四月までで、前年の同月比で五〇%以上という形で資格が得られるということであります。
○小池晃君 証明書のようなものは要らないということですね。
○国務大臣(梶山弘志君) 減収した理由の証明書は要りません。
○小池晃君 新規開業の場合どうですか。対象になりますか。
○国務大臣(梶山弘志君) 前年の売上げがないというところはなかなか難しいと思っております。
 ですから、先ほど総理も答弁しましたとおり、こういう事業者には持続化補助金という形で、前年より、前回よりも倍大きい補助、補助額が出る補助金をつくりました。そして、それらを、現金の支給もできるだけ早くということで、遡った形での費用も認められるという形でこういった助成金を、補助金をつくっておりますので、そういったもので対応していただきたいと思っております。
○小池晃君 コロナ感染広がりは、安定した住まいを持てない人たちを直撃しています。給与が激減し、支払できない人が増えています。
 国交省に聞きますが、公営住宅の家賃の減免についてはどのような要請を自治体にしていますか、その理由も含めて。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 新型コロナウイルスの感染拡大になりまして、公営住宅の居住者で家賃が支払えないという事案が多く発生をいたしておりました。
 その中の、特に公明党の山本香苗委員が座長になっておりますプロジェクトチームからも、しっかり国交省からも要請をしろという、そういった具体的な話もありまして、その中身ですね、国交省から各都道府県と政令市の住宅担当部長宛てに三月二十三日に通達をさせていただいております。その中身は、収入が減少し、家賃を滞納している入居者が継続して居住できるように、家賃の徴収猶予ですとか家賃減免の適用等の負担軽減措置などの対応を、それに加えて、あと、各地方自治体の民生部局とか生活困窮者の自立支援制度主管部局とも連携をして様々な措置がとられておりますので、そうした中でしっかりと救っていただきたいということを各地方公共団体に対して要請をしているところでございます。
 あわせて、この中身は、住まいに困窮されて、これまで公営住宅に入居をされていなかった、新たに公営住宅入居を希望されている方たちに対しても入居が円滑に行われるように、地方自治体でそれぞれの入居要件を設定している場合がありますので、こうした要件も弾力的に取扱いをするようにという要請の内容となっております。
○小池晃君 一方、UR都市機構の賃貸住宅では、家賃三か月滞納すると明渡しを求めて、強制退去を求めています。これまでの建物明渡し件数を言ってください。
○参考人(伊藤治君) お答えいたします。
 私どもUR賃貸住宅、全国約七十二万戸につきまして、平成二十八年度から三か年の実績と、昨年度、令和元年度の速報値の御報告をいたします。滞納を理由といたしまして、当機構、法的手続によりまして住宅の明渡しに至った件数につきましては、平成二十八年度から順次、二千百件、二千件、千九百件、そして令和元年度の速報が千六百件でございます。
 もちろん、この間の経済情勢、背景にございますけれども、現場の個別の事情に応じた努力も含めて、減少傾向にあるというふうに思っております。
○小池晃君 しかし、今も家賃三か月滞納で強制退去しているんです。
 ステイホームと言っているときに、こういうことをURとして続けるんですか。
○参考人(伊藤治君) お答えいたします。
 当機構では、家賃の支払が困難となったお客様に対しまして機械的に明渡しを求めているわけではございません。三か月の滞納に至る、それ以前の過程におきましても、個別の事情に応じまして、またお客様との御相談を通じまして、住宅確保給付金に係る情報の御提供、あるいは行政の福祉窓口の御紹介、さらには家賃の支払を猶予した上で分割支払の御相談を行うなど、御提案を行うなど、必要な配慮を行いながら対応しておるところでございます。
 さらに、この度の緊急事態宣言の発出等を踏まえまして、新たな措置といたしまして、分割支払期間については原則六か月、事情があれば更なる延長も行うこと、また、分割支払期間中の家賃について、遅延利息の免除を可能とすることとしたところでございます。住宅確保給付金等の福祉の給付と家賃の分割支払の組合せによりまして、お客様の御負担を軽減することが可能となると考えております。
 現に、全国、私ども二十七の住まいセンターに対しまして様々お問合せを頂戴しておりまして、具体的に支払の猶予、分割支払の方法、具体的な御相談を開始させていただいておるところでございます。
○小池晃君 足立区のバス会社の正社員の方、もう仕事が減って家賃払えなくなった。一遍に払ってください、駄目なら出ていってくださいとURから言われたと。三月十三日に滞納家賃の支払と立ち退きを求める訴状が届いた。分割でも必ず払うからと言っても、言うこと聞かなかった。
 こういうことが起こっていますよ。どうなんですか。
○参考人(伊藤治君) お答えいたします。
 個別の事案でございますし、また、案件、滞納といういささかナーバスな件でございますので、詳細な経緯、ちょっとここでは御説明を控えさせていただきますけれども、訴訟が始まった後でも私どもお話合いを続ける用意はございますので、現にその方とも、今、三月、四月はお目にかかってお話合いをさせておるところでございます。訴訟を一遍出したからもう一切話をしないということではございませんので、訴訟の中で和解をするということだってあるわけでございます。
 引き続き、訴訟の、お支払いいただくということができれば、そこで和解をするという対応が適当かと思っております。
○小池晃君 訴訟を撤回してください。
○参考人(伊藤治君) 余りここで、さっきも申しましたように、個別の事案のことを詳細に御説明するのはいかがかという面もありますけれども、実はコロナの影響以前からという方、状況でもございますので、ほかの方との公平性とも考慮しまして慎重に対応を検討してまいりたいと思います。
○小池晃君 ほかの人にも同じようなことやっているということですか、今のは。
○参考人(伊藤治君) 原則としましては、三か月、家賃の滞納が三か月に及んだ場合は、私ども、もうこれでお支払をいただけなければ解除させていただきますという意思表示をします。ただ、その意思表示をした後もお話合いは続けさせていただきます。訴訟になっても、和解交渉、協議という意味でお話合いを続けることは可能でございまして、そこで支払計画がちゃんと立てられるような状態になった方については引き続きお住まいいただく、できるだけお住まいを続けていただくという方向で常々対応しておるところでございます。
 委員御指摘の件の中に、ちょっと私どもの現地の対応が不十分だという点があれば、今後そういったことがないように十分徹底をしてまいりたいと考えております。
○小池晃君 総理、ステイホームと言っているときに、独立行政法人であるURが立ち退きを強制するようなことをやらせていいんですか。そういったことはやめろと言うべきじゃないですか、総理。
   〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 個別の事案につきまして言及は控えたいと思いますが、収入減少等に苦しむ方々が抱いている住まいへの不安については速やかに解消しなければならないと思っています。このため、リーマン・ショックの際にとられた措置と同様の、これらの方々が公営住宅に入居できるよう地方公共団体に要請をするとともに、生活困窮者自立支援法に基づき、住居確保給付金の活用促進や宿泊場所の提供も進めています。
 引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により住まいに不安を抱く方々の住居の安定に向けて万全を期してまいります。
○小池晃君 リーマン・ショックのときは、公営住宅の空き家、雇用促進住宅、派遣切りで住居を失った人に提供したこともあるわけですよ。災害時にはみなし仮設住宅も提供しているわけですよ。
 総理、やっぱりステイホームと言うのであれば、ホームを提供するのは政治の責任ですよ。そういう立場で臨むべきじゃありませんか。いかがですか、重ねて。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 都市再生機構が生活に困っているUR賃貸住宅の居住者からの相談に丁寧に応ずるよう、国交大臣において適切に対処しているものと、このように思います。
○国務大臣(赤羽一嘉君) よく御存じだと思いますが、まず平時のルールと今回のような感染症のルールというのは、状況というのは違うと。ですから、平時のルールはルールとして、独法ですけど、ですから彼らのルールというのはあると思いますが、国土交通大臣としては、今居住されている方が今回のコロナウイルス感染症の件で居住ができなくなるような事態は最大限避ける努力を尽くすということ、これだけでございます。
   〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
 ただ、あと、災害のことに絡めてというのは、この感染症を災害に当てて様々な支援策を取るということも一法だと思うんですが、私、所掌ではないので余り言いませんが、そこに行かない、みなし仮設を設置する、しない以前に、国交省の中でできる範囲で最大限の努力をしていきたいと、こう考えております。
○小池晃君 災害時には本当にいろんなことをやるわけですよ、政府も。私は、今度の事態というのは災害を超えていると思います。今までの災害超えているような事態が起こっていると思います。戦後最悪の事態だと言っているじゃないですか。ならば、災害時にやった様々な知恵を生かすということを本気で考えるべきだ、さっきの診療報酬の概算払も含めて。平時じゃないんですよ。今までの常識超えた対応をしなきゃいけないんですよ。そのことを強く求めたいと思います。
 今回の補正予算では、新型コロナリバイバル成長基盤強化ファンドが創設されます。財務大臣、内容を説明してください。
○国務大臣(麻生太郎君) この感染症の影響からいわゆる今後回復とか成長とか目指していくためには、融資でその場つなぎの一時的に資金繰りをするだけではなくて、資本性の資金というものを供給する必要があるだろうと考えております。
 政投銀が今回特定投資業務の一環として新型コロナリバイバル成長基盤強化ファンドというのを創設させていただいて、この補正予算において千億円を計上させていただいております。
 足下で提供できない事業とか新たな投資等々、いわゆる新規事業とか異業種とか、そういった連携を行おうとする企業に対して資本性の資金というものを供給することを通じて企業の競争力と地域の活性化というのを図ってまいりたいと考えておりますので、いろんな意味で、地域の観光業とかやる気のある経営者が地元で事業の縮小を行う企業の受皿となるとか、医療用機器の開発を行うベンチャー企業とかサプライチェーンの再配置に伴う事業再編など、企業の規模にかかわらず資本性の資金というのを供給するものだと私どもは思っておりまして、投資先の、共同ファンドによる投資先のうちを見ましても、約三分の一が中小企業への投資というのが今の現状です。
 聞こえた。ああ、よかったよかった。
○小池晃君 確認しますけど、これは出資、すなわち株の購入、ファンドへの出資に充てられるもので、返済不要の支援ですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもとしては、基本的にいろんな形でこういうものが、投資でありますから、それに伴って、私どもが資本としてやったからにはそれを売却することもありますよ、返済というんじゃなくて、投資しているんですから。それは意味分かりますよね。投資しているんですから、それを投資しているのを回収という、それを取られるかどうかの話だと思いますが。
○小池晃君 だから、返済という概念は当てはまらない世界ですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の考え方っていろいろだと思いますけど、例えばよく使われる劣後ローンとか、いろんな考え方で捉えられるとは思いますけれども、私どもとしては、これを直ちに返済して何とかしてくれということを要求しているわけではありません。
○小池晃君 返済不要なんですよ、これね。
 大企業も確かに大変ですよ、コロナ危機で。でも、巨額の内部留保があるじゃないですか。政府が出資しなくても十分な蓄えあるじゃないですか。しかも、出資じゃないや、融資でいえば危機対応融資、これ、大企業向け四兆円用意されていますよね。
 総理、先ほどから議論ありました、中小企業には無利子無担保だというけど、貸付けですよ。中小企業には貸付け、大企業には返済不要の資金援助、出資。納得得られると思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘をいただいたREVICでありますが、企業規模にかかわらず資本性資金による支援を行うものでありまして、大企業優遇ということではなくて、このほかにも中小企業向けの資本性資金による支援については中小機構において再生支援等を行うファンドを設けるとともに、REVICの地銀との共同ファンドといった既存ファンドを活用するなど幅広く支援スキームを活用しているところでございまして、あらゆる手段を駆使して困難に直面している中堅企業又は中小企業者の皆様を応援していきたいと思っています。
○小池晃君 これ、これまでの実績でいうと、競争力強化三十八件、五千九十四億円、八六%大企業ですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、今申し上げましたように、これからまさにそういう形でこれを活用していきたいと、こう思っております。
○小池晃君 いや、だから、これまでまさに大企業支援の枠組みとしてやってきたことを、コロナ危機だといって一千億円入れているわけですよ。ゴー・ツーというのも大問題ですけど、これは不要不急どころか、今目の前の命と暮らしを救うべきときに、優先順位めちゃくちゃな上に、ましてや大企業支援の枠組みを潜り込ませる。これ、火事場泥棒もいいところじゃありませんか。総理、こんなやり方が理解されると思いますか。
 今までさんざん議論してきました。何で五割で線引くのか。どこかで線引かなきゃいけないから。お金がないから。あるじゃないですか。こういうお金を中小企業に、医療に何で使わないのか。四百六十六億円のマスクではなく、医療支援、これに使うべきじゃないですか。こんな大企業支援の枠組みをやるんだったらば、それを苦境にあえいでいる中小企業のために使うべきじゃありませんか。ゴー・ツー・キャンペーンも大企業向けのファンドもやめて、学生の支援や医療の支援や中小企業の、そしてフリーランスの支援や文化芸術の支援や、そこに税金を使うのが、総理、政治の責任じゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この危機に当たってですね、どこどこの分野、どういう方々に対してはやめてこっちに持ってくるということではなくて、それぞれ必要な対応を取っていきたいと、こう考えております。
○小池晃君 優先順位がめちゃくちゃだと言っているんですよ。優先順位めちゃくちゃ違う、今じゃないでしょう、これやるのは。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
○小池晃君 コロナ終息後の対応を今考えるときじゃないんですよ。今目の前の危機をどうやって乗り越えるかを党派を超えて知恵を出し合うときだということを申し上げて、私の質問を終わります。

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