赤旗2020年3月22日付
小池氏も提起
19日に発表された新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言は、今後の爆発的な感染拡大を回避するため「重症者を優先する医療体制」の構築をめざすよう政府に提案しました。このなかで、高齢者や重症化リスクの高い人が「早めに受診」できるよう、受診にかかわる現行方針の変更を検討すべきだと求めました。
現行の「相談・受診の目安」は「風邪症状や37・5度以上の熱が4日以上、高齢者や基礎疾患がある人は2日程度続くこと」となっています。これについて日本共産党の小池晃書記局長は10日の参院予算委員会公聴会で「肺炎に移行するような重症の患者さんを見落とす危険性がある」「こういう基準は撤回すべきだ」と質問。専門家会議の尾身茂副座長は「高齢者や基礎疾患のある人は、個人的には初日(受診)でもいい」「高齢の方はほっといたらもっと悪くなる。早めにやるのは大賛成です」と応じ、検討を約束していました。
提言は、「重症者を優先する医療体制へ迅速に移行」するため、地域の感染拡大の状況に応じて受診、入院、退院の方針を変更する検討を進めるべきだとして、強いだるさや息苦しさなどを訴える重症化リスクの高い人、高齢者、基礎疾患がある人に早めの受診を呼びかけました。
一方で入院対象を「持続的に酸素投与が必要な肺炎や入院治療が必要な合併症を持つ患者」に絞る考え方を示しました。現在、措置入院の対象としている軽症者や無症状の陽性者を「自宅療養」とすることも掲げました。
感染の有無を調べるPCR検査について、現状では患者本人か、患者を診療した医師が「帰国者・接触者相談センター(保健所など)」に相談し、センターが検査の必要性を判断することになっています。このため保険適用されても検査の実施件数が伸びていません。
この問題についても小池氏は18日の参院厚生労働委員会で「相談センターを経由し帰国者・接触者外来へというルートは見直すべきだ」とのべ、血液を使った検査キットの早期使用も含め政府に改善を要求しました。提言は、必要なPCR検査の速やかな実施や血清抗体検査法などの導入に言及しています。